8.白い狐と緑の狸?白だっけ?
「クゥークゥー」
「グエッギェギェギェ」
俺は鳴き声が聞こえてくる林の方へ行き、草をかき分けながら近づくと
「狐?うーん狐だよな、ゴブリンが狐を襲ってる?モンスターてほかのモンスターを襲うのか?本にもそんなことは書いてなかった様な」
そこには四体のホブゴブリンが白い狐を取り囲んで襲っている様子だった。
「あの狐は初めて見るな、それに白いしな。レアモンスターか?とりあえず邪魔なゴブリンを排除するか」
俺は武器を構え二体のホブゴブリンの背後を取り短刀と短剣で切りつけ頭を落とした、俺が近づいたことで他の二体のホブゴブリンが気付きこちらへお襲いかかって来た。
「遅いっ」
ゴブリンの攻撃が来るよりも早く武器を頭に突き刺し仕留めた。
「ゴブリンを倒したはいいがどうするかな、この狐全然襲ってこないな。俺が出会ったモンスターは総じて俺の姿を見るなり襲ってきたやつしかいないんだけどな」
目の前の白い狐は孝一を襲うようなことをせずに終始怯えた様子で孝一を見ている。
「とりあえず鑑定してみるか」
≪鑑定≫
【Monster】
名称 :銀狐
状態 :左脚(切傷)
スキル:???、???
魔法 :銀雪魔法Lv5
「んっなんだ、こいつのステータスいつも出てきてるはずの説明がないぞ。それに状態?こいつケガしてんのか」
「クゥークゥー」
白い狐はケガしてると言わんばかりにケガしてる左脚をこちらに見せてきた。
「えっこいつ俺の言葉わかんのか?おい狐ケガしたとこ大丈夫か?」
「クゥーン」
次は大丈夫じゃないとばかりに首を振りアピールをしてくる。
「わかるみたいだな、どうするかなテンプレで行けばここはケガを直してやる所なんだが治していきなり襲われても嫌だしな。なんであいつらはこれ幸いとばかりにすぐ治してあげるんだろうか?」
「クークークークー」
俺が逸れた話をしていると突然白い狐が鳴き始め、上目遣いで助けてとアピールしてきた。
「うーん・・・、狐先に行っとくぞ治してやってもいいだが先に俺の質問に答えろ。あと治してもいきなり襲い掛かってくるなよ、殺っちまうぞ」
「クーーン」
俺は考えてるときにスライムのメモを思い出し条件付きで治してやることにした、そしたら白い狐はわかったと言わんばかりに首を縦に振った。
「よし、じゃあお前は俺の敵か?それとも特別なモンスターか」
「クゥーン、クン」
白い狐は敵かと聞いたら首を振り、特別なモンスターかと聞いたら首を縦に振った。
「じゃあ、俺に何かしてくれるのか?」
「クゥーン」
白い狐はわからないと言う感じで首を横に傾けた。
「スライムが言うには殺したらダメとか仲良くしてたらて言ってたからな~、とりあえずケガを治して様子見てみるか。おい狐今からケガを治すから動くなよ」
「クン」
白い狐から了承を得た所で孝一は水の回復魔法を唱えた。
≪アクアヒール≫
白い狐の足に水の球ができ徐々に包まれたところを治していく。
「治療は終わりだな、それにしても不思議だよな。回復て時間を戻してるのか?それとも細胞を活性化させてるのか?使った感じ細胞の活性化てよりは元に戻してる感じがするんだよな、まぁこればっかりは他のに使える奴から聞かないとダメだな」
「クーン」
また俺が逸れた話をしていると白い狐が鳴き声を上げた。
「おーすまんな、でどうだちゃんと治ったか?それと今後どうする?」
「クン」
白い狐は治ったと言わんばかりに頭に縦に振り、俺の体をよじ登り肩の上で止まった。
「おいっいきなりなにすんだよ、なにお前一緒に来るつもりなの?」
「クン」
「まじかよ、こいつレベル低いんだよな。この階層の敵大体35以上あるからな、それに風の谷のナ〇シカみたいに肩に乗ってよ。こいつ降りそうにないしスライムのメモのことがあるから連れてくか、あのメモ信じるならなんかあんだろ」
