なろう系打ち合わせ会議9
今回のテーマは「売れる作家、売れる本」
瀬能「私、たまに鈴木保奈美の本のテレビ、見ちゃうんですよ。BSでやってる。」
担当「私は和田明日香の家吞み、見ちゃいます。たまたまテレビつけたらやってる率が多くて、ながら見するのに丁度いいんですよね。」
瀬能「あ、分かる。分かる。私も、最初、鈴木保奈美の奴はながら見、してたら、けっこう面白くて、予約するまでもないんだけど、木曜日、22時っていう時間帯が微妙っていうか、絶妙で、見ちゃうんですよね。他の番組が弱いから。」
担当「わかります。わかります。家吞みとか飲食店ロケ番組も、ちょっと多過ぎて、お腹いっぱい目の時、カウンターで本っていう切り口が、聞き流すでも丁度いいんですよね。」
瀬能「BSらしいっちゃ、BSらしい番組なんですけど。結構、面白いゲスト、呼ぶし、切り口もマニアックで、好感が持てます。私、カズレーザーのX年後は必ず予約して見ますけど、X年後もマニアックでホント、好きなんです。むしろ、プロジェクトXよりプロジェクトXなんじゃないかって思ってます。」
担当「話、聞いているだけですけどね。」
瀬能「ラインナップが絶妙で。アニメ番組取り上げたと思ったら、食品だったり、ボールペンだったり。もう、飽きさせないです。年末、ドキュメント72時間の一挙放送みたいに、X年後の関係者たち、12時間一挙放送してくれないかなぁ。最近、再放送が多くて面白くないんですけど、再放送だと分かっていても、見ちゃうんですけどね。」
担当「カズレーザーのあの感じが良いですよね。決して、知ったかぶらない所が。」
瀬能「いやいやいや。X年後の話じゃないんですよ。鈴木保奈美の本屋の番組の話ですよ。いやぁ。あれ、見てると、売れる本を書くって大変なんだなって思いました。」
担当「今更ですか?今更ですか先生。」
瀬能「あの番組、冒頭で、全ジャンルの本の売り上げランキングを発表するんですけど、だいたい、ランキングに入っている本は、何かの賞を受賞した作品が多いんですね。」
担当「当然ですよ。賞を受賞したって事は、売り時って事ですから、出版社も力を入れてコマーシャルしますから。」
瀬能「そうですよね。当然の様に、受賞を宣伝すればさらに宣伝効果が高まり、人の目にする機会が増えます。鈴木保奈美みたいな本だけの番組で取り扱うのは当然の事として、王様のブランチみたいな情報番組でも宣伝しますから、更に、売れますよね。本屋に行ったって、平積みされていたりすれば、知らなくても、売れているのかと手に取る人も出てきます。だから売れます。そして、ランキングに載ります。
でも、思うんですよ。」
担当「なにがでしょうか?」
瀬能「今の出版社のやり方。売れる時に、もう、刷るだけ刷って、あとは知らない。って、多くないですか?」
担当「どういう事でしょう?」
瀬能「ですから、逃げ切り先行って事です。何か賞を受賞した売れる本。売れる本は、とにかく重版をかけて売る。そして、売り上げが横伸びしてきたら手を引く。・・・長い目で見ないですよね。刷って、濾すって、それっきり。・・・ひどくないですか?」
担当「先生。それは、出版業界だと、昔から、普通の事ですけど。何か問題でも。」
瀬能「そうかも知れないですけど、そのサイクルが酷くないですか?もう極端に短い。刷るだけ刷って、あとは知らない。だから、大量に古本屋に、並ぶんです。作家にしてみたら、いくら古本屋に並んで、売れようが、印税、入ってきませんから。古本屋で売れたって、何の得にもなりませんから。」
担当「先生、それは、もう、ずっと以前から言われている事ですし。古本業界っていうか、音楽CDもそうですけど、リサイクル市場との兼ね合いは。・・・最近は、リサイクル市場の方が、大手を振っている感じも否めませんが。まぁ。ですから、出版社も、最初から多く刷らない。出回る数を少なく調整している傾向はありますよ。数が少なくなれば、本自体を高く設定しても売れますから、出版社の利益になりますので。」
瀬能「そういうカラクリ?」
担当「作家先生は、リサイクル市場で売れても利益にならないと、そっちを突き上げていますから、問題の本質が、ちょっとズレちゃっているのも確かです。作家、出版社、そして中古市場を包括的に検討していかないと糸口が見つからないハズなんですけどね。ただ、中古市場は直近の課題ですから、作家先生も黙って見過ごすわけにもいかないんですよね。そこを、漁夫の利で、出版社が粗利を稼ぐと。」
