初級魔法(店売り)
先日から続けて、説明書を読むってのは流石にいただけない。
決して勉強が嫌なわけではない。
俺が、1つ気になってた点を調べに行くことにした。
最初に考えていた事が、大間違いだったという事に気付いた。
何が間違いかと簡単に言うと、説明書を見ていたらセカンドベルの街の、「魔法屋」(初期魔法を売っているお店)の存在に気づいたのだ。
俺は、(冒険者は魔法が使えない) という勘違いをしていた。
最初の街では、宿屋が便利過ぎて街の探索していなかったという事だ。
考えても見れば魔法職の大魔道士のユウヤが、チュートリアルを抜けてここまで一人で来ているわけで。
それを考えれば、冒険者でも魔法が使えるという発想をするべきだったのだ。
あくまで結果論、説明書読んでないんでわかるわけないんですけどね……。
他のメンバーには、必要でないが俺は魔法職だ。
魔法があるとわかっているのなら、初級魔法でも確保しておいた方がいいに決まっている。
4つの初級魔法は戦闘とは関係ないが、ダンジョン攻略の上で便利そうな魔法があった。
クリア
(体や装備品を綺麗にする魔法、冒険者必須魔法)
ウォーター
(水を作り出すことができる)
ライト
(光を作り出すことができる)
ティンダー
(炎を作り、ものを温める事ができる。)
攻撃魔法で
・ファイアランス
・アイスランス
・サンダーランス
・アースランス
(ボルト系が単体に対する複数攻撃に対して、ランス系は単体に対する単数攻撃となる)
と、MAPで売っている定番の商品に関しては、確認できることもわかった。
あと、MP回復剤問題についても、MP回復剤を売っているお店が1つではない。
しかも店舗ごとに、価格が違うと言う事だ。
MP回復薬は同じ成分が体に残ってるあいだに、摂取するととんでもないことになるため。
価格の違うMP回復剤を使って、成分が同じMP回復剤を使わないと言う手が主流らしい。
(100G→500G→1000G→100Gとループする感じだ。)
あと、5000Gの回復剤もあるが、これはいくら飲んでも後遺症がない。
高すぎるので、使うことは多分ないだろう……。
あと、転送屋なるお店だ。
内容の記載は、なかったが非常に気になった。
再び説明書を見ていて気づいて事があったので、ユキによる強制勉強会の翌日は、セカンドベルの街へ久しぶりに戻ることにした。
そしてその旨を、ユキに伝えたら「あっ、そう」と、そっけなく返された。
その日は、そのまま宿屋に泊まり。
翌日、セカンドベルへ出発した。
[スピードアップ]があるため、極力戦闘を回避することができ、何の問題もなくセカンドベルの街についた。
おっ、門兵のおっちゃんだ。
「おーい、オッチャン!!」
「おっ、あの時のにーちゃんか。
塔の探索行ったんじゃなかったか?」
「あー、それは終わったけど。
ちと用事があってセカンドベルの街に戻って来た」
「ああ、ギルドのねーちゃんにちょっかい出しに来たのか?」
「違う違う。
ちょっと買い物を忘れてたんだ。
おっちゃん、職業とレベル表示でいいんだよな?」
職業とレベルを表示した。
「ん? 三次職でレベル27だと!? 只者じゃないと、思ってたら。
本当に化けて帰って来たなぁ。
ギルドのねーちゃんも、心配してたから一度会って行ってやれよ」
「わかりました」
そのまま、街へ入り魔法屋へ直行した。
お店に入り、「全種類くれ!!」と、全力の大人買いを実行した。
・攻撃魔法初級
・生活魔法を獲得した。
次は、転送屋なるお店に移動する。
マップを見ながら、お店をしばらく探していると探していると、お店を見つけた。
あ、あった転送屋だ。
なんか胡散臭いオーラ出てんなぁ。
扉を開けて、「すいませーん、営業してますか?」と、聞いてみた。
「してるよ。ビクビクしてないで、早く入って来な」
「ここは、転送屋さんってことですが、なんの転送ですか?」
「文字通りの転送さ、そこを見てみろ」
魔法陣に指をさしてそのまま店主が話す。
「これが転送の魔法陣でな。
利用者が行きたい所を望めば、そこへ転送できるのさ」
「ただし、一度も行ったことのない場所や異世界への転送なんかは当然無理だ」
「となると、ダンジョンの指定階層なんかも?」
「行けるだろうね。
1回の利用料は500Gさ、使うかい?」
「ギルドで挨拶してから、また来ます」
「そうかい」
転送屋を離れて、ギルドへ向かった。
あの時の案内のお姉さんがいた。
「あ、あなたは……」
「あはは、お久しぶりです。
門兵のおっちゃんが、ギルドのお姉さんが心配してたから顔出しとけと、言われたんで挨拶に来ました」
「あ、あら。
そうなの、あの人もお節介ねぇ」
「おかげさまで、無事転職できました」
レベルと、ジョブを表示する。
「えっ27レベル!? 三次職で赤魔道士。
あの塔でつける職業は、二次職よね?」
「なんか運が良くて、俺は特別だったぽいですね……」
「へぇ、そうなの。
あなた赤魔道士と言ってたけど、騎士にも適正あるんじゃない?」
「あー、そういう職業です」
「それなら、レベル30なったらココにまた来なさいな」
指を小型の地龍(移動用)に向けて指差して、「騎乗スキル取れたら、ここで、地龍の貸し出し行ってあげるから」と、教えてくれた。
おい、攻略本にないイベント発生したぞ。
あっ、アレは、あくまでも攻略本ではなく説明書だったなと思い出した。
「あっ、はい。わかりました!!
