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ロールプレイ

 キャンプ地で休憩を終え、先に進む事を決めた俺達のパーティ。


「ユキ、22階ってどんな感じなの?」


「不死属性マップね。

 通常攻撃に耐性をもってる敵の代表格のゴーストがいたり、お約束のスケルトンやゾンビって感じかしら」


 レベル上げを行っていた最中に覚えた、お誂えのスキル。

 ホーリー(聖属性全体攻撃)とセイクリッドレイ(単体)を覚えてるのでここが使いどころだな。


「私にいい考えがある……」と、何処かの指令のモノマネをして発言した。


「それ失敗フラグだから止めて」と、ユキに怒られた。


 とりあえず、25階までは不死マップ、26階から30階までは水中マップとユキに説明を受けた。


「えっ!? 水中?

 息とかどーすんの?」


「仕様で普通に息できるらしいわよ。

 後、私達が普通に動ける代わりに、私達は泳いだりはできないの」


「し、仕様かぁ、メタいなぁ……」


「けど、モンスターが全方向から襲ってくるから、厳しくなると思うわ。

 それこそ上からも攻撃を受けるようになるから」


「確かにそれは、難易度あがるな」と、答えておいた。


「それで、31階はどーなるんだろう?」


「30階が、水中マップだから31階も、水中マップなんじゃないかしら」と、ユキが言った。


「とりあえず、行ってみないとわからないって感じだな。

 今回は、行けそうな階まで探索してみよう帰りは[脱出の書]使うし」


「そうね、わかったわ」


「それじゃ、22階へ向かおう」と、次の階へ行く合図をユキに出した。


 結論から言おう、22階〜25階は簡単に攻略できた。

 不死属性は全体的に移動速度が遅く、ユキに釣りをしてもらえばモンスターを魔法で一網打尽で片付ける事ができたからだ。

 26階〜28階の水中マップも、警戒していたほどの難所ではなく、スムーズに探索が終了した。

 しかし、29階でトラブルが起きたのである……。


 29階に触手系モンスターが現れたのである。

 29階の階段を上がった直後に、大量の触手系モンスターが沸いていたのである。

 触手による遠距離物理攻撃を対処することができず、俺、ユキ共に大苦戦をしてヌルヌルを相手することになった。

 こちらへの致命的なダメージこそなかったが、精神的なダメージを受けながら触手系モンスターの群れを討伐した。

 この状態で探索を続ける気にはならず、そのまま[脱出の書]で帰宅した。


「うへぇ、ぬるぬるして気持ち悪いー!!」と、ユキが愚痴を漏らした。


「見てる分にはいいが、あんなのやられたら、たまったものじゃないというのが分かった」

 と言うと、ユキに思いっきり睨まれた。


 あのモンスターの設置は悪意のある設置だから、こちらも対策しとかないとな。


「ここでグチグチ言っても仕方ないから今日は解散しよう。

 早く体を洗いたい」


「そうね、異論ないわ」と、ユキが言って二人とも別行動することになった。


 宿に帰り、お風呂に入って体を洗い、一息ついた。

 そのあと、宿屋のベッドで、どうすればアレの対処できるのかを考えた。

 29階入ったら、あの触手の即射程だし、魔法で攻撃は詠唱あるから、難しいし。


 ぐぬぬ。


 どうしたものかと、ベッドに横になりながら考えていた。

 スキル一覧を開く。


 [スキル][オープン]


 ホーリー、セイクリッドレイ以外にも、スキルを獲得していた。


 ん?


 [遠距離物理無効化]


 範囲指定で、その場所を遠距離攻撃を受け付けなくする。


 あっ、これだ。

 先手を取ってこれを使って、弓矢と魔法で、各個撃破すれば安全に倒せるはず。


 [コール][ユキ]


「ユキ、29階の対策思いついた。

 次はあんな目に合わせないからな」


「ふーん、期待してるわ。

 それで、どんな方法なの?」


 ユキに、[遠距離物理無効化]の魔法の説明とその運用を説明した。

 その結果、怒られた。


「アンタ、あの時使ってればよかったじゃないの。

 それをスキル一覧見てなかったせいで帰宅するなんて」


 お説教がヒートアップするかなと思った時、水から立ち上がったような。

 バジャァ!!っと水音がした。


「もしかして、ユキ。

 今、お風呂中?」


 通信を切られた。


 健全な男子なら色々と想像してしまう所だが、今回は勘弁しといてやろう。

 それより、[コール]って周りの音も多少は拾うんだな。


 対策も考えたし、日課の説明書読みでもしながら、他の連中に報告入れてみるかあ。

 29階の件を伝えたら笑われたが、俺らがトップランナーだと伝わったのか、すぐ追い越してやるという旨を皆から伝えられた。

 ただ、リー君に至っては何か歯切れの悪い物言いだったな。

 それ以外は、俺たちに先を越された事について、悔しがってた感じだった。

 こんなゲームをやってる連中なんだ。

 当然のように、ゲーム好きだもんな負けるのは嫌だよな。


 そんな感じに[コール]しながらのながら作業ではあるが、説明書を完全読破することができた。

 コツコツと、この苦痛を乗り切った甲斐があった。


 称号:探求者 を手に入れた。

(INT+30のために頑張ったぜ!!)


 俺は、称号をスライムキラーから探求者へ変更した。

 毎日の定期連絡は、説明書を読みながらのながら作業をやっていたとは皆も思うまい。


 翌日、再びダンジョンに潜ることになった。


 1階から21階まで進み、一度休憩。

 そして、25階での事だった。


 あまり、ダンジョン内で出くわすことのない他のプレイヤーと接触した。

 通常攻撃に耐性のあるゴースト相手に通常攻撃で攻撃しているようである。

 ゴースト達は、他のモンスターを呼んでそのプレイヤーは明らかに劣勢に陥っていた。

 説明書を読んでりゃ、そんなのわかるだろうに、攻撃通じないなら他の手を考えればいいのに?


