表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生者と怪魔たち  作者: 魔絵腹
6/20

素敵・無敵・呪い

「ん?我らの兵士たちを託してほしいだと?」

「まぁいま送る予定の怪魔はそう言ってますはい。」

ここは魔王城。そしてその魔王レディ・サタンは転生者2人相手に刺客として怪魔を送ろうとしたところその怪魔は魔王城の兵士である。鎧を着て三又を武器とした悪魔兵士、デビルファイターを何人かほしいと言ってきたのだ。

「なぜ我らの貴重な兵士をそやつによこす必要がある。何か理があってのことだろうな。」

「まぁそういうことです。はい。」

コーン・ヤーントはそういうと魔王はすこし悩んだが

「本当に理がある。ということに説明できれば貸してやろう。」

「あー、はい。じゃあここにそいつ呼びますね。」

そしてその怪魔はその送る予定の怪魔を魔王の前にモニター越しで呼び出した。

「はい。こいつが今回貴女に送る予定の怪魔、リヴァードという名前です。」


「しっかし綺麗な玉だねぇ…」

アズマ達が村をでた道中、岩山の中で村で手に入れた黄色い宝玉を見ていた。

「そういえばあとこれを6つ集めるんだよね。これひとつバックに入れるだけで結構スペース取るんだけど。」

「あぁ。まぁそれは教会に預ければいいってミリアが言ってただろ。」

旅を始める前、ミリアは

(もし宝玉を集めたら教会に預けてください。魔王城に行く直前に声をかけてくれれば宝玉をもった教会のものを送る、と伝えておきますので。)

