ボスドロップ
翌日、リー君、ジョンの二人が戻ってきた。
パーティメンバーが揃ったため、ユキ主導で、酒場へ全員集合の号令がかかった。
そこで、ユキから命令を受けた。
「アンタら全員、このゲームの知識が足りなすぎ!!
探索に出る前に、一度お勉強ね」と、説明書を出してアピールする。
「仕方ないですよね……」と、リー君は現状を理解した上で納得したみたいだ。
空気を読まないジョンが、
「オウ、勉強イヤデース!!」 と、言うとユキに睨まれるジョン。
ユキの眼光に、ひるむジョン……。
「オウ!!」
「ジョン、諦めろユキがああなったら強制だ」と、俺はジョンをなだめた。
「探索の準備とかは、俺がしておくから安心して勉強に励んでくれ。
俺は、お前らがいない間に勉強させられた」と、言ったら即答でユキから拒否された。
「ハァ? アンタ何言ってんの?
勉強の成果もあって、有益な情報を得られたのよね?」
「うぐぐぐぐ……」
知っておけば、苦労していなかった事案等も多数あったため言い返せない。
触手モンスターによる攻撃による撤退に関しても、[クリア]さえ使えていれば一時的に気持ち悪くても対処できたわけだ。
「私は、一度現実に帰るから。
だから、アンタが二人に基本的な事をおしえときなさいよ」
ユキは俺に付き合ってほぼ、現実に帰ってないし。
ほぼ、毎日といったペースで突き合わせてるし、仕方ないなと納得した。
「わかった。ある程度までは二人に教えておくよ」
「それじゃ、二人とも頑張りなさいよ」と、ユキが言って、この場を離れていった。
俺がユキに説明を受けた時のように、説明書の厚さの違いを見せてやれば現状がわかるだろう。
「じゃぁ、二人とも説明書を出してみて」
二人が説明書を出した後に、俺も説明書を出した。
「俺の説明書と君達の説明書を見比べたらわかると思うけど、厚さが違うけど君達の説明書と同じものなんだ。
君達の説明書はまだ分厚いけど、俺の説明書は薄いでしょ。
簡単に説明すると、説明書を読んだ分ページが少なくなっていく仕様なんだ。
だから、ページが減っていないと勉強していないとバレてユキに再びお説教を食らう鬼仕様だ!!」
「オウ、ノゥ!!」と言って、ジョンがげんなりとした表情を見せた。
「もう一度、同じ内容とかを見直したい時はどうすれば?」
リー君が質問をしてきた。
「あー、それね。ハイ」
薄くなった説明書を、再び分厚くなった説明書を手に取ってリー君とジョンに見せてあげた。
「もう一度、読み直したいとかそんな感じに思って、説明書を再度取り出せば勝手に対応してくれるよ。
それで、探索に重要になりそうな点を君たちに教えるのが今回の勉強会かな。
実践も大事だけど、座学も大事だよ。
ユキに至っては、この説明書を攻略本扱いしてるし」
と、俺は言った。
「オウ、仕方ないデスネー」
「強くなるためなら、やります!!」と、二人は言葉を返してきた。
割と真面目な勉強会になった。
集中していたため、時間は早く過ぎていった。
ユキが帰ってきて、
「アンタら、まだ勉強してたの? もう夜よ」
「え? 通りで、腹減ってたわけだ。
あ、それとユキお帰り」
「まぁ、アンタ達頑張ったみたいだし。
夜ご飯は私が奢ってあげるわ」
「「「 やった!! 」」」
一同、ただ飯に喜ぶ。
「そのかわり明日は、倍働かすけど」
「「「 ヒィィ…… 」」」
一同は、ユキの一言に恐怖した。
パーティが全員揃って、空気も切り替わったので仕切りなおした。
「今日は、しっかり食べて明日からの探索に備えます。
今日はユキの奢りだ、しっかり食べて飲みまくろう。乾杯!!」
俺が乾杯の音頭を取ってまとめる。
内心としては、明日が怖いけど気にしない事にした。
酒場での食事が終わり、各自宿屋の部屋へ帰って行った。
明日は四人PTでの初探索だ、頑張ろう等と考えながら、ベッドで眠りについた。
ちゅんちゅん。
後30分……。
2度寝をしようとしたら、ユキにたたき起こされた。
「みんな、待ってるんだから。二度寝とかさせないわよ」
「おっと、すまんすまん。
すぐ来るから待ってて」
俺は慌てて起きて、探索に出る準備をした。
「いやぁ、申し訳ない。
朝は弱くて……」と、言い訳をしつつ話を切り替えた。
「ユキ、今日はどんな感じで探索をするつもりだい?」
「そうねぇ。新加入のジョンさん動きをみながら。
リー君との連携取りながら、31層へ進む感じかしらね」
「もしかして一日で、31階まで?」
「スピードアップ切らさなければ、いけるでしょ。
マップも解放してるし……」
「あのぉ、ユキさんつかぬ事をお聞きしますが。
倍働かせるってのは、俺に対して?」
「当然じゃない」と、ユキが笑顔で言ってきた。
「ヒィィ……」と、爽やかな朝の経緯があったが。
パーティメンバー各自で、買い物をすませた。
