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他のプレイヤーとの出会い。

 20階までの主要マップをマッピング完了したことで、1階から20階の探索は3日あれば脱出の書を使わずとも往復できると判断した。


 11階のボスを倒しそこで休憩で1日消費。

 そして、20階で脱出の書を獲得して、11階でもう一度ボスを倒してから休憩して2日消費。

 そして、ダンジョンから脱出までの3日消費の予定を立てた。


 3日稼働して、間を休んでまた3日稼働するというスタイルで1〜20階までを繰り返してダンジョンの攻略していくことが決定した。

 主な目的は、装備品の向上とレベル上げ、それと[脱出の書]を集める事である。

 何故? 20階以上に進まないのかという点は、現実に戻らなければリアルで死亡扱いされてしまうためだ。

 それは拙いと判断し、とりあえずは[脱出の書]を集めておこうという判断だ。


 実際の所は、[スピードアップ]の魔法を利用して、最短で攻略すれば一日で、1階から20階までの往復はできなくはないが。

 疲れなどを考慮したうえでの安全策だ、ある程度なれてくれば。

 今後は1日通しで1階から20階を往復してアイテム集めをすることになるだろう。


 なんどか、そんな感じの探索を繰り返していたら、20階から11階へ戻る時にボスモンスターと戦闘に入る予定だったが、ボスモンスターが出現してこない?

 どういう事だろう?


 これは、すなわち俺達以外に誰かが狩りに来ていることを意味する。


 丁度タイミングが良かったみたいで、ボスを倒した直後みたいでそのプレイヤーはキャンプの準備を始めていた。


「どうも!!」と、初めて会ったプレイヤーに話しかけてみた。


 英語への自動通訳・翻訳を行います。と、ログが流れた。


「あっ!!君達はもしかして異世界に来た人達なのかい?」と、その男が質問をしてきた。


 !?


「あぁ、そうだよ。二人とも日本人だ」と答えておいた。


 その男は、何と表現していいものかわからない奇抜な恰好をしており。

 一体何の職業をやったらこういう恰好になるのか疑問をもつほどだった。


 あと、英語への通訳ってことは、この人は英語圏の方なのかな?

 謎の男を見てみると……。


 ジョン:レベル21

 職業:正義 (ジャスティス)


 と、表示された。


 あぁ、こいつがジョンか!!


「ここのボスは、君が倒したのかい?」


「あぁ、そうだ!!」


 一人でボスを倒すとは、なかなかやり手のプレイヤーみたいだ。


「なるほど、君がジョンか!!

 さすが一番乗りプレイヤーだね」と、純粋に褒めておいた。


「俺は、ファウスト。

 そこにいる、ユキとパーティを組んでこのゲームを攻略している」


「おぅ、君がファウスト君ね。

 神様をぶん殴ったってね、とんだクレイジー野郎だね」


「え!? その件ってそんなに伝わってるの?」


 ユキがクスクスと笑っている……。


「僕はギルドでそんな話を聞いたよ。

 君達は、僕の事をわかってるみたいではあるけど、名乗られたからにはこちらも名乗ろう!!

 僕は正義の味方のジョンさ!! 悪い奴を倒すのが僕の使命さ」


 あっ、コイツ俺と同じ感じがする、そう同じ穴のムジナのロールプレイ野郎だ。


「ちなみに、今からキャンプを張って、休憩しようとしてたところさ」


「なるほどな、お互いにいい情報交換ができると思うから、話し合いでもしないか?」と、俺はジョンに提案してみた。


「そうだな、あははは!!

