ドラゴンライダー
昨日、探索の終わりに、パーティ全員を自由行動にした理由はただ一つ。
レベル30になった際に騎乗スキルを覚えたので、セカンドベルの街で地龍を用意してもらうためだ。
ついでに、転送屋による予定だ。
その日は、自由行動にしていたので昼から活動を開始した。
決して、二度寝をしたからではない……。
すいません……二度寝しました。
前回、同様スピードアップを切らさずにかけて、全力で、セカンドベルまで移動する。
トレイン? 途中で引き離してしまえば、トレインとは言わんないのだ。
セカンドベルで近辺は、スライム系しか出現せず足が遅いので、スピードアップさえしておけば戦闘する必要はない。
結果、過去最速タイムでのセカンドベルへの移動を達成できた。
「やけに急いでこっちに向かってくる奴がいると思ったら、にーちゃんだったか」
「ダンジョニアから、全力でこっちに来たよ」
ハァハァと息を切らしながら話す……。
「そんな急ぎの用でもあったのか?」
「いや寝坊した、ギルドの営業時間に間に合わなくなる」
「そんな理由で隣町から全力疾走か、にーちゃんらしいな入りな」
「提示とかは?」
「この前会ったばかりだろうが、なんか変わってるわけないだろ」
お言葉に甘えて、街へ入ることにした。
「じゃ、おっちゃん!!またなー」と、門兵のおっちゃんと別れてから。
ギルドへ向かうことにした。
とりあえず、流石に、女性に合うわけだし。
身だしなみは整えて、「クリア」のスキルを使用して身綺麗にしておいた。
よし、ギルドへ行こう。
ギルドに入ると案内のお姉さんがいた。
「あ、あなたは」
「レベル30なって、騎乗スキルとってきました!!」
「まだ数日しか経ってないじゃないですか!!冗談ですよね?」
「はい。確認してください」
レベルをお姉さんに提示した。
「レベル32って、あれから5つレベル上がってるじゃないの。
何やったらそんなに……」
ギルドのお姉さんに呆れられた。
「え?ダンジョンの1階から41階まで、一泊二日で攻略すれば可能ですよ」と、言ったら軽くドン引きされた。
「話を戻すわね、あなたは地龍を借りにきたのね……」
「はい。元気な奴を頼みます」
「そしたら、地龍の貸し出し料1000Gね、死なせてしまったり逃した場合は、10000Gの罰金になるから注意してね」
「餌は?」
「ほぼ雑食だから、なんでも食べるわよ。
だけど、人間を食べさせちゃダメよ。
人間の味を知った魔物は処分しなきゃいけない決まりがあるから」
注意されるってことは、やった奴がいるってことだろうな………。
「やりませんよ、流石に……」
それから、色々と地龍についてレクチャーを受けて地龍を借り受けた。
ついでに地龍の餌も売ってあったので、まとめて購入した。
「お前が、俺の相棒の地龍か」
地龍をじっと、みてみると名前の欄が空白になっていて名前が付けれそうだ。
「せっかくだから、名前をつけてやろう。
ドラゴンといえば、ドア◯だな」
お気に召さなかったのか、頭を噛んできた。
んー、いざつけるとなるとむずかしいぞ。
プック◯、ゲ◯ゲレ、ボロ◯ゴ。
当然、全て却下された。
ドラゴン 、だし、ドラゴにしよう。
「お前の名前は、ドラゴだ!! よろしくな」
ドラゴに騎乗するためのアイテム一式は、すでにつけてあるんで、そのままドラゴに騎乗した。
よし、このまま転送屋へレッツゴー!!
は、速い。
これで、スピードアップかけたら風になれるかも!!
「スピードアップ!!」
物凄いスピードになって、壁にぶつかりそうになった。
速すぎて、街中じゃ怖い……。
ドラゴに乗ってゆっくりと、転送屋へむかった。
転送屋の前に、ついたのでドラゴから降りてドラゴを引いてお店に入った。
ダンジョニアの、街への転送を頼む。
「500Gだよ」
500Gを、店主に渡す。
ダメ元で、聞いておきたいことがあったんだった。
「なぁ、店主ダンジョニアの街に、このお店出店しないか?