と言っており、次の街の教会でこの宝玉を預けることにしている。

「でも、具体的にどうするんだろう?教会の神父やシスターたちに7つの宝玉を持たせるのかな?」

「ふむ…いまのところそれしかないが…本当に大丈夫なのか…?」

そう疑問に思っているとザッザッザッと沢山の足跡が聞こえてきた。

「ん?」

「なに?」

2人がその音の方向へ振り向くとそこには鎧を着た悪魔、デビルファイター達が群れをなしてこちらに近づいていた。

「うわぁ!?あれって!」

「…魔王城の兵士だな。おそらくは」

その兵士たちはこの山に住うモンスター、小鬼やゴーレムとは違っていた。

「ケッケッケッケッ!!お前達が転生者たちかぁ!!」

「こいつをやれば俺たちも幹部昇進だぁ!!」

その兵士たちは武器を舐めながら転生者を獲物を見ていた。

「とうとう本格的に刺客を差し向けたようだな。」

「よし!やっちゃおう!!」

そしてアズマ達は武器を取り出すと悪魔兵士たちとの戦闘が始まったー


結果的にいうと勝負は転生者たちが圧倒的だった。

その光景はまさに無双系ゲームのごとく、悪魔兵士たちは次々とぶっとんでいった。

「轟雷光斬!!」

ある時は雷を纏った刀で兵士たちを切り裂き、

「シールダー・ブレイク!!」

ある時は盾から発射される巨大ビームで悪魔たちは次々と消滅していった。

「ぎいぃやあぁぁぁぁ!!!」

「くそぉ!!これだから最近の転生者は!!」

「怪魔どもに苦戦した、て話は嘘だったのかぁ!!?」

「お母ちゃあぁぁぁぁぁぁん!!!!」

次々と鳴る爆音

次々と叫ぶ悪魔兵士の悲鳴

そして気づけば悪魔兵士は残り1人になっていた。

「まっ待ってくれ!!おれには魔界に病気の妹が…」

「セイッ!!」

「ぐえぇっ!!」

アズマはそれを容赦なく切り捨てた。

「…流石にもうちょっと話聞いても良かったんじゃない?」

「いや。これは嘘の常套句だって。」

「まぁとにかくこれで全員…いや」

なんと突然斬ったはずの悪魔兵士たちが次々と傷口が塞ぎ、消滅した悪魔兵士たちも復活していった。

アズマ達はその光景に驚愕するも悪魔兵士達から離れていった。

「なに!?なんなの!?」

そして気づけば悪魔兵士たちは元の数まで復活していった。

「えっ…これは…」

「まさか…あの怪魔がかけた…」

悪魔兵士たちも困惑していると1つの岩山のてっぺんからしわがれた声が響いた。

「カッカカカカカカ!!コレゾ呪イパワー!!コレガ呪イノチカラダァ!!ケッケッケッ!サァキコウラァ!呪イヲアガメタテマツロウゾオ!!」

そこにいたのは

目が宝玉のようなものが4つあり、下向きのつのが生え、歯茎が丸みえの顔をした杖を持った呪術師のような怪魔

が叫んでいた。

「あれって…」

「怪魔だな。どう考えても」

「ソノトオォォォリダァ!ワシハ呪イヲ愛シ呪二愛サレタァ怪魔帝国デモイチノ呪イノエキスパアァトォ!リヴァードダァ!!」

その怪魔は狂ったように笑いながら叫んだ。

「トイウワケデソリヤァァ!!」

「うわっ」

そしてその怪魔はアズマたちに向かい突然手から禍々しい波動を繰り出した。

「キキキキキ…コレデオマエタチモスバラシイ呪イヲウケ…ウン?」

しかしアズマ達にはなんの影響も受けなかった。

「えへへっ僕がいるからには呪いなんて怖くないよ!」

「ハァッ!?」

アカルの特技、神聖なる加護により、もはや魔王クラスの呪いでない限り呪いを受けることはなく、また、周囲の人間も呪いから防ぐという特技で呪いを無効化していた。

「サンキューな。アカル。」

「おうよ!!」

(でもやばかった。思ってた以上に強力な呪いだったこれ。)

もっとも、リヴァードの扱う呪いはほとんど魔王クラスに届くか否かだったようだが。

「グウゥゥゥゥイマイマシイジャアクナシンセイメ!!呪イノテキメ!呪イノエキスパァト二カケテ!キサマラヲカナラズ呪ッタアトホロボシテヤルゥ!!」

そして怪魔は悪魔兵士たちにある呪文をかけた。

「リ・リザレクション!!」

「えっ!?それって…」

リ・リザレクションとは死んだ時に自動的に発動し蘇生する呪文である。もっとも、使えるのはプリーストの中でも最上位クラスのものしか使えず、その上1人にかけるだけでもかなりの魔力を消費してしまう術である。

そのような術であるために悪魔兵士たち全員にかけることができるのは信じられないことであった。

「おいおい…マジか。」

「でも多分あいつはこれで魔力はもうないはず…」

「サァテェ、 呪イノテキヲツブソウカァ…」

そう言って手に持った杖に魔力を込めて

「ギガ・ボムゥ!!」

そう唱えると突然アズマの地面が大爆発した。

「うわぁぁぁぁ!!」

「ぐぁぁっ!!」

そして間もなくアカルに向かって次の呪文を唱えた

「テラ・ダークボールゥ!!」

「ちょっ!?」

それは最初に出会った怪魔、ヴァベルムが放ったダークボールよりもさらに大きい闇の球だった。

「テラ・シールド!!」

そしてなんとかそれを防ぐものの大きく吹き飛ばされた。

「イマダァァァ!!呪イノテキヲツブセェェェ!!!」

そして悪魔兵士たちはアカルに向かって突撃していった。

「今がチャァァァンス!!」

「さぁさっきはよくもやって…」

するも突然巨大なビームが悪魔兵士たちに襲いかかった。

「アカルにぃ…近づくんじゃねぇよ!!」

そして悪魔兵士たちの中心に飛びかかり剣を地面に突き刺して巨大な爆発を起こした。

「「「ぐぇあぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」

そして悪魔兵士たちは全員倒された。

「アカル!しっかりしろ!オイ!!」

「ギ…ギガヒール…」

アカルは死にそうな声でなんとか上級回復呪文を唱えて一命を取り留めた。

死っ死(ひっひ)ぬかとおもった…」

「びっくりさせんなバカ!!」

アズマは泣きそうな声で叫んだ。

「イキテイタカァ、ダガァ、コチラモ呪イノチカラガアルカギリキコウラモフジミヨォォォ!!!」

そういうと死んでいった悪魔兵士たちは再び復活していた。

「キキキキキキ!呪イノオンケイ!リ・リザレクション!」

そしてまた自動蘇生呪文を悪魔兵士たちに唱えた。

「おっおう!!なにが呪いの恩恵かわからんがお前がいる限りなんも怖くねぇな!!」

「あんたがいる限りまさしく俺たちは不死身よぉ!」

悪魔兵士たちは怪魔リヴァードを称えていた。

「ワシハタタエンデヨイ!呪イヲタタエヨ!!呪イガアッテコソキコウラハフジミナノダ!!」

もっとも本人はあまり嬉しそうではないが。

「にしたってもなんなんだあいつ…」

「痛てて…滅茶苦茶強力な呪文連発するってなんなの?

