七夕
………私の世界には、美しく切ない列記とした、行事があるんです!……
七夕
「七夕…とな?」
『はいっ♪7月7日の夜に笹に、折り紙で作った飾り物を付け…短冊に、その人の願い事を書いて笹に吊るすんです。』
「…ふふっ。」
『友雅さん?どうしたんですか??』
「いや…凜音が、あまりにも可愛くてね。」
『からかってるんですか!?////』
「クスッ…。」
此処は、異世界”京”。
私の横に座って夜酒を呑んでいる人は、橘友雅さん。
私が井戸から異世界”京”へ召喚されてから、年上の友雅さんの部屋でいつも一緒に居て過ごす日々……。
今日は、私の世界で言う”七夕”…。
”京”には、”七夕”っていう行事がない。
だから私は友雅さんに、”七夕”を教えている。
「ごめんごめん。」
『天の川…凄く綺麗ですね。』
「そのようだねぇ…。」
『友雅さん…。』
「なんだい?」
『”彦星”と”織姫”の2人が1年に1度だけ逢えるんですよ…。』
「こりゃ…参ったね…。」
『?』
「姫君が、私の横で泣いているではないか…。」
スッ-
ぎゅっ。
『と…友雅さん?』
「どうか暴れないでほしい…。」
『ごめんなさい…。』
「凜音…。」
『なんでしょう?』
「もう少しだけ…君のことを…抱き締めていたいんだ……。」
『えっ?/////』
「いいかい?」
『はい////』
『ありがとう…。凜音……”愛してる”…………。』
『……………///////』
私の…
想い人…
”橘友雅”……