勇者達との再会
真也がディーヴァテインを作った日から2週間、真也は馬車に揺られていた。 2週間の間に、剣聖とディーヴァテインを使った戦い方になれたり、糸生成と空蹴を使ってス〇゜イ〇゛ーマンのような事をしたりして遊んでいた。 真也は、向こうでは勇者達に対して、シンと名乗ることにし、認識阻害の仮面被ることにした。
この馬車には、他に迷宮攻略に参加する冒険者が3人ほど集められていた。
「俺はAランクのモーブだ。 よろしたのむ」
そう声をかけられたので、同様にランクと名前を名乗っておいた。 他の2人とも同じように挨拶を交した結果、全員Aランクだったので、Sランクじゃない理由を聞いてみたら、いぜと言う時に街に戦力がいないと困るかららしい。そんな感じで、世間話を話していると、馬車が止まった。
「お、どうやら着いたみたいだぜ」
そういってモーブが馬車の外に出ていくので、俺達も続く。 すると外には、かつて同じ環境を過ごしていた勇者達がいた。 バレるんじゃないかと思いつつ、そちらへ向かうと、
「始めまして、冒険者の皆さん。 勇者達の代表の、佐藤勇気です」
と、勇者の中の勇者に言われたので、バレる心配は無さそうだ。他の冒険者達も挨拶していたので、同様に自分もシンと名乗っておいた。
「よし、これで全員だな。 俺は騎士団長のゴレフだ。 よろしく頼む」
そういって、右手を差し出してきたので、こちらからも1人でて握手を交わした。
「よし、それでは、早速迷宮攻略に向かう。 この勇者達は俺が直接鍛え上げて来たから問題はないだろう。 そちらも、ギルドの推薦だ。 上層はペースを上げて素早くいこう」
団長はそういうと、迷宮の中へと入っていった。それに続き、勇者達や冒険者達も入っていった。
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迷宮攻略は順調に進んでいった。 前回よりも、かなりレベルが上がっているのか、スピードが上がっており、魔物が出てきても皆率先して倒していた。
「一旦ここで休憩にしよう」
団長がそういうと、みんな寛ぎ出す。 少し油断しているんじゃないかと思ったが、ちゃんと警戒しているようなので、何も言わなかった。その時、
「シンさんって、レベルいくつなの?」
そう聞いてくる声が来た。視線の方を向くと、三人衆のリーダー。井上恵が話しかけてけていたたま、少し悩んで、あえて少し低めに行くことにした。
「35だよ」
そういうと、予想通り少し驚いたような顔をして、
「へ〜、意外と低いんだね。 私は、45だよ!」
そう返してくる。 その後も色々なことを質問された。 他の仲間の所へ戻った後に、「いい感じかも」なとどいっていたため、もしかしたら顔目当てだったのかな?などと思っていると、休憩が終わる。 休憩の間、他の元クラスメイト達も、以前と変わらない雰囲気だったので、やはり俺の存在は薄かったんだろう。
適度に休憩を挟みつつ、下層へと下っていくと、上から数えて50階層目。 ついに、ボス部屋のような扉の前に来た。
「恐らくここの奥にいる魔物は、他の魔物より強いだろう 。 気を引き締めていくぞ!」
それに対し、みんな同様に返事を返すと、団長が先頭に立って、皆がそれに続く形で中に入っていく。 扉を開けて中に入ると、中にいたのは...
