魔王、動く!
「ハアハア、魔王様ぁ…」
「愛してんぜ、愛してんぜ、勇者!」
勇者ラベルと魔王ジングは大人の勉強をしあっている。
そんな時に部屋のドアがガチャリと開き、一人の美女が入ってきた。
「二人だけずるい♪私も混ぜて♪」
美女、リヤンは艶めかしい声で着ているタオルをスルリと床に落とす。
実った倭とスレンダーなボディが晒される。
「良いぜ、来いよ♪」
「お言葉に甘えて♪」
「「「愛してんぜ!愛してんぜ!愛してんぜ!」」」
デュッコデュッコデュッコ♪
部屋中は汗と蜜の生温かい臭いに包まれた。
「行く行く!もう駄目ー!!」
行き過ぎた上失神してしまうラベル。
ラベルは全身汗と白弾と聖水で塗れ、ぐったりと仰向けに倒れてしまった。
「あちゃ、やり過ぎたか…」
「そうみたいね♪」
ジングとリヤンは微笑み合う。
あどけない寝顔でスースーと寝音を立てるラベル。
今の彼の表情は勇者でも魔王でもない、まだあどけない少年のようだ。
ラベルは失神して気を失っているので二人が何を言ってるのかわからない内に、ジングとリヤンは会話を交わした。
「ラベルの剣も魔法も立派に成長したな!」
ラベルの寝顔を見て僅かに微笑むジング。
「貴方は魔王らしい事一つも出来てないけどね♪」
そこでリヤンの毒舌が入る。
「うん、そこで考えたんだが…」
ジングは提案を持ち出した。
「リスター城の姫の誘拐!?」
「ああ、彼女は凄い美少女に成長していると聞く。
そしてリスター城は難攻不落の大国だ、その姫をさらってみようと考えているのだが…」
ジングは眉間にしわを寄せながら提案を出す。
「確かに魔王らしいっちゃ魔王らしいけど貴方にしては敷居が高すぎない?」
リヤンは大丈夫なのかよという目でジングを見る。
「うーん、それで君に頼みがあるんだが…」
ジングは手を合わせてリヤンに協力を頼んだ。
「しょうがないわね、貴方って私がいないと何も出来ないんだから、いいわよ、協力してあげる♪」
「ありがとう!」
「その前にこのお子様を起こして身体を洗ってあげなさい、このままじゃ臭くなっちゃって体にもあまりよくないわよ!」
「そうだな、ラベル、起きろ!」
そしてジング達の一日は経た。
ーーー
「ハァー!!!」
ラベルは街を襲っているというドラゴンを倒した。
街の人々が幸せそうにしていても以前のようにモヤモヤしたりしない。
何故なら恋人、或いは息子のように可愛がってくれる魔王といたずらはしてくるけどどこか憎めない所もあるリヤンさんもいるから。
でも魔王、ジングとリヤンはしばらく旅に出ると言って帰って来ない。
けどそれまで勇者、ラベルは勇者らしい気品と優しさを保ち、腕を磨き続けると誓った。
そうすれば魔王を倒す時も顔向けが出来ると思ったから。
「ありがとうございます勇者様!」
「可愛い顔して強いのね!」
「お兄さん、俺、男だけど結婚してください!」
ラベルは街、村の人々から感謝の声を聞くようになった。
その前は当たり前という顔をされて、声すらも聞けなかったのに。
それはラベルの顔に輝きが放ってきたからに他ならない。
それも魔王ジングのおかげだろう。
ーーー
その頃、魔王ジングは街を襲っていた。
「ふはは!燃えろ燃えろ!!」
街は炎に包まれ人々は逃げ惑う。
ジングの黒い甲冑は燃え盛る炎によって赤く照らされている。
魔剣クロスカリバーからは血が滴り落ちる。
魔王としての自覚が芽生えたのか、ジングは人々を次々と斬り裂いていき、街の兵士をも根絶やしにしてしまった。
それを見ていたリヤンはやっと本気を出したわねと言う目でジングを見る。
「あんたやるじゃない!見直したわ♪」
リヤンはジングを褒める。
「当然だ、勇者がいつ俺を倒しに来ても良いように俺は人々を滅ぼしてみせる!」
「その意気よ!頑張れ!」
「ああ!」
ジングは更にクロスカリバーから赤い閃光を放ち、街を根絶やしにしていった。
