蘇る世界~リ・アース~
ゲームクリアした後、パーティハウスに帰った。
俺達パーティは、あのまま帰還していたら拙い事になっていたと気づく。
リアルに帰還しても、スキルや魔法が使えるままなのである。
翌日、皆で転送屋を使用し99階へ再び移動した。
99階には、誰もいなかった……。
そのまま、奥のシステムルームへ移動して、システムを動かす。
色々と探していたら、スキルの項目があった。
現実でも使用可能になっていたスキル設定を、現実では使用不可に設定した。
この設定は、各個人に対しての設定が可能だった。
ステータスも、現状のまま現実戻ると拙いことになるので、現実に戻った際は調整されるよう設定した。
ステータスとスキルの設定が終了した。
「これで本当に終わったな」
「そうね」
「そうだな……」と、各々が言っている。
「現実の世界で、この世界をを作るって言ってもどうやって作ろうか。
正直、このシステムをもっと理解しないと作りようがないよな。
それと、このシステムのコピーを置くとしても、現実のどこに置こうか」
「アンタ、なんか勘違いしてない?
この世界に戻って来れないわけじゃないんだから、日程さえ合わせれば、リ・アースでみんなと会えるでしょ。
各自でシステムの解析していって、まとめていきましょう」と、ユキが言った。
リー君が、「休みの日は、新しくダンジョン作って出かけてもいいですし」と、言った。
リー君は、新しいダンジョン作りたかったのか。
「オウ、システムの件ですけど。
私にいい考えがありますネー。
私が日本に持っている土地を、皆さんに提供しますネー。
ちょくちょく、家に帰って行ったら。
ゲームばかりの穀潰しのジョンが居なくなったと思ったら、大金稼いできたと家族に驚かれたヨ」
ジョンの家は金持ちで、稼ぐ必要もないから穀潰ししてたと……。
そんなこともあって、ジョンが投資の為にで日本の土地を元々から購入してたらしい。
金がないと正義の味方もやれないからなぁと、内心考えていた。
その譲ってくれる土地の住所を、ジョンから聞いた結果。
超一等地だったことに、一同困惑した。
「場所はとりあえず大丈夫と、そもそも言語の壁があるから無事に話できるのかな?」
「あぁ、僕日本語できますよ……」と、リー君が答えた。
「ワタシも、きっとバッチリよ!! 日本のアニメ見てます!!」
ジョンはなんか怪しいがこちらも、英語ならなんとかなるだろうから言語の壁も超えれそうだ。
それに、ジョンの場合はジェスチャーで強引にわかりそうな気がする。
俺は、5年間(一年留年確定)の大学生活をを終え皆で、そこからゲーム開発やろうと宣言した。
それから平日は現実に、休日はリ・アースの世界への往復が続く4年間となった。
ジョンはリ・アースに入り浸っており現実では、トレジャーハンターって形で収入を得てる事にしたらしい。
まぁ、ゴールドをジョンに渡せば、口座に金額振り込んでくれるのでもちかえりの箱を使わなくても、資金稼ぎができるのは楽になった。
なんか、ジョンの一族が貴金属系の企業を持ってるらしい、渡りに船ってやつだなと思い利用させてもらっている。
ちなみ他のみんなは、学生でリー君は留学生らしい。
ユウヤのみ高校生だと他は大学生と、軽くリアルばれもしている。
このゲームって筐体どうなってるんだと、現実に帰った時にふと思った。
ディスプレイには配線繋がってるが、電源がない。
どういう事だ!! これは機械じゃないのか?
ネジ穴があったので中を開けてみると空っぽだった。
いや、正確に言うと空っぽではない。
一枚の魔法陣が、描かれている紙だけが入っていた。
このゲーム機は、もしかしすると召喚装置?