あると、俺たちの攻略が凄く捗るから、ぜひ来てもらいたいんだが」
「んー?まずダンジョニアの場所がわからない。
それと行った先に土地がなけりゃ、店の開きようがないよ」
「じゃあ、逆に店主ダンジョニアに、土地とダンジョニアまでの案内がいれば来てくれるのか?」
「そこまで用意してくれるのなら考えよう。
この店は、弟子に任せてもいいしな」
「わかった、契約成立だ。
近いうちに迎えにくる」
魔法の発動した、光の柱に入り、ダンジョニアの宿屋の前へ転送された。
さて、ダンジョニアの街で、空き物件は?
マップを開いて、物件をチェックしてみる。
一箇所だけ空き物件を見つけた。
その場所に行ってみる。
[SALE 空き物件 50000G]ご相談はギルドまで。
パーティメンバーを呼び出した。
そして開口一番、「ここの物件を買うために協力してくれ」
利点は、一人500Gさえ払えば途中の階から挑戦でき、攻略の効率が圧倒的に進むといった点を伝えた。
結果から言うと、皆、喜んでお金を出してくれた。
30階位ならまだ大丈夫だが、これが80階90階となると考えると非効率この上ないので、この施設は重要だと皆に理解してもらえた。
パーティから12500Gずつ貰って、皆でギルドへ向かった。
「ここのギルド、使うの2回目だな……」と、俺がいうと。
「あー、証拠隠滅の時ね」とユキ言われ、俺は聞かなかったことにした。
「…………」
ギルドの受付に並び、順番が来たので。
MAPを見せて、「ここの土地を買いに来た」契約や手続きが終わり。
あの空き家と土地が俺達のパーティの所有物となった。
後、思っていたより、土地が広く空き地の部分に転送屋を開く位のスペースがあった。
「ここの空いた、土地に転送屋開いてもらって、空き物件は皆が金出してくれたんだし、みんなで使うとするか」
「面白いわね」
「宿屋代がうきますね」
「秘密基地デスカー!!」
ユキ、リー君、ジョンの順に感想を言っていった。
「みんな、空き物件の購入に協力してくれてありがとう!!」
「いやいや。
それよりアンタ、そこのアンタに懐いてるドラゴンどうしたの?」
皆が一斉に、ドラゴの方を見る。
「ユキさん、よく言ってくれた。
僕も物凄く気になってました」
「えっ、こいつは地龍 のドラゴだよ。
騎乗スキル覚えたから、速攻で最初の街のギルドで借りて来た。
ドラゴ、パーティのみんなに挨拶」
ドラゴが、ギャワギャワ………と、言ってる。
きっと挨拶してるんだろう。
「アンタ、昼まで部屋で寝てたじゃない……いつ行ったのよ」
「ユキ、なんでそれ知ってるんだ」
「パーティ設定見れば、どこいるかわかるでしょうが。
休みまで起こすの悪いから、放置してたら昼間で寝てるし。
最初の街までって、そこそこ距離あるわよね」
「スピードアップ使って、全速力よー!!
最速でたよ4時間でついた、新記録更新だぜ!!」
「寝坊した埋め合わせを、全力出して誤魔化すの辞めなさいよ……」と、呆れられた。
「とりあえず、空き家の改装をどこかにお願いしましょ」と、ユキが提案。
「アンタは、あの二人もパーティに入れるつもりなのよね?」「当然!!」
「じゃあ、六部屋いるわね。
お風呂は男女で、2つに分けてもらうわよ……」
「まぁ、それは仕方ないか……」
即、折れる俺にリー君がツッコム。
「即、折れですか」
「俺が、ユキの提案折れるわけないだろ……」と、ドヤ顔で胸を張って言った。
「ドヤ顔でほこらないで下さい」と、リー君にツッコまれた。
「一階にドラゴの小屋作らないとな」
ギャワギャワとドラゴが騒いでる、嬉しいみたいだ。
一階の広間はとりあえず何作るか保留で、二階の居住スペースだけまず改装依頼出しましょう。
「何処に依頼出せばいいんだろ?」
困った時の説明書だ、不動産屋がある……。
この後、不動産屋経由で二階の居住スペースの改装を依頼した。
ついでに、空いた土地に、転送屋が開けるくらいの建物も作ってもらえるよう依頼した。
そこそこ経費がかかったので、明日は探索だと皆の意見が一致した。