もしかしてあれ魔王?それとも幹部クラスなの?」

「あれだけの悪魔兵士たちを引き連れてるからな…それでもおかしくは…?」

アズマはリヴァードの足元に魔法陣があることに気付いた

「あいつの足元の魔法陣がやつに無限の魔力を?」

「あっ本当だ。…でもあの魔法陣ものすごい呪いの力を感じるんだけど…」

実際、リヴァードの足元に仕掛けられてある魔法陣は本来入ったものに強力な呪いの力によって動けなくするトラップに使われるようなものだった。

「でもなんであんなに叫んだら動けるんだろう?」

「…まさか。」

そう呟いた矢先復活した悪魔兵士達が2人に向かって襲いかかってきた。

「俺たちゃ無敵の悪魔軍団だぁ!!」

「呪い万歳!呪い万歳!」

「ソウダァ!!!!呪イノチカラヲシンジヨオォォ!!!

サスレバキデンラエイエンニフジミヨォォォ!!」

デビルファイター達は若干怪魔に感化されてきたが。

「アカル!お前は剣に神聖の力を込めてあいつの足元に投げろ!」

「う、うん!分かった!…エンチャント・セイクリッド!」

アカルは自分の剣に聖なる力を込め始めた。だが、リヴァードはそれを見逃さなかった。

「アヤツラマサカ…キコウラアアァァァァ!!アノセイキシヲイマスグニコロセエエエエェェェェ!!!!!」

悪魔兵士達はアカルに向かって一斉に突撃していったがそれを許すアズマではなかった。

「轟雷光斬!!」

アズマは悪魔兵士達の群れの中心に飛び込み大きな雷を纏った斬撃を炸裂させた。

「グエェ!?」

「リ・リザレクション!!…アヤツハ!?アヤツハドコダ!?」

リヴァードはすぐに復活したデビルファイター達に蘇生呪文をかけたあと、アカルを探し始めた。

そして盾を構えながらこちらに走ってきた姿を見つけた、

「ソコカァ!!ギガ・ボム!!」

「スペル・ブレイク!!」

アカルは盾に呪文無効を込めて突撃し、そのまま高く飛び上がると

「おりゃあぁぁ!」

聖なる力を込めた剣をリヴァードの足元に向かって投げ、剣が刺さると足元の魔法陣が消滅した。

「ア…アァ!?…アァァァァァア!!??ワタシノ…ワタシノ、イトシキ、アイスベキ呪イノチカラガアァァァ!!!」

リヴァードは悲痛な叫びを上げ、血の涙を流しながら足元探り始めた。

「おっおい!?そこの怪魔!?早くっ早く支援魔法を!」

「ワッワシハ…呪イノチカラガナイト…」

デビルファイター達に囲まれていたアズマはその様子を見逃さず一斉に駆け寄ると一気に飛びかかり

「とどめだ!!」

リヴァードを一気に切り裂いた。

「ギアァァァァ!!!」


「おいぃぃ!?怪魔がやられたぞぉ!?」

「もう俺死んじまってもう魔法の効果がねぇだけど!?」

「駄目だぁ!!逃げろぉ!!」

「まだ待ってくれぇ!!」

リヴァードが倒されたのを見るや否や蜂の子を散らすように悪魔兵士達は逃げていった。

気力が限界だった2人はその様子を見送るとアカルは力が抜けたように座った。

「はあぁぁぁぁ…疲れた。」

「まさかとは思ったけど、本当にそうだったとはな。」

リヴァードは呪いが好きすぎて呪いをその身に受けるとそのまま呪いを自分の魔力へ変換するという体質を持っており、例の魔法陣から動かないでいることで無限の魔力を得ることが出来たのだった。そしてそれをアズマは何となく気づいたらしく、まずは魔法陣から壊すことを聖なる力を操ることができるアカルに頼んだのだった。

「にしても怪魔とかいう連中は本当に油断ならねぇな。」

「そうだねぇ…でもさ!」

地面に座っていたアカルは突如起き出しアズマに近づくと

「僕たちならなんとかなるでしょ!!」

「…そういう油断が命取りなんだがな。」

アズマは少し苦笑しながらもお互いにハイタッチした。


「「「「申し訳ありません魔王様!!」」」

そう言って無事に城へ戻ってきた悪魔兵士達は魔王に向けて一斉に頭を下げた。

「怪魔の力を借りたにも関わらず1人も仕留められないなど、とんだご失態を…」

「よい。頭を上げよ。むしろその数でいって1人も犠牲者が出なかった以上私からは何も言わぬ。」

「リヴァードはやられたんですけども…」

そしてそこに空気も読まず入ってくるコーン・ヤーントに睨み付けるものの、すぐにデビルファイターに顔を向けた。

「お前たちはゆっくり休むがよい。…さて。」 

デビルファイター達を下げるとコーン・ヤーントに振り向き、

「あそこに潜ませた怪魔は誰にも見つかっていないだろうな?」

「あーはい。もちろんだと思いますよ。なにせ次は影怪魔ですからねぇ」

そうして魔王はすぐに次の怪魔があの2人を倒すことに期待した。








次回、影怪魔

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