「ミノタウロス......」
そう、あの憎きミノタウロス先生だった。 しかし、俺が前に迷宮で吹き飛ばしたのと色が違っていた 恐らく、あれは変異種のようなものだったんだろう。 そんなことを考えていると、もう既に戦闘が始まっていた。
「勇気、俺は先に突っ込んで奴の動きを止める! その間に他の奴らに指示を出せ!」
そういって団長がミノタウロスへ向かっていく。
「団長、俺らも微力ながらサポートするぜ!」
そういって他の冒険者達も突撃していく。後ろで勇気の指示が飛んでいるが、戦闘音に遮られ聞こえない。 ちなみ俺は、ミノタウロスを目撃した瞬間に隠密を発動させて、完全に観戦者モードになっている。 少しすると、勇者達が駆けてきて、
「団長、助太刀します! みんな! 指示通りに頼む!」
そういって、勇気を戦闘に、第2ラウンドが始まる。 ちなみ、ミノタウロスがAランクなのに倒せないのは、迷宮の魔物は普通の魔物よりも強いからだ。その中でも、50層ごとにいる、階層主は勇者の中の勇者と同じくらいのステータスを持っている。
「ここで......倒す!」
そんなセリフを吐き、ミノタウロスを切りつけると、体力がなくなったのか、動かなくなった。
「よし、今日はここまでにして、ここに泊まろう」
そういってミノタウロスの死体を片付け、テントを広げ始める。俺が隠れていたことには誰も気付いていないらしいため、俺も野宿の準備をする。
準備が終わり、食事も終えると、寝ている間の見張りを、4人決め、前半と後半で分けることになった。 俺は後半の見張りになった。 ちなみに、もう1人の見張りは、<魔導士>の持ち主の未来だった。
交代の時間になると、見張りに起こされた。俺は伝説の魔物と合成したため、ただでさえ超人的な身体能力を持っているが、元が普通の人間なため、不眠不休ではない。 眠たい体を起こし、テントからでると、既に未来は見張りに着いていた。 特に話すこともないだろうと思い、無言で近づき、座ると。 なぜか声を掛けられた。
「シンさん....っていうんですよね?」
そう言われたので、無言で頷く。
「シンさんはどうして冒険者になろうと思ったんですか?」
そんなことを聞かれたため、少し悩んで、
「強くなりたかったからだよ」
そう答える。 別に真也はもう既に世界最強(爺の次に強い)なんだが、とりあえずそう答えた。
「本当にそうですか?」
気持ちが籠ってなかったのか、顔に出ていたのか、そう聞き返された。 意外と鋭かったので、
「冒険者って、かっこいいじゃないですか。 それに僕は、この世界を旅してみたいんですよね」
しっかりと本音で答えてみる。そうすると彼女は、「フフっ」と笑って、
「シンさんって、意外と幼い部分もあるんですね。 でも、何となくその気持ち、私にも分かります」
そういって彼女は、再び笑う。 ただでさえタイプなのに、そんな風には笑われたため、かなりドキッとしてしまった。 しかし、彼女の表情の中に、押し殺したような感情が見えたのを、真也は捉えていた。
それから時間がたち、食事と準備をしてから迷宮攻略が再び始まった。 昨日、破竹の勢いで進んできたため、今は50層にいる。 これ以上先が何層まであるのかわからないため、ここからは警戒を怒たらず進んで行くとのことだった。
50層から出て、しばらく経った。 徐々に魔物が強くなってきている。 大体外でAランクぐらいの強さだろう。 冒険者達は、少しキツそうだったが、勇者達はまだ余裕があるらしく、戦闘は主に勇者達が行うようになった。 どうやら勇者達は、俺はがいなくなった後、レベル上げに励んだらしく、生産職の3人以外は全員40レベルを超えているらしい。 ステータスは、最低でも平均600はあった。
50層から出て、2日間、魔物の強さも変わってきて、Sランク同様の力を持つ魔物がほとんどで、勇者達の余裕もないようにみえたが、自分の固有技能を使いこなせして見事に戦っていた。
そして今、50層から数えて100層目、目の前には定番の大きな扉があり、恐らく、昔爺がいたであろうところの前に、俺たちはいた。
「これまでの戦いで分かったように、魔物は次第に強くなってきていた。 この先にいる魔物がどういう魔物なのかはわからないが、油断は絶対に禁物だ! いいな!」
『「はい!!」』
そういって、扉を開くすると、その先にいたのは
「「グォォーーーーーーー」」
2体の、ドラゴンだった。