誕生日プレゼント
転送屋のエミリーが引越しをしてきた。
転送屋の営業準備をするために、1週間程かかるらしい。
エミリーに、生活費を先に渡しておいた。
「二日間ダンジョンに出てくるから、留守を頼んだよ」と、エミリーに伝え。
俺達パーティは、51階のボス討伐を目指す事にした。
一ヶ月間、溜め込んだ資金を使い、パーティ各自で装備を整えなおし。
パーティメンバーに、自分が集めた魔石を渡す事にした。
◆◇◆◇
−現在持っている魔石−
スライムの魔石×2:武器
(地属性の魔法強化+5%)
ブルースライムの魔石×2:武器
(水属性の魔法強化+5%)
レッドスライムの魔石×2:武器
(炎属性の魔法強化+5%)
ハニービーの魔石:アクセ
(HP回復強化)
ウォーキングアーマーの魔石:鎧
(防御力強化と状態異常耐性+30%)
大王イカの魔石:武器
(二回攻撃)
ミノタウロスの魔石:武器
(STR強化+10%)
ケンタウロスの魔石:鎧
(AGI上昇+10%)
◆◇◆◇
ウォーキングアーマーの魔石をジョンに渡した。
大王イカの魔石をリーに渡した。
ケンタウロスの魔石をユキに渡した。
パーティメンバー3名の特色に合わせた魔石を渡した……。
リーは、考える間も無く青龍偃月刀に魔石を使用していた。
ジョンは、魔石の使用は様子を見るみたいだ。
ユキは、今回購入した防具に使うみたいだ。
魔石を皆に配って、各自買い物に回った。
今回、俺が購入する装備の候補はいくつかある。
大きめのミスリル(魔法銀)の盾と、2本目のマジックロッド(火属性用として購入)だ。
それと、魔法のツルギである。
(杖に持ち替えなしで魔法が使える剣。ミスリル製の為、鋼鉄の剣より攻撃力が高い)
あと、守りの指輪を購入した。
購入した、守りの指輪にハニービーの魔石を使った。
装備は、
魔法のツルギ
(ミノタウロスの魔石)
鎖かたびら(インナーとして使用)
ライトプレート(鋼鉄製の胸当て)
(フロッグマンの魔石)
大きめのミスリルの盾
鋼鉄の兜
第2武器
マジックロッド(ブルースライムの魔石×3)
マジックロッド(レッドスライムの魔石×2)
今回、購入した装備を装備しなおした。
各自、買い物が終わりダンジョン前に集合した。
「みんな、集まったな……」
探索に行く作戦会議の前に、守りの指輪(ハニービーの魔石付き)を「ユキに、死なれたくないからな」と言って、ユキに手渡した。
リー、ジョンがギョッとした感じで。
あー、やっぱりあの二人……みたいな感じに言ってる。
なんのことだ……?
「コレって、プレゼント?」と、ユキに聞かれた。
「あとユキ、今日誕生日だろ。
前のゲームで、誕生日に装備をせがまれたからなぁ覚えてるさ」
「女性へのプレゼントってよくわからなかったから、店員に聞いたらそれ勧められた。」
「ありがと!」と言って、その場で左手に指輪をつけた。
指輪つける場所で色々、あったような……。
んー、わからん。気にしない事にした。
各自の装備の強化が終わり、ダンジョンの探索が始まった。
何故か、ユキのテンションが高かったのと、リー君が偃月刀で敵をなぎ倒しまくって悦に入ってた。
あきらかなチート武器が二回攻撃になったら、ぶっ壊れ性能だろうよ。
ジョンと、俺は通常運転だった。
31階のキャンプでは上機嫌だった、ユキが料理を作ってくれた。
そんなこんなで、51階へ進む階段前まで到着した。
「ここからが本番だな、どんなボスが現れるのか。
虫型で、でかいモンスターってなんかいたっけ?」と、俺が言うと。
「今までのパターンだと色が変わる、サイズが大きくなる、全く関係ないのが出る」と、ユキが答えた。
まぁ、行かないとわからないよな。
階段を進んで行くと、何か物音がカサカサと聞こえてくる。
「何か、いる気配がするね」と、ユキが言ってきた。
カサカサという音にジョンが反応した。
「ゴキブリいやデース!!」
「みんな、要警戒!!
出口と同時に戦闘態勢を取って」
51階に、ついた。
結論から言おう、デカい蜘蛛のモンスターだ。
女性型の蜘蛛のモンスター、アラクネである。
モンスターといえど上半身が女性の姿なんで正直、目のやり場に困る。
デカいしデカイだから揺れる……。
いや、そんなこと考えてたら戦闘が開始された。
ユキは、そんな俺を見て呆れながら戦闘に戻った。
「やっぱり、大きい方がいいのかしら……。
エミリーも、そういえば大きかったわね」と、小さく呟いてた……。
「揺れてるよー。ほよんほよん。」
「HAHAHA」と、約2名ジョンとファウスト、巨乳の誘惑に惑わされている最中。
ユキとリー君が奮闘していた。
「ちょっと、ジョン、ファウストしっかりなさい!!」と、ユキに言われ。
その状況を見て、ハッとなり我を取り戻した。
まだジョン、は絶賛混乱中。
アラクネが、スパイダーを召喚したところを、[ファイアウォール]で壁を作り侵入を塞ぐ。
「下がれ二人とも!!
すまん、二人とも、俺、変な状態異常食らってた」
「モンスターの巨乳にデレデレと」
「返す言葉もありません……。
なんでリー君無事なの、ジョンとか未だにアレだぞ」
「大きいのは、あまり好きじゃないです」と、リー君が発言した。
リー君の発言で、なぜか俺がユキにジト目をされた。
[ファイアウォール]が切れそうなので、もう一度魔法をかけて仕切りなおす。
「スピードアップ、祝福、ファイアウォール、からーのー」
[ファイアストーム]の詠唱を始めた。
「蜘蛛の巣ごと燃やしてやる!! 」
……!!
…………!!
「ファイアストーム!!」
このボス、異常に炎系の相性いいぞ……。
敵を、一切近づけずに戦えている。
ファイアストームに合わせて、リーが攻撃を加える。
このループを繰り返していたら、アクラネをあっけなく倒せた。
ボスモンスターを討伐、アラクネを討伐した。
ファウストはレベル39になった。
ユキはレベル38になった。
ジョンはレベル37になった。
リーはレベル37になった。
ちなみに、このモンスターはユキの意向により、今後あと一回しか討伐されることはない……。
大混乱、起こしてるアホ(ジョン)を放置したまま、戦闘に勝利してしまった。
英雄、色を好むってな。
好みすぎだろ……、戦闘終わったから戻ってこーい。
仕方ないから、[ヒーリング]でジョンの状態異常を解いた。
「ハッ、ワタシはナニをしてたデスカー」と、今回の大戦犯が正気を取り戻した。
「二人とも正座!!」
「「ヒィッ!!」」
巨乳に惑わされた、2名の戦犯と大戦犯は正座させられた。
5分ほど正座をさせられそれが終了した。
「目標のボス倒したからそのまま帰ろう」と、俺が提案したが。
「52階行ってから、帰る」と、ユキに即答された。
51階の階段から52階へ進み、そのまま[脱出の書]で帰還した。
魔石の効果も、あって偃月刀を持った、リー君が別人のように活躍していた。
アラクネの効果もあって、探索開始時とはユキが別人のように不機嫌だった。
「よし、解散」
各自、パーティハウスへ帰る事になった。