再びゲーム機閉じて、電源ボタンを押すとリ・アースに転送された。
電源ボタンじゃない、これ召喚装置を動かすスイッチだと、気づいた所から一気にゲーム開発が進んでいった。
パーティのみんなも協力してくれて、大学を卒業する頃にはゲーム開発、システム経由で小型の召喚装置が完成した。
主な、仕様は……。
1.デスゲームと勘違いをしないようにする。
チュートリアルの導入と説明書システムの変更
ゲーム終了コマンドの追加
2.実際に、プレイヤーが召喚された場合は、その人間のダミーが配置される。
ダミーには感知機能を持たせて、何か異常が起きた際は強制でゲームが終了するように設定した。
後、プレイヤーの好みで、終了条件を選べるようにした。
それこそ、電話の通知があれば終了。
部屋に誰か入ってきたら終了等の細かい設定をつくれるようにした。
3.電源がいらないとわかったので、電源ボタンではなく。
プレイヤーが装着して[ゲームスタート]のワードを、発言すると召喚される仕組みに変更した。
ただし電源がないと確実あやしまれるので、一応形だけ電源供給しているという形で、ごまかしている。
4.ゲーム機本体は、ヘッドギアタイプでインターネット回線を通じてプレイができている形を取っているだけである。
なので、ハッキングされようがシステムは存在しないので、ハッキングのされようがない。
ネットは繋がってはいるが、主にプレイ課金用の月額の支払い画面用だ。
本体+ゲームを3000円で販売。
初月無料、次月から月額料金1000円とリーズナブルな価格で提供する。
この辺りのシステムは、リー君とユキが作ってくれた。
5.このゲーム機が召喚装置だとバレないようネジ穴をなくし。
ゲーム内に存在する最高硬さを誇る金属で、ゲーム機の本体を作ることした。
もし本体が破壊された場合は、召喚の魔法陣が壊れるように設定している。
ヘッドギアタイプのゲーム機は、ある種のガワである。
6.当然、リアルに影響与える持ち帰りの箱はドロップ不可にした。
ゲーム内で上がったステータスやスキル等は現実で影響しないように設定した。
7.ゲームでのリアルマネートレードが発生した際、この件は俺らは黙認することにしている。
なぜなら、俺らはもっと酷いことしているから文句言える立場ではない。
8.古竜を本来の99階へ配置
99階層にあったシステムは、ダンジョニアの転送屋の俺達専用(GMハウス)の建物の地下にダンジョン(GM用)を作り。
システムのある場所を場所を通常ダンジョンからGM専用ダンジョンの99階へと移動した。
9.本来ある二次職の復活、称号システムの廃止、魔石のドロップ率LUKによる影響なし。
プレイヤーが増えることで、魔石の流通も増える為、三次職ではなく二次職になれるように修正した。
バランスを壊した、後ろの二点は修正した。
10.本体をゲーム(GMハウス)の中で作り、完成した本体を持ち帰りの箱で持ち帰る。
これを繰り返し。在庫を確保していった。
元手が0なので、本体が安くても別に構わないのである。
GMは、持ち帰りの箱を手に入れる為に、ダンジョン(GM用)、31階討伐を繰り返すことになる。
とまあ、これが、俺たちの世界のリ・アースと他のプレイヤーの世界リ・アースの違いだ。
◇◆◇◆
ここは、とあるゲームの発表会場だ。
俺たちのゲームが発表される……。
リ・アースの世界のPVが流れている。
PVなどは半ば裏技に近い、[持ち帰りの箱]に[持ち帰りの箱]を入れて、ファンタジー世界にビデオカメラを持ち込み撮影した。
箱は、一人、一個手に入れれる。
なら他の人の持ってる、持ち帰りの箱を譲った形にすればと試したらうまくいった。
PVが流れ始めた先に人が集まってきている。
ゲームの発表がはじまる!!
ファウストのステータスとスキルは、リアルでも使用可能に設定されていた。
ユキが隣でスーツを着ているが、何故か、俺はTHE赤魔道士って感じのコスプレ。
俺達のゲームの発表の番だ。
PVが大画面で流れる。(タクトと、ユウヤ会心の作品だ)
会場が、盛り上がっている……。
ここに俺が、この格好で行くの?
司会のお姉さんが、「今回、発売される、[リ・アース]の担当の田中さん説明お願いします」
と、呼ばれ壇上に上がろうとしたが。
「あ、あ……」と、緊張してしまった。
ユキが、「いつも通りに、やんなさい」と、声かけてくれた。
その一言で、気持ちを落ち着かせて壇上に上がる事ができた。
「わははは、皆さん。今回は[リ・アース]の発表を見に来てくれて、本当にありがとう!!