俺は色々考えた結果白い狐を連れてくことにした。
「ここで普通だったら名前付けるんだろうけど、お前名前いるか?痛っ!!」
俺が白い狐に聞いたら、いきなり耳を噛まれてしまった。
「なにすんだよ、このバカ狐!!」
「クン、クン、クゥーン」
「いやわかんねーよ、お前の言葉なんてお前は俺の言葉わかるんだろうけど俺はお前の言葉わからないんだ。なんだ名前付けてほしーのか」
「クン」
「そうならそうと早く言えよ、あっブーンメランだ」
孝一は白い狐に名前を付けるためにその場に座り、肩にいた白い狐を地面に下ろし考え始めた。
うーん、白い狐か赤い狐だったら間違いなく金〇先生て名づけるんだけどな。
白かぁ~、ハクでよくねーか白いしでも安直に考えてまた噛まれるの嫌だしな。
シロ、シロ、シロ、シロ狐、シロ子、んっおしるこ、あぁ食べたいな~今年一回しか食べてないや・・・
いかんいかんズレたな、んー雪の魔法使うのか、雪に白い狐ねぇ~、もういいや俺の頭がパンクしそうだからシロでいいや雪は白いしこいつも白い、犬っぽいけどいいや
「よしっ、お前の名前はシロだ、わかったな」
「クゥー、クゥー、クン」
よし、なんか悩んでたが納得したみたいだからいいか、それに家の愛犬思い出すな~、シロにクロ・・・
フフフなんか笑けてくるな。
「シロ肩に乗れ、早く出発するぞ」
俺がシロに呼びかけるとシロは急いで俺をよじ登り肩に止まった、そして先へと進む
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「シロの銀雪魔法確認したいからな丁度いい敵いねーかな」
〈魔法〉
銀雪魔法:・スノウエリア(フィールドに雪を降らせる)
・スノウドーム(雪と氷で強固なドーム型の壁を作り出す)
・暴風雪(フィールドに吹雪を発生させる)
・雹雪(対象に向け氷の塊を降らせる)
・氷結(対象を凍らせる)
しばらく手頃なモンスターを探しているといた、15ⅿ先に二体のホブゴブリンを見つけた。
「シロあそこにホブゴブリンが二体いるだろあれをお前なりに倒してみてくれ、ほら行けっ」
俺はシロをホブゴブリンに向け送り出し、シロの戦いっぷりを観察する。
シロはホブゴブリンとの間合いを10mの所まで詰め止まると、銀雪魔法を唱えホブゴブリンとの戦闘が始まった。
≪スノウエリア≫ ≪雹雪≫
シロが魔法を唱えると、まず空に魔法陣が浮かびそこから雪が降り始めた。そして二つ目の魔法を唱え魔法陣をホブゴブリンの頭上に出現させそこから拳大ほどの氷が次々に降り始めた。ホブゴブリンは頭上からの魔法を躱す為に避けようとすると、最初に降らせてた雪が共鳴し米粒ほどの雪だったのが同じ大きさの雹へと変わりホブゴブリンに襲いかかった。ホブゴブリンは増えた量には対応できず雹の雨に晒され倒れてしまった。
「えっなに今の、まさかコンビ技?もしかしてシロって頭いい子だったの?えっでもあいつ会ったときに襲われてたよね?何?運命で出会いましたーとか言いたいわけ?気持ち悪っ」
孝一がそんなことを考えてるとシロは倒せたことを大喜びし孝一の元へダイブしてきた。
「んっ何頭突きしてんの、まさかいきなり頭突きされて一緒に倒されじゃれ付こうとしたの?いやっ無理でしょこんな小さい生き物に飛びつかれても今の俺じゃ倒されないから、無理だから物理的に」
シロは頭突きに失敗した所で気にしてないという様に普通に体をよじ登ってきて定位置の肩に止まった。
「シロもうちょっとは悔しがろうよ、俺がバカじゃないか。まぁいいや、一応戦闘できることも確認できたし次は連携の特訓しながら先に進むぞ}
「クン」
孝一はそう言うとシロが返事をし、先を目指し進んでいく。