 君も、なかなかにユニークな奴みたいだね。

 神様殴るとか、そうそうできるもんじゃないよ……」


 ロールプレイ野郎が二人になると面倒なので、ユキは勝手にキャンプの準備を始めていた。

 夕食を、ジョンとユキと一緒に取った。

 主に攻略などの情報交換を行い、今後とも[コール]の機能を使用した情報交換を行う約束をして、お互いに納得した。


 ……。

 …………。


 お互いに休憩をとって、ボス復活のタイムリミットが近づき、ジョンとキャンプ地で別れることになった。


「僕は、ここから先の階を目指すよ」


「俺達は、一度このダンジョンを脱出するよ。

 また、機会があれば会おう!!」


「そうだね、また会おう!!」と、ジョンは言ってお互いに別々の道へと進んだ。


 それから以降も知り合いが増えたという事で、ジョンが暇を見つけては[コール]をかけてくることになったのは言うまでもない。

 一人パーティは何かと寂しいみたいだ。

 そういう意味では、話ができる俺は有利なのかもしれないな、ゲームオタクとゲーム攻略勢のコンビだし。


 ユキを見ながらそう思った。

 ホント心強い仲間だこと……。


 まぁ、そんな心強い仲間がいる俺達にとっては、ここから1階へ戻るのはそう難しくなく、割と余裕をもって帰宅することになった。

 資金にも余裕が出てきたので、宿屋併設の酒場で、食事をすることになった。


 ここで、再び異世界へ来た二人組と出会った。


 あれっ!?

 あの二人組、なんか日本人っぽいぞ。


「ユキ、あそこの二人組って、日本人じゃないか?」


「そうだろうね、一人は職業をオープンにして勇者ってバレバレだし。

 そんなの好き好んで主張したがるのは、日本人でしょ」


「だよなぁ、ちょいとばかり話してくるわ」


「あー、はいはい」と、ユキは軽く流したように返事をした。


 ロールプレイ野郎が二人いると展開がカオスになるので、ユキはご勝手にという反応だった。


「そこのお二人さん、いや、そこの勇者さん。

 あなた日本人じゃないか?」



「え!?」


 ビックリした表情で、隣の男の顔を勇者は見た。

 勇者ではなく、勇者の隣にいた魔道士風の男が質問に反応した。


「なんで、それを?」


「俺達も、日本人だ。

 ちなみに、あそこにいる彼女はユキって言って俺のパーティだ」


「あなたも、日本人なんですね。

 初めまして、この世界で勇者をしている。

 名はタクトだ、よろしく!!」


「我は、大魔道士ユウヤである!!」


「タクト君とユウヤ君ね、よろしく。

 俺は、赤魔道士をやっているファウストだ。よろしく!!」


「赤魔道士ですかー、どうです?

 某ゲームとかだと微妙じゃないですか?」と、タクトが言ってくる。


 さすが勇者(馬鹿にした意味で)、聞きにくい事をズバズバ言ってくる。

 流石に失礼だろうと、連れのユウヤがその質問を止めに入る。


 その制止に気づき、大丈夫と手振りをして、話をつづけた。


「あぁ、構わないよ。俺は君達と情報交換をしに来たんだから。

 このゲームのプレイヤーは6人しかいないんだからね。

 協力しなきゃ、所謂クリアってのは難しいだろうし」


 驚きの表情でこちらを見てくる。


「六人しかいないんですか?

