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異世界転生者と怪魔たち  作者: 魔絵腹
14/20

ドラゴンショッキング

アズマとアカルの2人はサマルーの街で少し休んだ後、別大陸行きの祠へ行き、スルーノの街を目指していた。


「祠までってこんなに遠かったっけ?」

「あの時は異常気候で気にしなかったがこの前の分かれ道すら見えないな。」


アズマは片手で頭を抱えた。

「このままだと多分また怪魔の刺客が襲ってくるような…」

「ちょっ!アズマそれ禁句だって…」

その時、


「アイをくれえぇぇぇ!!!」


と急な謎の叫び声がした方向を振り向くとそこにはハートの瞳で目が充血し、肩から腕にハートの模様がついた二足歩行のドラゴン

がこちらに向かって突撃していった。


「敵か!!」

「テラ・シールド!!」


そのドラゴンの突撃をアカルの防御結界で防ぎ、そのままドラゴンは弾いたがすぐに立ち上がり凄まじい咆哮を挙げた。


「ヒイィ!耳がぁ!」

「早く耳塞げ!鼓膜が潰れるぞ!!」

「でっでもそしたら結界が…」

「こっちはいいから早く!…だけどあいつから目を離すなよ…」


しばらく咆哮が続いた後、力なくうなだれたのちに再びそのドラゴンはこちらに向き直した。


「…とうとうドラゴンが現れたか…」


ファンタジー系の異世界に転生したことでいつかは戦うことになるだろう竜がついに彼らの前に現れた。

実はアズマとアカルはこちらの世界に来始めた時は戦うことに期待していたが実際に現れたそれはその奇抜な姿に眉を潜めた


「う〜ん…でもかなり変わってない何か?」

「…まぁ多分アレだろうな…」

「ソノトオリ!!」


アイドラゴンに会話が聞こえていたのか急に会話に割り込んできた。


「オレの名前はアイドラゴン!!怪魔帝国から派遣された竜族だ!さぁさぁとっとと宝玉をよこせ!それかアイをくれ!」

「なんでそこで愛!?」

「決まってるだろ?オレはアイが大好物なのさぁ!だから…」


そしてアイドラゴンは転生者達に飛び上がって大きくて鋭い爪を振り下ろした。


「オメェらの心臓(アイ)(アイ)をくれぇぇ!!」


振り下ろされた爪はアズマの刀によって防いだがアイアイドラゴンは笑いながら猛烈な爪の練撃をアズマに向かって繰り出した。


「ひゃっはっはっはっはぁー!!!!」

「くそっなんだこのドラゴンは…」


自分の何倍もの背丈のある相手であってもアズマは難なく刀で受け流し続けるもののまるで狂気を思わせる言動や動きをきみ悪がっていた。

その時、アズマとアイドラゴンの後ろからアカルが現れ、盾を構えると

「シールダー・ブレイク!!」

アイドラゴンに向かって巨大な光線を放った。


そしてそれに気づいたそのドラゴンは振り向くと


「アァイ!!」


ウインクをしながらその巨大な指でハートを作りだし、そのハートからアイドラゴンを覆い隠すハート型の防御結界が現れ、光線を打ち消した。


「うわっ…」


アカルは攻撃を防がれたことに驚いたことよりもその防御結界の展開方法に少しひいていた。


「お前のアイでぇもいいゾォ!!!」


そしてアカルに向かって飛びかかり巨大な爪を振り下ろしたがアカルはそれをバッステップでかわした。

そしてそれをアズマはそれを見逃さず


「大地走斬!!」


刀を地面に深く刺してそのまま斬りあげると刀から出た衝撃波が地面を崩しながらアイドラゴンに向かっていた。

そしてその衝撃波はまともにアイドラゴンに当たり、土煙を上げた

そしてそれを見たアズマはすぐにアカルに近づいた。


「アカル!怪我は?」

「オッケー!オッケー!大丈夫!全然平気だけど…多分…」

「まぁ、これで終わるわけないな。」


2人が土煙の方向へ武器を構えながら振り向いた。

そして土煙が晴れるとそこには目のハートが大きくなり、よだれを垂らし、鼻息を荒くし、興奮した様子のアイドラゴンがいた。


「フヒヒッ、フヒヒヒヒヒヒッ!いいよいいよ気持ちいいヨォ!サイコおダァ!!オマエラ、アイが余程あったケェンダろうナァ!!メッチャ欲しいなァ!ブヘヘ、げへへへへへへ!!!!」