 誰だ? 苦戦してるのは?

 って、リー君か……。


「やぁ、リー君。手伝いいるかい?」


「不要……」


「けど、この場を君は対処しきれてないよね。

 防戦一方だし、君に崩れられると、こっちが迷惑なんだよね。

 ロールプレイってものは、状況をわきまえてやるものだよ」


 と、俺は言った。

 それに便乗してユキが、毒舌を炸裂させた。


「アンタの好きな武将様は、武神である前に、学問にも、通じてるんじゃないの?

 義にも厚い武将さんよね?

 義もない、学も力もないじゃ、ロールプレイになってないわよ。

 俺TUEEEしたいだけのロールプレイなら、他の職業選べば」


 ユキさん、鬼やでぇ……。


 武神と学問でピンときたよ。

 あの武将だよね。


 となりゃ、こっちもロールプレイで対応してやろう。


「この場は下がれ関羽!! 我に秘策あり!!」


 いつも通りの行動に、ユキが呆れている。

 急なロールプレイに、リー君は、えっ? って感じに驚いている。


「わ、わかった」


 俺は、[ホーリー]のスキルを放った。


 見事に、一撃で敵を全滅させた。

 まぁ、リー君をモンスターの的にさせてそこを狙い撃ちしただけだけどな……。

 釣りしての狩りと変わらない。


「つ、強い!!」


 リー君が、この人凄いというような視線を向けてくる。

 人に助けられる展開ってのは、MMOじゃ結構定番で尊敬されちゃうんですよね。

 初期職だった頃に騎士の人に助けられて、それで騎士を目指したりとか……。


 リー君の硬かった態度が少し、取れた感じがした。


「リー君、もしかしてMMO系のゲームはやったことない?」


「はい」


「もしよかったら、ステータスを見せてくれないかな?」


「どうすれば、見せれるんですか?」


 ん?


「[ステータス][オープン]と言ってみて、こんな風に出るから」


 俺のステータスが表示された。


「あっ、レベル高い」と、リー君が言った。


「えっ、そうなの?」と、レベルが高いかどうかがわからないので、そういう反応しておいた。


 リー君がステータスを開く、自分とは違いバランス型ではないが、完全にステ振りを間違っている。


 エンドコンテンツであるであろう、両手武器の青龍偃月刀を持っているにも関わらず。

 ソロパーティで、STR>VIT型だった。

 盾装備できないのに、そりゃ苦戦もするわ。


 武器が強すぎたせいで、調子に乗った挙句知識がなくて大苦戦ってところだろう。

 [コール]したときに、どんどん歯切れが悪くなっていったのはこういう理由か。


「俺から、強くなる提案があるんだけど。

 リー君聞くかい?」


「ん?どういう事だ?」


「一旦、現実を受け入れろって事かな。

 現状のリー君のソロだとココが限界。

 俺達のパーティに入ればもっと君が、活躍できる場を与えてあげれるよ」


「だけど……」


 リー君の歯切れの悪い答えに、ユキの毒舌が再び襲いかかる。


「アンタ武神の職業でしょ。

 スキルによるステ上昇がない代わりの唯一品のその武器なのに、回避もできない盾も持てないじゃ進めるわけないじゃないでしょうが!!

 説明書読んで考えたら解るでしょ」


 ユキが言った事で少しピンときた。

 この人も、俺と同じくあまり説明書をよまない人だ。

 唯一品の武器が強かった。

 ステータスの上昇は理解していた。

 ただ、それ以外はソロだったこともあり、ゲームの機能をほとんど知らない。


 だけど、なんとかここまで通用した人だ。

 だが、文字通りここからはソロならば、通用しない。


 だからこそ、俺は今までの経緯や流れをリー君聞いた。

 進むだけ進んで毎回不利になって、死に戻りしている。

 賽の河原状態で、流石に耐えれなくなってきたと言っていた。


「20階の脱出の書は取ってないの?

 と、聞いたが理解してなかった。」


 俺に負けず劣らずの酷さだな。


「割と色々できる、このゲームだけどステータスの振り直しはできないから。

 君が先に、進みたいならパーティに入ってくれ。

 色々と教えれるし、君も活躍できると思う」


「わかった。」


 リー君は、俺たちの交渉に折れたみたいだ。


「んじゃ、ユキPTを送ってあげて」


 パーティ申請を送り新たにリー君がパーティに加わった。

 パーティでの戦闘方法などをレクチャーしながら、29階まで向かうのだった。


 リー君のポジションは中衛アタッカーと、いうことで決まった。


 29階の入り口に、[遠距離無効化]のスキルを設置する。

 パーティ全員で、そこに入り。

 憎っくき、29階の触手どもを殲滅した。

 29階では苦戦したが、30階はそれほど苦戦しなかった。


 道中のことだが、火力はあったのでリー君は活躍しまくった。

 当人も、それを喜んでいた。

 31階(ボス戦へ)続く階段の前で、ひとまず休憩を取ることにした。

 いよいよ、クリアの為の階層だ。いざ、クリアだ!!

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 現在のレベル



 ファウストLV26


 死亡回数0



 ユキLV25


 死亡回数2


(チュートリアルで一回、11階で一回)



 リーLv18


 死亡回数6

(23〜25階ゴーストによる死亡)


 30階で手に入る予定でした、[持ち帰りの箱]ですが。

 31階のボスモンスタードロップへ設定を変えます。

 水中ステージですが、普通にスキル(魔法は使用可能です)



 重要なのは、属性のみです。



 火《水


 水《風 ・雷


 風《土


 土《火



 のよくある五行のアレです。


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