ダンジョニアの街
セカンドベルの塔での奮闘もあり。
俺は無事にクソゲー(リ・アース)の世界から、脱出もといクーリングオフできた。
前回、この防音室を購入した。
電話に電凸したが、電話がつながる事はなかった。
これで、俺はこのゲームとの接点をなくしてしまうことができる。
と、自己完結しようと思っていた。
あの世界へ飛ばされ、あの世界で二日ほど過ごした。
あんな世界は、なんかの間違いだったと思うことにしよう。
魔法が使える件は、人にバレなければ問題ないだろう。
よし、普通の生活に戻ろう。
いつも通り、学校に行ってゲームして、体には悪いだろうが安定のコンビニ飯で一人ご飯。
風呂入って、ゆっくりといつもの日常を過ごした。
これが、普通だよな……。
明日も学校だし、今日はもう寝てしまおう。
今日は夜更かしすることもなく、あっさりと眠りについてしまった。
…。
……。
昨日があまりに普通に寝てしまったため、二度寝することもなく普通に、目が覚めてしまった。
学校は午後からの授業だから、まだ時間があるぞ。
それじゃ、いつも通りの行動をしてみるか。
とりあえずPCの電源だけ押しておいて、顔を洗いに行く、あと歯磨きもね。
そのままトイレも済ませて、戻ってくる頃にはPCが立ち上がってるってな。
ツイート確認するか。
クソゲーツイートへの反応は「0」、こんなツイート消してしまおう。
[クソゲーチャレンジのツイートを削除した]
ん? この二日間でメールがきている。
あ、サスケからメールが来てた、そのままメールを確認した。
[クソゲーの件について]
面白そうなネタなんで、私も一枚噛んでみるね。
と、メールに書かれていた。
俺が、強制転送された翌日のメールだった。
やってしまった。
リアルでの付き合いこそはないが、友人を巻き込んでしまった。
どうしよう……。
サスケを巻き込んでしまった。
俺が巻き込んだから、俺の責任だ。
そもそも、俺が行っても意味があるのか?
俺の能力、酷かっただろ。
あの世界に、いっても死ぬだけだよな……。
それでも、究極の器用さ(器用貧乏)で、なんとか生き残れる算段はついた。
それに、サスケにあの世界で連絡つくのか? 合流できるのかと疑問を持った。
ふと、自分の視界に例のアレが目に入った。
俺の目の前に、現実の世界で読むことを放棄した説明書が、ページを開いたままだった。
[コール][プレイヤー名]で、指定の人間と会話することが可能です。
コレだ!!
サスケは、きっとプレイヤー名を変えてないはず!!
今まで、だってそうだ。俺もそうだった……。
まだ、サスケがチュートリアルをクリアしてなければ、あいつだけでも救えるかもしれない。
最悪サスケと協力して、あの神とか言ってたやつをぶん殴れば戻れるかもしれない。
一人より二人の方が安全だよな。
俺の貴重な友人を、こんなクソゲーに巻き込んで死なせたくない。
クソゲー、クソゲーと連呼してきたが、一度は脱出できたんだ。
脱出出来ないわけではない。
あの神とやらを、ぶん殴ってでも二度目の脱出してやるさ。
俺は、再び防音室に入る。
そして、[ドラゴン&ファンタジー」のゲームを立ち上げた。
意識が飛ぶ。
また、視界が暗転した。
何処だ、ここ?
辺りが薄暗い……。
洞窟みたいだが、すごく短い。
ここからでも外が見える。
俺の後ろには、セカンドベルの塔で見た、光の柱が眩しく輝いていた。
外へ出よう。
何故、俺はここにいる?
巻き込んでしまった友人を助けるためだ。
[コール][サスケ]
「サスケ聞こえるか!!」
「あぁ、聞こえるよ」
あれっ、女性の声?
「ファウスト、お前何処行ってたんだよ、コールしても繋がらないし」
質問に、
「チュートリアルをクリアして、現実に戻れた。
そこでサスケのメールを見てお前を、このゲームに巻き込んだと思い再びこの世界にきた」と、答えた。
「あっ、そう」と、サスケは照れくさそうに答えてきた。
「サスケは、今何処まで進んでるんだ? チュートリアルは終わったか?」
「あぁ、それね。そこはすでにクリア済みよ。
今は、ダンジョニアの街で新ダンジョンの攻略準備をしてるところ。
ファウスト、今あなた何処よ? 一度、合流しましょ」
「うーん洞窟?
ものすごく短い洞窟で、最奥から外が見える位に短くて、最奥には塔でみた、光の柱みたいなのが輝いてる」と、答えた。
「あぁ、そこはシックスズベルの塔からのワープ地点よ。
そこの洞窟からまっすぐ行けば、ダンジョニアの街につくわよ。
私は、そこの街の入り口近くにある、宿屋併設の酒場にいるわ」と、情報をもらった。
「あぁ、今からそっちに向かう」
会話を切ろうと思うと勝手に[コール]の機能が切れる。
ゲームとしては、親切なつくりなのかもしれないな。
仲のいい友人とあえるということもあり、巻き込んで申し訳ないところであるが、多少嬉しくもあった。
ダンジョニアの街へ行く道中で、モンスターに遭遇した。
RPGお約束のモンスターの、ゴブリンである。
スライムと同様に、最弱モンスターの呼び声が高いゴブリンである。
ゴブリンは武器に小さめのナイフを持っているので、スライムよりは攻撃力があるだろうと想像ができる。
遠距離攻撃のお約束、[ファイアボルト]の魔法を打ち込んで一方的に戦闘を終わらせる。
ゴブリンを倒した。
15の経験値と10ゴールドを手に入れた。
うむ、複数のゴブリンから襲われない限りは、苦戦することはないだろう。
それから街へ向かう道中、3度ほどゴブリンと戦闘したがすべて[ファイアボルト]で仕留めた。
何度か戦闘はあったがなんの苦労もなく、ダンジョニアの街に到着した。
ダンジョニアの街の入り口には、門兵が立って城門を防衛している。
そして、入り口の関所に人が並んでいた。
あぁ、あそこで金払ってるのかな?
海外旅行みたいに、sightseeing(観光です)って、いっとけば大丈夫か?
まぁ、考えても仕方ない並ぼう、自分の順番が来るまで待つ。
10分程まった……。
「次の方……どうぞ」
自分の番だ。
受付のおっさんが、「何の用で、この街に来た?」と、質問してきた。
「sightseeing」と、答えたら。
「はっ?」と、受付のオッサンが凄く不機嫌になった。
「あっ、いえ観光です。友人が来てると聞いたので遊びに来ました」
じっと、こちらの顔を見られた。
何かを伺ってるのだろうか?
「プレイヤー名と、レベル、職業の表示を行ってください。
あと冒険者ギルドの証もあるなら、それも提示してください」
ああ、そういうことね。
ステータスの表示関連を表示にした。
そして、ギルド証を提示した。
オッサンがステータス関連を確認して、
「ファウスト:レベル14、職業:赤魔導士(三次職)」と、俺のステータス関連を読み上げた。
続けて、「街に入るには、30ゴールドが必要だ。
お支払いお願いします」
俺は、受付に30ゴールドを支払った。
「この街は、ダンジョニアの街だ。
遊びに来たって言ってたが、あんたら冒険者にはダンジョンがあるから最高の街だろうよ。
ようこそ、ダンジョニアへ」と、歓迎を受けた。
俺は受付を終え、ダンジョニアの街へ入った。