瀬能「セコいやり方ですね。」
担当「別に、本の単価を上げるのは違法じゃないですから。読みたい本が高いだけで。値段設定は自由なはずですし。本が高ければ、それに応じて入ってくる印税も、還元されるはずですし。喫緊の課題の、中古市場に流れる量も少なくなる。と、理論上ではそうなるはずなんですけど、はい。」
瀬能「そこで損するのは、買い手ですよね。読みたい本が高い、高いから読めない。読書離れ、読者離れが進むと。もう、悪いスパイラルです。」
担当「でも先生。そこに登場したのが、電子書籍じゃないですか。電子書籍なら、書籍より、少し、安い価格で、作品を読めます。」
瀬能「そこがミソなんですよ。今の多くの電子書籍、あと、音楽やビデオ。あれって、権利を買っているだけで、売っている所がサービスを終了したり、倒産してしまったら権利が失効しますから、読めなくなってしまうんです。あれは酷いです。買っているのに、読めなくなるって。」
担当「あくまで権利を売っているだけですからね。ずっと読みたいと思ったら、現物を購入するしか手段はなくなります。」
瀬能「マンガ図書館のサービスがはじまった当初は、懐かしい作品があって、無料で読めるから読んでいましたけど、あれ、プログラムもバカだし、デバイスに依存するし、古いPCで覗いた日にゃ、まるで読めませんでしたよ。スクロールする度に、どっか行っちゃって。無料には限界があるな、と感じた日々でした。」
担当「こういう言い方は、時代錯誤ですが、出版社は慈善事業でやっている訳ではありませんから、売れる時に売って利益を出すのは当然です。加えて言うならば、本を買った人間が、読み終えた後、古本屋に売ろうが捨てようが、そんな事は知りません。作家を、生かさず殺さず生殺し。それはもう、昔から言われている事ですよ。」
瀬能「結局のところ、作家業であれば、売れる本を書け、という所に辿り着くわけですが。
そもそも今回、私が主張したいのは、こっちが本題なのです。作家も、永久欠番にならないと、食っていけないって話です。」
担当「作家の永久欠番?」
瀬能「有名の更に上。知ってて当然。例えば、”さ”行にまとめられるんじゃなくてちゃんと一ジャンルとしてタグ表記される作家にならないと、食べていけないという事です。”瀬能杏子”というタグがなければダメって事です。」
担当「西村京太郎みたいな?」
瀬能「逃げ切り先行で、刷れるだけ刷って、一生、遊んで暮らせるだけの印税を確保できるならいいですよ?それでも、次の年、税金で半分もっていかれてしまいますから、そういう売り方もどうかと思いますけど、それでも、売れないよりは売れた方が良いと思います。しかしです。
いっとき、売れたからと言って、読者に忘れ去られてしまったら作家として終わりじゃないですか。芸能人が、副業で本を書いているならいいですよ?本業、お笑いタレント。副業、作家。いいですよ、他で食っていけるなら。本が売れなくなっても痛手が少ない。けど、作家一本でやっている真の作家は、それじゃあ困る訳です。本を、長い目で、計画的に、継続的に、刷ってもらわないと。・・・まぁ。面白い本なら、そんな懸念がなくても、ずっと刷ってくれますけどね。」
担当「たしかに。」
瀬能「我々、作家が目指す所は、図書館に並ぶ事です。できれば学校がいい。・・・図書館制度の問題はまた次の機会で語りますが、図書館に置いてあれば、永続的に、作品を読んでもらえる機会を得る事が出来ます。そして、作家自身を知ってもらえる事が出来ます。
最初、スニーカーのラノベ。スニーカー文庫は当初、ラノベなんて言われていませんでしたけど、中高生向けのティーン小説なんて呼ばれている時期もありました。・・・ラノベです。もう、ラノベの大家です、コバルトと一緒に。そのスニーカーではじまって火がついた涼宮ハルヒ。あれ、いま、児童文学レーベルで売られているんですよ。スニーカーと別系統で。」
担当「中身は同じなのに、販売店が違うという事ですね。自動車の販売系列店が違うと、車種名が変わる、アレと一緒だ。」
瀬能「そういう事です。単純に2倍、売れますよ。読まれるターゲットが違うし、レーベルも違いますから。売れている本は、そういう児童文学向けに作り直していますからね。もう、児童文学なら図書館に置かれますから、半永久的に、涼宮ハルヒが読まれ続けることになるでしょう。