私は、ここにいる皆さんに、 [リアル]なRPGを提供してみせよう」
えっと、ここで指定された三箇所に魔法を打つ最後は範囲魔法でと……。
(演出ですと、すでに許可をもらってるみたいなんでやるしかない)
一箇所目にサンダーボルト、二箇所目にアイスボルト、三箇所目にファイアストームだ。
全ての魔法を発動が終了し、周りは騒然としていた。
「演出だよな」「炎出た時、熱風来てたぞ」とか等等。
周りが、ざわついていたので、
「私達が5年かけて、作った、ゲームの集大成です。皆様よろしくお願いします」と、言ったら。
司会のお姉さんが、
「来月発売の、[リ・アース]の発表でした。
ゲーム機本体とソフトがついて3000円で初月無料、次月から1000円ということですが。
この低価格化には理由でもあるんですか?」
「もともと、コンシューマのゲームが好きなんですけど、最近はソーシャルゲームにやられっぱなしでしょ。
流行らせるなら、これくらいやりやすくしないと無理かなと思いまして」
「なるほどー。新作ソフト[リ・アース]の発表でした」と、発表が終了した。
結果、先行販売用に準備していた在庫1000個をは、全て売り切れてしまった。
量産体制ができない為、PT6人で31階ボスを倒して1日6個生産が限度だった為、システムを変更してGM用ダンジョンの31階以降のボスにも持ち帰りの箱を持たせることにした。
一ヶ月で1000個ずつ、生産し販売し地道にユーザーを増やしていった。
(それでも、生産が遅いとクレームがあったが、知るかとスルーした)
ここは、リ・アース製作の会社の事務所。
「田中さんがこの会社の社長なんですよね。
なんで社長の席っぽいあの席、空席にしてんすか」と、リー君が聞いてきた。
「あー、それね。社長はあの人なんじゃないのかな?
ラスボスしたいってだけでこのゲームを作って、ある意味、資金提供してくれたね。
俺らは、それを売りに出しただけだよ」と言ったら、納得してくれた。
「そうよ、コイツは。社長というより広報だから」とユキに引っ張られて、次の広報に行くのであった。
「田中さん時間にルーズだからなぁ、ユキさんって広報秘書……?」
「わははは……。そんな職業ねーよ? あるの?」と、笑いが起きた。
「ほんと、あの人たちくっつかねーよな」と、タクトが言った。
「持ち帰って来てる指輪のことを、田中さんに教えてやったら……。
絶対にユキさんに睨まれるなよしとこう」と、ユウヤが言った。
知り合いしか入ってこない、この事務所に黒いスーツの太った男がやってきた。
「あっ、あなたは……」
「久しぶりだねえ。私のために、君達 [リ・アース]を広めてくれてるんだって」
「ああ、それ田中さんっすよ。俺らあの人に引っ張られてこの状況です」と、タクトが言った。
黒いスーツの男は、社長席に座って頷いていた。
「あの男、考えてないようで色々考えてるんだな。
あいつらが結婚した時は、祝福してやるか……」と、神直々に祝福してくれるという。
「いや、あの人鈍感が服着て歩いてるようなもんですから、ユキさんからなんかしないと進展ないっす」と、リー君が言った。
「あはは、たしかにそうだ……」と言って神様(黒服の男)はいつの間にかいなくなっていた。
俺は、くしゃみをした。
あれっ、風邪引いてないんだけどな。
「アンタ風邪でも引いた?」
「いんや、誰か噂でもしてんだろ……」と、俺はユキに言葉を返す。
「いつかさ、俺達でも、リ・アースみたいなゲーム作りたいよな。
神様の借り物じゃなく……」
「そうねー、ものすごく難しいね。
今のリ・アースは、拡張性凄く高いんだから」
「うん。だからこそ、それを超えたいなって。
だからさ、これからも俺を支えてくれないか? ユキ」と言って、ユキに指輪を渡した。
「え、これってそういうこと?」
「うん、そういうこと」
これから、リ・アースの利益が大半注ぎ込まれ、ゲーム機開発が行われていく。
それから、新しいゲーム機が完成するという話は、また…………別の話。