サスケと合流する。
ダンジョニアの街に入る事ができた。
さて、入り口の近くの宿屋ってどこかな?
辺りを見回した、宿屋は文字通り入り口の近くにあった。
あぁ、ここの店か。
宿屋併設の酒場に入り、酒場を確認する。
カウンターには、世紀末感あふれるヒャッハー感のあるにーちゃん達。
奥の席に、忍者?みたいな恰好の人がいた。
西洋風の世界観のこの世界に、忍者はねーな……。
と、思いつつ。
誰が、サスケか見当がつかない。
[コール][サスケ]
「聞こえるか!? ダンジョニアの酒場についたんだが?」
奥の席の忍者が、立ち上がった。
[コール]が切れた。
忍者がこちらに向かってくる。
えっ、忍者ってお前なの?
お前がサスケなの……?
俺の目の前で、忍者が止まる。
サスケは忍者、猿飛サスケ……。
あぁ、そこからか。
お前の魂の真名の由来は。
「ファウストさん、こんにちは。
リアルでは、初めましてかな。
私が、サスケです」
声が完全に女性の声だ。
俺も定型ながら挨拶を返した。
「あっ、サスケさん。
リアルでは、初めまして、ファウストと言います。
初めましてって、いうのもなんか変な感じだな」と、いうと笑われた。
「一言余計なのも、あなたらしいですね。ファウストさん」と、言われたので。
「それはサスケ、お前もよく知ってるだろ。
あはははは」
「そうですね」
そんないつもノリに、お互いに笑った。
それで、俺個人としては、ネットで男だ女だ。
性別なんかは、極力気にしないようにしている。
ただ、面と向かわれると気になるものは気になる。
「もしかして、サスケって女性の方ですかね?」
「あぁ、そうですよ。リアルでは女性やってますね。
自分の声、形までゲームの中に反映されると思ってなかったですし。
他の名前だと、ファウスト君とつるめないでしょ」
あぁ、コイツは本当に遊びに来てたんだな。
なるほど……と、納得した。
それにしても、姿形反映されてるってことは、サスケの実際もこんな感じの女性なのか?
「サスケって、俺の考えてたイメージとちょっと違ってたかも知れない」
「そう? ファウスト君は、ほぼイメージ通りだったよ」
「どういう意味か詳しく聞くと、こっちがダメージ受けそうなんで聞かないでおく」
「あははは、それが無難な選択ね」 と笑われてしまった。
「それで、ファウスト君PT組まない?」
「あぁ、いいけど」
「それなら、決まりねー」と、サスケ(女性)の提案でパーティを組むことになった。
あれっ、なんか軽い。
デスゲームじゃなかったっけ?
「よし、ファウスト君、確認できたし名前変えるね。
この見た目だと、サスケって感じにロールプレイできないでしょ。
サスケから、ユキに名前変更するから」
サスケの名前が、ユキに変更されてる。
「忍者がくの一になるわけか……。
どうやったんだ、それ?」
「ステータス画面からネームチェンジしただけだよ、専用のアイテムいるけど。
説明書に乗ってたよね?」
え、そうなの?
「知らなかった」
そういや、パーティ機能なんかも俺は知らなかったし。
一度、説明書読むべきかも知れないな。
まぁ、無理な話だが……。
「それにしても、ファウスト君レベル高いねー。もう14なの?
私まだ、8レベルだよ」
あっ、ステータス関連隠すの忘れてたわ。(注意されてたのに、反省反省)
「ん? 8レベルだって? あのポイズンスライム倒して、俺は14レベルになったんだぞ?
サスケ、いやユキさんあんた、一体何レベルであのボス倒したんだ?」と、ユキに質問した。
「苦戦はしたけど、5レベルかな」と、驚愕の発言をされた。
「なんで5レベルで、あいつ倒すステータスが足りるんだ? 俺は13レベルでも苦戦したのに……」
ユキが、ん? って感じに首を傾げてきた。
「もしかして、ファウスト君、攻略本読んでない?」
「攻略本? そんなのあるのか?」
「あぁ、違う違う。
このゲームの無駄に気合いが入りすぎて、製作者の愛がこもりすぎて気持ち悪い説明書の事よ」
と、サラッとユキも説明書をディスってきた。
「ちょっと、ファウスト君パラメータ見せて」
「どうやったら、見せれるの?」
[ステータス、パラメータ、オープン]とユキが言った。
ユキのパラメータが俺にも見えるように表示されている。
えっ!!
名前:ユキ
職業:忍者
称号:探究者
レベル:8
STR:16
AGI:70
VIT:1
DEX:16
INT:1
LUK:1
「えっ。!!AGI1極振りじゃん。」
ど、どういうことだ? と、困惑していたら。
「ファウスト君、君もパラメータ開いて!!」
俺は言われるがままに、
[ステータス、パラメータ、オープン]と、言った。
俺のステータスが、他の人にも見えるように表示された。
名前:ファウスト
職業:赤魔導士
称号:スライムキラー
レベル:14
STR:38
AGI:38
VIT:38
DEX:38
INT:38
LUK:38
ステータス画面を開いたら、ユキに噴出すほど笑われた。
「ぶっ、超バランス型とか、このゲーム楽しみすぎでしょ。」
楽しんでるわけではない、こうなってしまっただけだ。
「いや、パラメータを変えれるなら変えたいと思ってる」と、答えた。
「えっ、もしかしてパラメータの上昇変更設定知らない?
さっきと同じ要領で、[ステータス、パラメータ上昇変更]ね」
と、ユキに教えて貰った結果、上昇値の変更ができるようになった。
俺はLUKとDEXの上昇をひとまず0にして、振れる分の4ポイントをSTR、AGI、VIT、INTに振る事にした。
「まぁ、良いわ。
今日はもう遅いし、明日からPT組んでダンジョンへ行きましょう」
と友人のサスケ(ユキ)とのゲームに対する温度差を感じたが。
「あぁ、また明日な」と、言って解散となった。
ユキと別れて、宿屋へ行き。
宿屋の代金24ゴールドを支払い、食事をしてその日は終了した。