プロローグ 創造主の願い
読もうと思ってくださり感謝です。
まず、この小説を読み始める前に注意です。
少し、グロテクスな場面があります。
大丈夫な方はどうぞ。
さぁ、始めよう己が全てを賭けて
役者たちよ、己が武器をとれ!
「俺は強くなりたい。誰かを――大切な人を守るために。」
そのデアイは偶然か、必然か
それを知るは創造主ぞのみ
「そこに居るのは誰?」
「君は――さっきの……。」
天使と悪魔がその翼重ねれば
世界は逆転するのだろう
「行こう、解放するんだ。人々を。民を。」
分かりゆく真実の中で僕らの絆が縺れ、絡まり、千切れたのなら
前の絆よりも強く強く結び返せばいい
「それでも……僕はこの方法が一番だと思うんだ!!」
「何言ってんだ!?俺たち仲間だろ?家族だろ?誰か一人でも見捨てていいのかよ!!」
さぁ、ここは血が踊る劇場 劇場は満員
その中の彼女の目からガラスが落ちる前に
「本当は戦いなんか大嫌い。誰かが悲しくなるから。」
さぁ、己が命を天秤にかけ
どちらかを刃で重くしよう
「お前は間違ってる!どうして分からない!!」
「間違ってるのはお前のほうだ。どちらが正しいか、いつかは分かる。」
僕たちは平穏すぎる毎日に
何が大切かを忘れていたんだ
「俺、心躍るような冒険がしたいんだ!」
「もう、のんきよね。あんたは。」
さぁ、孤独な魂を救済せよ!
幻覚と幻聴の夢の中
「誰?君は、誰なの?」
『気づいてるくせに。』
「分からないよ……。」
『嘘だ。』
いつの間にか自分より大切なものが増えて
その笑顔が見られれば幸せだったのに
「嫌ね、わたしってば泣く事しかできないもの。」
「泣きたいときに泣かないのは馬鹿がすることだと思うけど。」
さぁ、ここは剣が舞う劇場 劇場は満員
嘆きの声がこだまする
「何、やってるの?やめて、やめて――!!」
さぁ、けじめをつけよう うずもれた時間
その穴を埋めるため僕たちはやめない
「これは俺たちの。」
「けじめをつける戦いだ。だから――。」
「「やめられない、どちらかが死ぬまで!」」
見守るは不死鳥、踊らされる女神に、干渉者が雄叫びをあげる
壊れたマリオネット 見つめる先に今劇場が幕を開ける
さぁ、戦おう己が祈りをこめ
願いのない人間などこの世には居ない
何かを貫き、何か守るため
僕らは武器を取ることをやめない
「させないわ。」
羽に映る未来。変わらない定められた運命。
紅に輝く鳥は、地上に降りていく。
「……とうとう始まるのね。“彼”が運命を変えるために伸ばした“神話”の続きを……」
神は手を天に向けた。
「物事にはすべて光と闇が存在する。そして、人は己の心を守るために必ず仮面を持っている。」
鳥が飛んでいく。
「未来は決められてなんかないわ。きっと変えられる。世界を変えた者たちの血を、意志を引き継ぐ者たちですもの。最後に選ぶのは彼らだけれど。」
鳥は飛んでいく。遥か下界へ。
「本当は私がやらなければならない事。けれど、私には約束がある。世界を変えた者との。」
創造主は眠りについた。力は時として災いを引き起こす。
眠りにつきながら創造主は呟く。
「始まるわ。」
さぁ、始まるよ運命の劇場
願いと真実をその身に隠して
「それは、『喜劇』か『悲劇』か――」
羽が舞う 誘うように――