「……うわぁ」

「ねぇアズマ、ラノベ読んでてもし異世界行ったらドラゴンを倒してみたい!…とは思っていたけどさぁ………僕こんなドラゴン倒しても全然嬉しくない!!!」


アカルは変質者を見るような目でアイドラゴンに指差した。



「アイ…アイ…アイ!!」


アイドラゴンは口をモゴモゴさせたあと急に叫びだし、どぎついピンクの炎を吐いた。

アカルはすぐにアズマの前に出て防御結界を放った。


「テラ・シールド!!」


そしてその後ろでアズマは刀に魔力を貯めはじめるために刀をに力をこめることに集中しようとするもふと前を見るとアズマはアカルの体がフラフラと揺れていることに気付いた。


「ァィ…ァィ…ァィ…ァィ…」


そしてアズマはアカルがあのアイドラゴンの様にアイの文字を小さく呟き、防御結界が薄れることに気づくとアズマの腰に手をやりそのまま自信と共に横に倒れた。


「おいアカル!しっかりしろおい!」

「…ァィ……っあれ?僕は何を…うぅっ!?」


アズマはすぐに倒れたままのアカルの肩を強く揺さぶるとアカルはハッとしたものの、頭を抱えた。

そしてその様子を見たアズマはすぐにアカルに回復の石を持たせた。


「本当に大丈夫か!?とりあえずこれを!」

「あっごめん…あの炎を見てると変な感じがして…」


あのアイドラゴンの炎には奇妙な魅了の効果があり、ずっと見続けているとアイドラゴンと同じくアイを求めていつのまにか炎に包まれてしまう効果があった。

アカルの神聖なる加護は本来呪いだけでなく状態異常を防ぐ効果があるはずだったが、神様が途中で力が尽きてしまったことにより中途半端に呪いのみを弾くだけになっていた。


「ハァーッ!ハァーッ!ハァーッ!!!」


アイドラゴンはアズマ達に向かって走りだし近くまで来ると尻尾を振り、アズマ達をなぎ払おうとした。


「させるかぁ!!」


アズマはアカルを庇うように前に出て向かってくる尻尾を斬り落とそうとするもその尾は斬れずに受け止められた。そしてアズマの刀を持つ手が大きく痺れた


「くそっ…!おらぁ!!!」


痺れた手を押さえて尻尾を弾き飛ばすとそのままアイドラゴンを勢いよく叩き斬った。


アイドラゴンは叩き斬った直後は一瞬動かなくなったもののすぐに笑い出した。

アイドラゴンが笑い出した瞬間アズマはそのアイドラゴンを気持ち悪いものに驚いたかのように目を見開いて動けなくなった。


「ギェアッ!!…ギャッギャッギャッギェアァ!!!」


そして動けなくなったアズマに両手の爪を振り下ろした。


「あっ…」

「やめろおぉぉぉ!!!」


爪で引き裂かれようとした瞬間、

アズマの後ろからアカルが盾を構えながら光るオーラを纏いながら飛び、アイドラゴンの腹に突撃した。

そしてそのアイドラゴンは大きく吹き飛ばされた。


「グキャアァ!!!」


「………ハッ!アカル…」

「ごめんアズマ!大丈夫!?」

「…いや、悪いのは俺のほう…」

「アカル!!」

「!?」


「大丈夫さ。僕たちは今までもあんな変な魔物と戦って勝ってきたじゃないか、今までで一番危なくそうだけど落ち着いていけばうん!大丈夫」


「ギィエェェア…」


そしてアカルは自分よ両頬を手で叩いた。

「…あぁ!!いくぞアカル!」


アイドラゴンは腕を伸ばしながら体を回転させ始めると徐々に回転を速め、そしてピンクの竜巻を発生させた。

そのピンクの竜巻はアイドラゴンの身体より少し大きいくらいであったが威力は周囲の地面をえぐり出し、呑まれ粉々に砕け散っていったほどであった。


「うぅっ…」

「くそっ…あの竜巻を見ていると…頭が…」


さらにあの竜巻にはアイドラゴンが吐いた炎と同じく相手を魅了する効果があった。


「アカル…これを握っとけ…多少は楽にはなるから…」


