ひどく暑い朝
終わりがくること、
全てに終わりがあること、
何もかもが等しく終わること、
それから逃れることはできないこと、
それら全て、
僕らに与えられた祝福なのです、
救いなのです、奇跡なのです。
もう七十何年も経ちますね、かつての終わり、
世界を舐める炎に終わりが来たことを
祝うように悲しむように弔うような世界の声がして、
僕らはそれでも今日も数学の問題を解くし、
動画ばっか見るし、喧嘩をしたりもしますね、
忘れないなんて不可能だ、終わらないなんて不可能だ
終わりがある、終わりの向こうにもまた終わりがある、
記憶にも終わりがある、人間にも終わりがある、
そしてまたいつか繰り返したりするのかもしれませんね
嫌ですね。
あいを失わせ、どんな優しい人も連れていき、
いつか遺した全てのものを消し去ってしまう
それでも終わりは祝福だよ、
救いだよ、奇跡だよ、
愛を失った誰かの元には新しい愛がやってきて、
連れていかれた後には大事なものが遺って、
消えた後はとても美しくて、
そうだ、
永遠がこの世に存在しなくて、本当に良かった、
そうでなければ僕は一生手に入らない君を想い続けなくちゃいけない、
永遠、止まれ、止まれと願う時が、
本当に止まらなくてよかった。
それでも永遠を願ってしまいます、
人間なので、人間なので、
消え去った跡を見たい、永遠になって見たい、とか
祈っています。
人間なので。
さよならですね、終わります
この詩も終わります。