騎乗スキル取れたら、また伺います。それでは!!」
ギルドを後にして、再び、転送屋へ訪れた。
転送でもし、ダンジョンの中に飛んで[脱出の書]使うと、どうなるんだ?
また、この街に飛ばされると合流が面倒だし。
最悪、この街に飛ばされても、もう一回ダンジョニアの街に転送すりゃいいか。
転送屋の店主に、「また来ました」と、伝えた。
「そうかい、じゃあどこに行きたいんだい」
「ダンジョニアのダンジョンの一階です」
「ダンジョンの一階? 変わった子だねぇ」
[脱出の書]を使って試したいだけだ、無理に階を30階とかにする必要はない。
転送屋の店主が魔法の羅列を口に出していく、ダンジョンなどで、神様とあった時と同じような光の柱が出来上がった。
「ほら、そこの魔法陣に入りな。
代金は500Gだ……」
500Gを手渡して、そのまま魔法陣の中へ進む。
ログが流れた。
ダンジョン1階へ転送を行います。
ダンジョンの二階へ進む階段前に、転送された。
「おお、便利じゃないか!!転送屋」と、思わず独り言が出てしまった。
ダンジョニアの街にも、転送屋できないかな。
今度、セカンドベル行った時に聞いてみよう。
そのまま、[脱出の書]を使用した。
いつも通りダンジョン前に転送された。
一応このギルドにも立ち寄り、地龍の貸し出しをしてるか聞いてみたが、行っていないとの事だった。
[コール][ユキ]
「ただいま、ダンジョニアに帰って来たよ」
「随分、早かったじゃない。
アンタまさかまた、トレイン・・・」
「いやいや、してないしてない」
「セカンドベルに、ユキだとシックスベルかな。
そこに転送屋っがあって、そこからダンジョンへ飛んで脱出の書でどこに飛ぶか実験したところ。
結果は、ダンジョン前に飛んだよ」
「へぇ、使えそうね。
説明書を読んだかいあったじゃない」
「そうだね……」(白目
説明書に乗ってないスキル獲得系の、イベントが発生したと伝えた。
「何ですっで、詳しく!!」
イベントの旨を事細かく、ユキに伝えた。
「なるほどね。
それで、魔法を買いに行ったみたいだけど何を買ったの?」
「店の初級魔法全部」
「大人買いねぇ、まあ先に進んだ後だから、いくらでも買えるわよね。
それで、アンタのおすすめは」
「クリアの魔法かなぁ。
生活魔法なんだけど、体の汚れや装備の汚れを落とせるから便利なんだ」
「ちょっと!! アンタ、それ早くとっときなさいよ!!
もっと早く、勉強させるべきだったわ」と、ユキに説教された。
これで、今日も休めば二日ほどダンジョン探索を休んだことになる。
そろそろ、リー君とジョンが帰ってくるだろう。
二人には、説明書で勉強をしてもらってから。
その翌日から探索開始かな。
俺は、これだけの発見ができたんだ、明日の勉強会参加しなくていいよな?
そう思い、宿屋へ向かうのだった……。