アズマは持っていた回復の石を持っていた手を差し出すとアカルはその手を握り返した


「……とりあえずあそこの森にしばらく隠れよう…」


回転しながら動くことはできないらしく、竜巻はその場から動くことはなかった。そして2人は近くの森に身を潜めた。


「ヒィーッ!!ヒィーッ!!!ヒヒヒヒヒャッハッハッハー!!!」


そしてアイドラゴンはそんなことも気づかずに体を回転し続けた。


しばらく森で同じ木に背を預けながら休んだ2人は

なんとか精神的、肉体的にも回復し、話す余裕ができた

「はぁ〜っこれからどうしよう?放っておうわけにもいかないし…」

「…そういえばアカル?お前がさっきあのドラゴンを吹き飛ばしたあの技はなんだ?」

「あれ?えっと…うん。強力な魔力を盾に込めて防御結界を放つテラ・シールドがあるよね?あの力を少し身体に溜め込んでみたら…うん。なんかできた。」

「ということは新技か?…あの勢いならあの竜巻を突破できて、ドラゴンごと…」


その時、2人の背後から先ほどの魅了の力をわずかに感じた。

それに気づき振り向くと、先程の竜巻が森を見上げれば視認できるほどとてつもなく大きくなっていた。


「うわぁっ!?ねぇアズマ!多分勢いが足りな苦なるよあの大きさは!?」

「…時間をかけすぎたか!!」

「うぅっ…このままじゃあいつを倒すどころじゃ…」


ふとアズマはアカルの持っている盾と見ると自分の刀を見て、アカルにいった。


「アカル。これは多分賭けになると思うんだが…」



アイドラゴンが起こしていた竜巻はどんどん大きくなっていって近くの森の木々までも巻き込もうとしていた。

「ヒィヤッハァーーーーー!!!!」

しかしアイドラゴンはそんなことも気にも止めず竜巻の力を徐々に強くしていった。

そしてその竜巻が森の木々を巻き込もうとしたところ、


「こっちだ!!変態ドラゴン!!!」


アイドラゴンは不意に聞こえたその声に反応して一気に竜巻を強くしていった。

そしてその竜巻は森の木々どころか森の一部を巻き込み、木々が砕け散っていた。

そんな中、竜巻をもろともせず、むしろ竜巻の流れに逆らって真ん中に真っ直ぐに向かっている何者かの存在に気づいたのは、


「とどめだ!」


あの2人がすぐに目の前に来た後だった。

アカルは先ほどの結界の力を纏った突撃を行ない、そして盾の先にアズマが背中から張り付いて刀を構えていた。

そして2人はアイアイドラゴンの腹をアズマの刀とアズマの突撃で突き抜け、アイドラゴンは倒れ込み消滅した。


アイアイドラゴンが消滅した後、彼らの身体はアイアイドラゴンの血で所々汚れていた。

そしてアカルはアズマの身体を見てハンカチを取り出しアズマの体を吹いた。


「ふぅ〜、なんとかなってよかったよぉ…」

「自分の身体は自分で拭くからいいって。」

「まぁまぁ気にしないで、1人だけじゃ拭けないところもあるんだからさ。…そのかわり後で僕の身体も拭いてくれない?」

「……………まぁいいか。」


こうして彼らは怪魔帝国からの刺客を退け、互いに身体を拭きあった。


そうして祠へたどり着いた2人はすぐに防寒着に着替えて別大陸へと移動し、祠の外へ行くと、そこは雪国…というには雪が全く散り積もっていないが雪は降り、凍える風が吹いていた。


「ここは特になんも問題なさそうだな。」

「あれぇ?てっきりこう…あつ〜い魔物とかがいると思ったのに。」

「サマルーの街の時じゃないんだから…」


そして2人はスルーノの街の入り口が見えるところにまでたどり着くとそこには見たことのある人達がいた。


「「……あっ!」」

次回、魔獣と魔人が気になる2人

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