今回はMP回復剤を価格違いの三種類購入している。
準備も終了して、探索開始となった。
ダンジョンへ入り簡単な戦闘を繰り返しながら、パーティの連携を高めて行く。
各自21階のボスは倒しているわけで・・・。
それほど苦労もなくサクサクと探索は進んで行った。
「そういえば、ジョン。
君は、どこの階まで探索出来たんだい?」
「27階ネー」
「へぇ、23〜25階を一人で抜けたのか」
「あー、ゴーストは属性攻撃で強引にまとめて倒したね」
「ぬぐぐぐ」と、リー君がゴーストに苦戦したのを思い出し唸っていた。
これなら、31階層のボスまでは大丈夫そうだね。
ちなみに、現在のPTのレベルはこうなっている。
ファウスト28
ユキ27
リー23
ジョン24
俺が一番レベルが高く、リー君が一番レベルが低い状態だ。
まぁ、簡単にいうと死亡回数の差がレベルの差になっていた。
何の苦労をすることもなく30階の階段手前まで到着した。
さて、31階へ進む階段の前で、ボスの対策会議を行う。
1階から30階まで探索を続けていたが、ジョンが作戦無視の特攻をする傾向があり。
ボスモンスターに関しては、念を入れて注意しておいた。
主な、作戦は前回と同じで、ユキがタンク行い。
もしユキが掴まれた場合は、リー君が足を切り落とす。
俺が、後衛から支援をしつつ。
MP回復剤を使って、サンダーボルトを打つ。
そこのタイミングで、リー君がイカの足を切り落として行くのが前回の作戦。
作戦への追加部分は、このタイミングでジョンにスキル使ってもらって、本体へ攻撃してもらう感じかな。
前回より、レベルも上がってるし。
多少は、楽になってるだろうと思ってたら。
パーティの人数が増えているおかげもあり、すごく楽になっていた。
あっさりと、ボスモンスターを倒すことに成功した。
ボスモンスター討伐:大王イカを倒した。
大王イカの魔石を獲得。
えっ!! ボスレア?
「大王イカの魔石を手に入れたんだけど?」
一同、「「「 えーーーー!! 」」」
「アンタどんだけ、なのよ。
この前は、10個位魔石拾ってるとか言ってたし……。
私が、聞いてた時より3つ以上増えてたし」
気になったのか、すぐに質問を続けてきた。
「それで、大王イカの魔石の効果はどうなのよ?」
大王イカの魔石: 武器用
二回攻撃が可能。
これ、はや◯さの剣やれる奴だ。
「武器用で、二回攻撃が可能になる」
リー君が、やけに羨ましそうな目でこちらを見ている。
この世界では、パーティを組んでいても、各自にドロップが算出されるから、結局は自分の運次第なのである。
パーティの共有でアイテムを分配となると全員のドロップを集める必要があり。
ものすごく面倒になるので、ドロップのごまかしなどの温床になるので、レアアイテムなどはドロップさせた人の物、つまり拾った人のモノになる。
「うーん。神様が言ってたけどさ、LUKがレア運に関係あるってさ」
「「「 LUKはないよなぁ……」」」と、口をそろえて三人が言った。
「魔石に関しては、俺らの目標が99階の踏破な訳で、魔石を君達にタイミングを見て、譲っていくつもりだから」
「「おぉ……」」と、ジョンとリー君が驚いていた。
「六人しかプレイヤーがいないんだから、流通も何もないでしょ。
だけど、譲るとしても今はその時じゃないと、俺は考えてます。
LUKなんて、物好きなパラメータを育てるのは、俺だけでいいから君達は最高に楽しめると思える育成をすればいいよ」
(ちなみに、六人のプレイヤーの中で、LUKを振っているのはファウストのみである)
「さぁ、キャンプの準備するよ!!」
キャンプの準備をして、皆に[クリア]の魔法をかけた後、食事をして、その日の探索は終了した。
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ジョンの装備
武器:鋼鉄の手甲×2
(店売り)
防具:派手な衣装
(店売り)
アクセ1:なし
アクセ2:なし
正義の特徴:
(武器防具は少ないが、職業によるステータスボーナスが高い)
デメリット:(盾使用不可)
リーの装備
武器:青龍偃月刀(両手武器)
(唯一品)
(エンドコンテンツの性能、更に、ボス特攻、サイズ別 大中小に対特攻)
(更に多少であるが防御力がある・破壊不可)
(スキル使用不可、盾装備不可)
防具:
鋼鉄の鎧
(店売り)
アクセ1:なし
アクセ2:なし
武神の特徴:(エンドコンテンツ級の武器が転職と同時にもらえる)
(この武器を扱うためには、スキルが必要。転職の時点で獲得する)
デメリット:
(職業によるステータスボーナスがない)
(スキル使用不可、両手武器の為盾の使用不可)
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