「待て!!」
そこでジング達を呼び止める声が。
「フッフッフ、よく来たな勇者よ!」
ーーーー
「ありがとうございます、配役が用事で休んだもので、代役が必要だったんです!」
ジングはご当地勇者の番組の代役を頼まれていたのだ。
「いえいえ、困った時はお互い様ですよ♪」
ジングは笑う。
隣にいるリヤンはやはり不機嫌顔だ。
「因みにこれ、少ないですが礼のバイト代です」
監督がジングに礼のバイト代を手渡す。
「いえいえ、こんなに受け取れ「受け取ります!!」
ジングは受け取れないと拒否するがリヤンが咄嗟に監督からバイト代を受け取った。
「因みに私もせーりで辛い中頑張ってたんでもうちょっと勉強してくれやすかねえ?」
鋭い剣幕でリヤンは監督を脅しにかかる。
「も、もういい、やめろって!」
更に無心しようとしたリヤンをジングは止める。
「どうしてあんたはこうお人好しなのよ!!」
魔王らしい事を何一つしようとしないジングをリヤンは責め続ける。
「良いだろこれだけ金貰ったんだから!」
ジングは苦し紛れに言い訳する。
「だが考えても見ろ、リスター城程の大国の姫を拐えばそれこそ世界は混乱する。そうすれば俺は魔王らしい事をした事になり、勇者もすぐ駆けつける、一石二鳥じゃないか!」
「確かにそうなんだけど…」
渋々納得するリヤン。
それなら街一個一個全滅させて王女も拐えばもっと良いのではともリヤンは思ったが、ジングに限ってそこまで残酷な事は出来る筈が無いとずっとジングを見てきたリヤンは理解していた。
その性格ゆえに独占したいと思うことが出来たし
仮に彼が残虐非道な性格ならそこまでの恋心は芽生えるものも芽生えなかったに違いない。
生真面目で優しい、それはジングの欠点でもあるが大きな長所にもなり得た。
(まあ、それがあんたの良いところなんだけどね♪)
悪態はつくものの心の中ではジングをしっかりと認めているリヤンがいた。
旅を続ける事三週間後ついに二人はリスター国にやってきた。
「わあー、大きい♪」
「魔法の写真で見たのより迫力あるなぁ…」
二人はリスター城の大きさに圧巻されていた。
沢山の人が橋を行き来しており、他の国の人も貿易にやってきていてその国の影響の大きさがうかがい知れる。
「あんた一人じゃどうにもならなかったでしょうね」
リヤンは皮肉を言う。
「そう言う事さ、リヤン、頼んだ!」
「任せなさい!チャーミング!」
リヤンは自身のフェロモンを分泌させる魔法を唱えた。
すると人々の表情は惚けて歩くスピードも遅くなる。
城の兵士もビシッとしてたのがダランとして威厳が無くなる。
「よし、行くか!」
今のジング達には効果は無いらしい。
人々が惚けて行く内に城に乗り込んだ。
「あへあへ、王女様、王女様~♪」
ジング達は本来通ってはならない所を守っている兵士の横を通り過ぎるが兵士はフェロモンの効果で仕事を忘れて王女の事を思い耽っていた。
「キャッ!どちら様ですの!??」
ジング達は王女の元に忍び込み、目と目が合う。
王女には魔法が効いていなかったようだ。
大声を叫ばれるとまずいから強制的に連行しようとしたがジング達は王女を見誤っていた。
魔法が効いていない!?実力行使だ!!
ジングは拉致と言う形で王女を捕らえようとしたがそこで王女の蹴りが入る。
蹴られている間、何が起こっているのか理解出来なかったジング。
ジングは向かい側の壁に衝突してしまう。
「私を捕らえようとしたってそうはいかないわ!」
リスター城は高いレベルのモンスターがウヨウヨいる箇所なのでその国の人々もレベルが高かった。
王女も例外では無い。
「こなくそ!フレアー!!」
「破ー!!」
リヤンも火の玉をぶつけるが王女は蹴りで弾いてしまった。
「どうしよう!?早く捕らえなければ魔法が切れてしまう!」
ジング達危機一髪!




