入学式
小説なんて書いたことない……
春は騒がしい。
大きな環境の変化が多いこの季節はいつもより騒がしい空気が流れている。
そんなことを考えながら歩いていると、学校についた。
校門の前で足を止めると、
桜の花びらが風に巻き上げられ、服や毛の上に落ちてくる。
鬱陶しくも思いながら花びらを払いのけ校舎に入っていく。
周りの人間が言っている言葉が耳に入ってくる、「獣人だ…」「関わらないように…」「こっちに来ないよね…」
気にしないように鼻で笑いながら、自分の手を見る。
灰色の毛皮に覆われて、鋭い爪と肉球がある手は、人間の手ではなく、獣人の手だ。
全身を毛皮で覆われた人型の動物、それが獣人と呼ばれる存在
日本では50人ほどしかいないらしい。
そして意味もなく、避けられ恐れられている。
自嘲気味に自分の手を見ながら、校舎に入っていく。
校舎に入ってすぐにある受付へ向かう。
「君は…ウェルベル君だね?入学おめでとう」
ウェルベルの顔を見て驚いた受付の生徒の代わりに、教師が1人近づいてきた。
「はい…」
「じゃあ、こっちに来て」
ウェルベルが返事をすると教師は話をしながら入学式の会場への案内をしてくれる。
「実はね、君以外にも獣人を見たことがあるんだ」
「そうなんですね…」
ウェルベルは教師の言葉に短く返事をしながら、教師をみる。
隠すようにしているが、獣人なら感じ取れてしまう、手と声の震え。
ウェルベルは教師との距離を少し空けてついていく。
教師が少し話をするうちに入学式の会場につく。
扉を開けた瞬間、ウェルベルのいつも無気力の半目が見開かれる。
「君の先はあの子の隣だよ」
教師が指差す先には、神獣種特有の威圧感を放つ黒色の毛並みの獣人が座っていた。
ウェルベルの全身の毛が逆立つ。
同じ系譜の獣人だからだろうか、ウェルベルは黒色の毛並みの神獣種の威圧感を人一倍感じている。
「だ、大丈夫かい?」
ウェルベルの様子をみて、教師が声をかける。
「あ…はい…大丈夫です。」
ウェルベルは、ハッしたように元に戻ると、自分の席、神獣種の隣の席に移動する。
近づくに連れて威圧感が増していく。神獣種はウェルベルに気付くと目を少し見開き驚いた様子を取るがすぐに前を向いてしまう。
神獣種の威圧感を受けて、恐れを抱くウェルベルだったが何事も無いように、悟られないように神獣種の隣座った。