 通りでプレイヤーが少ないと思いました」と、タクトが返事をしてきた。


「何故、それを汝に理解できた?」と、ユウヤが案の定のロールプレイをしながら聞いてきた。


「あそこに、ユキって俺のパーティがいる。

 あいつが、二日遅れでログインしてきた。

 最後のプレイヤーさ、チュートリアルの塔で神様に会っただろ、その時に色々きいたらしい」


「ん?汝、赤魔道士といったな。そうか君が例のアレか」と、言われてユウヤに少し警戒されてしまった。


 おい、途中で素に戻るのを止めて、なにもしないから。


「ファウストさんは、神様を殴った人なんですか?」


「そ、そういうこともあったかも知れない」


 あぁ、これはもうプレイヤー全員に知られてるわ。


「まぁ、色々あったけどプレイヤー自体が少ないから情報交換や協力が出来ればと思って、声を掛けさせてもらったよ。

 あと、同郷っぽかったしね。ある意味君達に会えてうれしいよ」


「そうですね!そういう状況なら協力しますよ」


 さすが勇者だ、即断即決で返答してきた。

 こんなサクサク何も考えずに行動しても、勇者とやらの運命力で、なんとかなるんだろうなぁ。

 それに比べて、俺の神の加護はむしろ呪いになってるし。


 そんな感じて、ユキを含め四人で食事しながら情報交換を行った。


「何かあったら、[コール]で、呼んでくれ。同じ同郷の人間だしなお互い協力しよう。」


 そんな感じに、別れの挨拶をして勇者と大魔道士のPTと別れた。

 次の日は、探索のなか日として探索をお休みし、買い物や休憩をして過ごした。

 そして翌日、再びダンジョンへ。


 流石に、複数回こなしているので、苦戦はほぼ、しなかった・・・。

 11階でボスを倒して、キャンプを始めようとした時。

 小さい体に似合わない、大きな武器を持ったプレイヤーが現れた。


 中国語圏の言語へ通訳しますとログが流れた。


「ボスがいないじゃないか!!」と、大きな武器を持ったプレイヤーが嘆いていた。


「ああ、すまない、先ほど倒したところだ。」


 じーっと、こちらを睨みつけてくる。


「あぁ、君が赤魔道士か、そっちのが忍者か。

 パーティを組んでのプレイとか貧弱だな」


 プレイヤー名と、職業は見えているがあえて聞いてみる。


「申し訳ないが、あなたは誰ですか?」


「私は、武神のリーだ!!青龍偃月刀の唯一の使い手だ!!」


 あー、武神で偃月刀っていうと、あの人のロールプレイな。


 しっかし、このプレイヤーちっこい事、あんな大きな武器扱えるのかな?

 武神の職業による特殊なスキルでもあるのかもしれないな。

 そんなことを考えながら自己紹介を始めた。


「俺は、赤魔道士のファウスト、そっちの彼女は忍者のユキだ」


 ユキがリーに対して、軽くスルーしている。

 睨みつけられたのと、貧弱と言われたことにイラついているのだろう。


「俺達は、一旦ここで休憩を取るんだが、リーさんアンタもどうだい?」


「私に構わないでくれ。

 私は一人で攻略できる、貧弱な君達とは違うからな」


 おうおう、武神様は心までは鍛えてくれなかったのかな。

 武も有名だが、知と義に熱いお方だったはずなのに……。


 間違ったロールプレイは周りからも、冷めた目で見られる。

 当然やりすぎても冷めた目で見られますが……。

 武神様に関しては歴史書によって表現が違うし、認識の違いは仕方ないのかな。


「そのまま先に進むのは構わないよ。

 他の人達にもいってるんだけど、何かあったら連絡をくれ。

 [コール]の使い方、わかるよね?」


「軟弱物に頼る気などはない」と、言ってそのままリーは先へ進むのだった。


 武神様がこの階を去ったあと、ユキがたいそうご立腹でした。


「なんなのアレ!!」


「まぁまぁ、アレが彼なりのロールプレイなんだろ。

 それより、あんな体であんな大きな武器扱えるのか?」


「あぁ、それね。

 武神専門装備らしいよ、あの偃月刀。

 最初から、攻撃最強クラス、攻撃範囲の広い武器の偃月刀が使える代わりに、レベルアップによるジョブの補正値はゼロ。

 あとは、あの大きい武器を扱うための特殊スキルを最初から持ってる、かなりリスクの高い職業よ」


「ほんと、ユキは何でも知ってるな」


「六人の職業の説明も、神様に聞いたからね。

 どんな人か気になるし。

 その中でも、一番ヤバいのがアンタだったけど……」と言って、ユキは軽く思い出し笑いをし始めている。


「デスゲームと勘違いして、神様を殴ってデスペナ2倍になっちゃって、一人ハードモードよね」


「そうか? しななきゃいいんだし。

 ユキもいるんだし、どうにでもなると思うが?」


「ふーん。あっ、そう!!」と、軽口を叩いて、お互いに休憩に入った。


 これで、6人全員と面識ができたな、場合によっては皆とパーティを組まなきゃいけないし。

 上手くやっていかなきゃな。

 ただ、リー君とやらは一筋縄ではいかなそうだなと、多少の不安を残していた。


 ジョンとタクトへ[コール]をして、お互いの状況等を確認したりした。

 そして眠りについた。



 なんどか、探索を繰り返すうちに、20階までの探索は苦戦しなくなった。

 明日は、11階→20階→1階と通しで抜けようと、提案した。

 ユキもそれを了解してくれたので、無事それを、実行することができた。


 こうなれば、1日で20階まで往復を 一週間繰り返して

 増備を整えてから21階のボスに挑もう!!

 攻略は、順調に進んでいる。


 神のいう、ゲームクリアまであと11階だ!!

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