田宮ヤシロのアイロニー
最近、色々しなければならないことが山積みで、なかなか更新できませんでした。
もうちょっと頑張って更新せねば!!
風呂上り、ふと鏡を見ると、ものすごく冴えない外見の男がそこにいた。
俺は今までの人生で、一度もモテたことがない。
自分に自信なんて持てない。
人を纏める力もないし、望月は「いつも皆と一緒にいて人気者だね!」と言ってくれるけど、群れるのは一人が怖いから。
偏差値があんまり高くないこの高校では成績がいいほうだけど、勉強なんて大嫌いだ。
ゲームは大好きだけど、中学時代の親友に裏切られてからは、レース系のゲームはしなくなった。
思い出したくないんだ。中学時代の思い出とか全部。
俺は確かに佐久間に裏切られた。みんなに裏切られた。
でも、俺のほうだって佐久間を助けられなかった。
佐久間は助けて欲しかったのに。みんなだって何かに悩んで助かりたかったのに。
俺はたくさん傷ついてきたから、傷つけるのが怖い。
ちょっとした言動で傷つけるかもって、勘ぐりすぎてしまう。
でも、それ以上に傷つくのが怖い。
傷つけることが怖いのだって、嫌われて傷つきたくないから。
そうするとみんなに話しかけるの怖くなる。
怖くなるのが大人になるということなら、あいつはすごい子供だ。
望月コウミ。
みんなと平等に仲が良くて、いつもにこにこと笑っている。
本人のコミュニケーション能力のため、特別仲が良い友達はぐぐっと減ってほとんどいないが、あいつは他人に話しかけることを全く恐れない。
言いたいことをいつも言う。ときにそれが失礼なことだったりするけれど。
いつもいつもやりたいようになる。その唐突な行動が周囲を驚かせるけど。
でも、あいつが辛い気持ちを抱えているっていうのは本当はわかっていたんだ。
よく望月が自分自身に落ち込んでいるのもわかっていた。
ただ、望月はあまりにも性格に屈託がない。
だから俺もちょっとだけ彼女に思ったことを言ってもいいかな、と思ったのだ。
でも、意外なことに、あいつは俺の一挙一動をかなり気にしている気がする。
いや、俺だけだというのは自意識過剰か。
案外、他の奴らの言動にも傷ついているのかもしれない。
望月本人も結構きついことを言っていたりするが。
はあ。人間って面倒臭いなあ。
俺も望月も、みんな面倒臭い。
ああ。貝になりたい。
周りから見て甘えていると思われてもいい。
貝になれないなら、植物でもいい。
ずっと何もしたくない。傷つくことも傷つけることも。




