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リベンジ

ちゅんちゅん。

小鳥のさえずりが聞こえる、朝だな。


起きるかと考えてる矢先に、いつもの騒がしい声の主が俺の部屋に現れた。


「起きてる? 二日続けてとか、珍しいわね」


前回は、お金の問題で早起きする必要があったが、今回は日をまたぐダンジョン攻略の緊張の為、早く起きてしまった。


まぁ、緊張していることがユキにばれたら面倒なので、いつものように軽口で話を流した。


「俺は、失敗に学ぶ男だからな。

そう何度も同じ失敗はしないよ」


「あー、はいはい。

アンタ顔に出やすいから、緊張してんのバレバレよ」


「ぐぬぬ……」


そんな感じで朝イチから、ユキに一本取られた状態でスタートした。


「今回は、ダンジョン内で寝泊まりすることになるから。

キャンプ用具(寝具関連)、と食料等を調達していくわよ」と、大まかな注意事項を教えてくれた。


宿屋を後にして、街でアイテムを買いそろえた。


・キャンプ用具(寝具関連)800ゴールド

・食料(保存食や、調理可能食材)400ゴールド

・回復アイテム(MP回復薬4個)400ゴールド


初の試みの為、通常の予想よりも多めに食料や道具は準備した。

キャンプ道具を持ち歩く必要があるなら大変だが、全てアイテムボックスに入れてしまえたので、非常に便利だった。


デスゲームではないといえ、死ぬのは勘弁したいところである。

後、俺はデスペナルティが他のプレイヤーの2倍という枷を持ってるし。

俺が足手まといになれば、ユキも組んでくれなくなるだろう。


所持金はほぼ使い切ったが、ダンジョンに入ればお金は無価値であるから。

そういう意味でも用意は多めにしておいて、損はないはずだ。


お互いに、準備は終わったみたいだ。


ユキがダンジョン探索についての説明をしていった。


「二日以上たってるから11階のボスが復活しているハズ。

なので、それを倒すのが第一目標ね、前回のリベンジをします。

ボスを倒せばその部屋は、安全地帯に一日の間なるから、そこでキャンプを行う」



「あぁ、それで問題ないよ」と、俺は答えた。


「第二目標は、20階にある。

[脱出の書]の獲得を目的に進むわ。

今回は20階にある[脱出の書]を使って地上に戻る」


「戻った後はどうするんだい?」


「何度か、それを繰り返してMAPの完成とレベリングを行うわ」と、計画を話してくれた。


「その計画で問題ない。

文句のつけよう無いと思う、流石ユキだな」と、計画立案のユキを褒めた。


「まぁ、攻略本があるからこそなんだけどね。

流石に、攻略本に階段の位置までは書いてなかったし、マッピングは不可避だからね」


攻略本扱いするので、一応ユキにツッコミだけはいれておく。

「一応、ソレ説明書だからな……」「ここまで、詳しく書いてるんだから攻略本でいいわよ」


いつも通りダンジョンの前で入る手続きをして、ダンジョンへ入る。


前回の10階までは、何の問題も起きなかった。

マッピングがすでに終わっているのと、装備も新調しているので、前回より簡単に10階まで踏破することができた。


前回のリベンジだ、11階への階段へ進む。

大苦戦の原因、ウォーキングアーマーは復活していた。


前回は力不足の為(知識不足)、壁役ができなかったが、今回は壁役ができるはず。


「今回は、耐えてみせるから。

先手行かせてくれ!!」


前回の装備不足による、不甲斐なさを払拭するためユキに頼んだ。



「いいんじゃないの?

私、遠距離から攻撃してもいい?」と、ユキが聞いてきた。


「ヘイト取れる位は仕事してやるさ」


忍者で遠距離攻撃か、手裏剣でも投げるのかな?


よし、ユキの装備について、多少の疑問は残ったが戦闘開始だ!!

ウォーキングアーマーに向かいダッシュして、ヘイトを取るため、一気に距離を詰める。


相手が俺に気づいてからは、鋼鉄の盾を前面に押し出す形で距離を詰める。


まずは、俺が敵の攻撃を耐えれるかどうかだ?

一撃は盾で完全に受けきる、話はそれからだ。


ウォーキングアーマーの剣が、俺に向かって振り下ろされる。


剣と盾がぶつかり合い、ガゴッと……盾が鈍い音をさせ、振り下ろされた剣を防ぎきった。


バックラーとは違い、盾の幅が広い分防御すると決めていれば。

相手の攻撃に当てやすい、いや合わせやすいのだ。


これなら、俺が仕事がやれる!!


防御していてもHPが削られるが、こちらにはヒールがある。

このペースならいくらでも仕事ができるハズ!!


ユキにはスイッチではなく、左手で盾を構えつつ。

利き手で攻撃しろと、後方からの攻撃許可の指示を出す。


合図を出した瞬間、モンスターの背後から弓矢による攻撃が始まった。


それか、今回のユキの秘密兵器は、スライムキングの討伐の時に暇そうにしてたものな。

攻撃を受けたことにより、ターゲットが変わりそうになった所に俺が、


「お前は、コッチを見てろ!!」 と言って、鋼鉄の剣をウォーキングアーマーに振り下ろした。


前回の銅の剣で殴った時とは、違う金属音が響き鋼鉄の剣はモンスターの体のめり込む。


攻撃、防御ともに仕事ができてる。これならいける!! と、自信を持ったところでユキが提案してきた。


「ねぇ、前線変わってくんない? アンタも悔しかっただろうけど。

私、コイツに殺されてんのよね」


「解った!! 次の攻撃を返したらスイッチだ!!」


モンスターが横薙ぎで攻撃をしかけてくるが、こちとら防御がメインのお仕事だ。

盾をお前の前に構えるだけだ!!


剣と盾がぶつかり合い、金属がぶつかり合う鈍い音をさせながら耐えきった。

そのあと、構えた盾を使い思いっきりモンスターを後ろに押し出した。


「スイッチ!!」


後ろに飛ばされる、モンスターに張り付くように、ユキが攻撃を次々と加えていく。

スイッチからの攻撃の速さは本当にすさまじいな。


だけど、今回は、最初からこれで決めるつもりだったよ!!


魔力全開の[LV10:サンダーボルト]だ!!


魔法詠唱をはじめ。


……。

…………!!


「行けっ!!」


魔法が放たれ、ウォーキングアーマーの頭上に落ちた。


ドガァッ!! 前回とは、威力が違うイカズチが落ちた。

モンスターが消えてゆく。


ログが流れた。

ボスモンスター討伐


[次のボスモンスター復活は、1日後となります。]


ウォーキングアーマーを討伐した。


1000の経験値 1200ゴールドを手に入れた。


ファウストのレベルが16になった。


・スピードアップ

・盾防御強化 (パッシブ)

・バッシュ(打撃スキル)


2つのスキルと、1つの魔法を覚えた。


ちなみに、ユキはレベル14になったみたいだ。

前回減らされたデスペナ分は取り戻せたという事だな。


こうして、俺達二人は前回のリベンジを無事果たすことに成功した……。

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