SFっちゃSFですからね。時かけの隣当たりに並んでますよ。」
担当「筒井先生は永久欠番ですから、ま、当然でしょうけど。」
瀬能「永久欠番問題で更に言及するとですね。我々、中途半端な作家陣が困るのが、作家を続けているのに絶版問題です。図書館でいえば閉架行き。
昔、人気だった作品があると知って、今の読者が、その当時の作品を読みたいとします。でも、刷ってないので、読めないのです。作家は活動しているのに、絶版。読みたくても読めない。これ、本当に、どうにかして欲しいですよ。私、なんども、泣いた記憶がありますもの。ああ、読者としてですけどね。もう世に出回っている物は、刷ったものの残りもの。アマゾンの倉庫にホコリをかぶっていれば、まだ、読めますけど、絶版の本は、たいがい、古本屋で出て来るのを待つしかありません。最近の古本屋だってバカじゃないから売れる本しか売りませんよ。マニアックな本なんて買い取りしませんよ。たまに、ネットオークションで出れば、売る方も分かっているから、高値で売る。・・・負のスパイラルです。」
担当「かと言って、売れない本を刷るわけにもいかないですし。」
瀬能「図書館とかにも本棚に限りがありますから、人気が無い本はすぐ閉架に行ってしまいますが、まだそんなに古い本でもないのに閉架にあると、悲しい気持ちになりますよね。
私、思うんですけど、昨今のなろう系の書籍。あれ、10年もしない間に、古本屋からなくなると思います。古本屋でも買い取ってもらえなくなると思います。一時のブームだと私は思っています。だから、自治会の不用品回収コーナーで、段ボールとか新聞紙とかあるじゃないですか。古紙の収集。あれに大量に出回ると思うんですよね。なろう系小説。
みんながみんな、村上春樹じゃないから、ハードから文庫。文庫も、カバーをかけかえて再販を繰り返すことなんて、あり得ませんから。」
担当「・・・本も生き物ですから。」
瀬能「もうちょっと出版社も、出版不況とかなんとか言われているんですから、考えて、作品を売っていかないと、作品が育たない気がするんですよね。作家より作品の方ですよ。作家の名前より、作品名の方が有名な作品なんてごまんとありますから。むしろ、本が売れるなら作家の名前なんてどうでもいいですし。」
担当「鈴木保奈美も出版不況について嘆いてましたね。あの人、本当に本が好きなんでしょうね。」
瀬能「番組の感想になりますたが、テレ東系なんで日経なんですよ。だから固いんですね。一回、宇垣が出てたんで見ましたけど、宇垣、浮いてましたね。」
担当「・・・宇垣総裁ですか?元TBSの。」
瀬能「宇垣、語りだすと早口になるんで、だいたい分かるんですよ。せっかく、作品を読み込んでいるのに、良さを殺しているという。熱意は伝わりますよ、宇多丸の番組で、それは十分に分かっているんで、宇垣のキャラクターは。でも、鈴木保奈美の番組では、たぶんガッツリ喋っていたのをそれをガッツリ切られてましたね。あははははは。ま、可愛そうでしたけど、面白かったです。浮いている宇垣が。
そう。筒井先生なんですけど、そのカズレーザーが、MCになって、BS漫画夜話ならぬ、BS筒井康隆夜話。」
担当「100分で名著ですね。」
瀬能「そう、それ。あれ、面白かったですね。完全永久保存版でした。宇多丸の番組ファミリーが二人も出ていたので、かなり、カオスで良かったです。」
担当「SF協会の池澤先生と、きくちなるよし。」
瀬能「きくちなるよしは漢字表記かひらがな表記か不明なんですけど、粋な毒電波は面白かったですね。
NHKなのに、バキュンバキュン、放送禁止用語を言っちゃってて。まぁ、たぶん、性癖的なプレイの話をしていたんだと思いますけど、池澤春菜も顔色変えないで応酬してましたからね。カズレーザーも引かないし。最高でした。また、BS作家夜話やらないかなぁ。あの中に、オタキングを入れても、面白かったと思うんですよ。人を引かせる天才ですから。話が微妙に嚙み合わなくて、更に、見ている方は面白くなると思うんですけどね。やらないからなぁ。」
担当「カオスですね。」
瀬能「100で名著で紹介される作家にならないと。」
担当「ラノベから、ハードカバーの作家に転換されていく方、けっこう、いますよね。」
瀬能「とりあえず、瀬能は天下を取りに行く、と。」




