頑張れオーク先輩!!
11階ボスを無事討伐し一安心していたら、ユキから即ツッコミが入った。
「ちょっと、アンタ。何決まったって顔してんのよ!!
サンダーボルトやるつもりなら注意を入れてよ。
威力上がってたし、味方に攻撃されるとか洒落にならないわよ」
誤射の可能性はあったなと理解したので、素直に反省した。
「あっ、すまん。
以後、気を付けるよ」と言って、俺が反省していたところに。
「それで、時間にまだまだ余裕があるんだけど、もう少し潜ってみる?
11階までの攻略たいして時間かからなかったし……」
俺がその提案に対して、
「ボスの復活の、時間が解らなくなったりしないか?」と、聞いてみた。
その質問に、ユキが即答で返してきた。
「そんなの、普通に機能にあるじゃないの」と、時計を見せてきた。
ほんと、何でこのゲームにそこまで詳しいのかな……。
ウィキペディア先生かな?
いや、ユキペディア先生と今後は呼ぼうとか考えていたら。
「アンタ!! また、ロクでもない事考えてるでしょ」
ギクッ!!
完全に思考を読まれてるみたいだ、話を切り替えて誤魔化そう……。
「時間さえわかるのなら、少しでも探索した方がいいな。
ボスの復活2時間くらい前には、ここを動けるようにしとかないとな」
まだ探索を始めて7時間位しか経っていないので、キャンプの設営や料理をするとしたら5時間位は探索できるな。
「じゃぁ、行こうか。
それと、12階以降の階層はどうなるんだ?」
ユキペディア先生が、次々と答えていく。
「12階から15階までは、オークの巣よ。
12階から15階に戦士タイプのオークウォーリアーが出るわ。
飛び道具を使ってくるオークアーチャーが、14階と15階に出てくるから要注意よ」
「なるほど、他に注意点とかは?」
「そうね、注意書きに女性は色んな意味で気をつけろって書いてあるわ。
姫騎士の職業で来ると、オークが強化されるみたい……」
おおぅ神よ!! 良いご趣味をしておられる。
「12階から15階まではとりあえず、階段を探すのを優先しましょ。
私の身の危険を感じるから、特にアンタから……」
「俺は無実だ!!」と、即答で答えおいた。
12階のダンジョンは、なぜか平原だった。
階段を探してマップ埋めを始める。
いたぞ、オーク先輩が!!
「俺をいじめる、この女をやっちゃって下さい!!」
「はっ!?」と、ユキが一瞬で不機嫌になった。
ユキによって、我らがオーク先輩が一瞬で切り刻まれた。
「くそぉ、俺達のオーク先輩が通用しないだとぉ!!」
「ねぇ、アンタが何考えてるのか全くわからないんだけど?」
軽くユキにドン引きされたみたいなので、素直に謝った。
「正直、すまなかった」
ちなみに、姫騎士相手だとオークが本気を出すって旨のどういうことか教えてあげたら。
ユキが顔を真っ赤にして、俺は地面に正座させられた。
ユキに正座をさせられたが、この世界に来て初めて勝利した気がする。
何かを失った気もするが……。
そんな馬鹿をやりながら13階まではサクサクっとクリア。
14階からは、オークアーチャーが出るとのらしい。
それ以上に厄介なのは、オークウォーリアーが笛を吹いて仲間を呼び出す事だ。
それは、囲まれる危険性があるので気をつけようと思った。
14階へ上がった直後、ユキに提案した。
「オークアーチャーの数が少ないこのマップで、オークアーチャーの力を見たいので探索させてくれ。
力を見極めず先に進むのは拙いだろうし……」
「そうね。この階は階段探しと、オークアーチャーを探すことにしましょう」
14階のマップ探索を始めて、階段は簡単に見つけることができたが。
肝心のオークアーチャーが見当たらない……。
正直な話、オークウォーリアーは微妙に弱かったので油断していたら、矢がこちらの足元に飛んできた!!
矢が刺さった向きを考えるとあっちの方向から飛んできたんだな。
見晴らしのいい平原だ……モンスターの影さえない。
平原の中にポツンと木があった。
もしかして? 木の上か?
あっ、いた。
「オークアーチャーを見つけた。
ユキは俺の後ろに隠れてろ、あと後方警戒任せた」
「オッケー!!」
盾を構えて、前へ進んでいく。
盾を構えているが、盾に矢が当たってこない。
ん? オークアーチャーって意外と弓が下手なのか?
いや、思ってた以上に狙うのが下手だ。
それならば、こうすれば面白いだろう。
[スピードアップ]
「移動速度を早くして、もっと当てれなくしてやる!!」
移動速度を上げて、動き回って弓で狙わせないようにした。
弓が当たらないと判断したところで、攻撃に転じた。
「遠距離が、そっちの専売と思うなよ。
[ファイアボルト:LV1]!!」
オークアーチャーに魔法が命中し、アーチャーが木から落ちた。
俺の後ろにいたユキさんが全速力で、アーチャーに向かってダッシュ。
即モンスターに張り付き何もさせずに切り刻む。
うわぁ、エグイなぁ。
オーク先輩いい所ないっすね。
オークアーチャーの実力もある程度解った所で、次の階の15階へ移動した。
アーチャーの数が少し増えるらしいが、あの攻撃精度ならそう簡単には初撃を食らうことはないだろう。
お互いに、オークアーチャーを見つけたら。
俺は[ファイアボルト]を打ち込んで、ユキは弓で攻撃したりと、遠距離勝負をしたりしながら階段を探した。
そして16階への階段を見つけれたので、キャンプ地の11階へ戻る事にした。
12階から15階までの討伐で、ユキがレベル15になっていた。
キャンプ地へ到着したあとは、寝るための準備料理などを簡単に行った後。
本日の探索は終了した……。
経験値:
オークアーチャー10 ×50
オークウォーリアー30 ×30
ウォーキングアーマー1 ×1200
ゴールド:
オークアーチャー10 ×10
オークウォーリアー30 ×5
ウォーキングアーマー1 ×1000
ゴールド:1250
1250+76=1326ゴールド