なろう系打ち合わせ会議6
瀬能さんとなろう系小説担当者の会議。今回のテーマは「売れるには美少女キャラクターをいっぱい出さないといけないのか」「アイドルアニメの中の人」
瀬能「最近のなろう系アニメは、90年代のハーレムアニメより酷いですね。女の子ばっかりじゃないですか?」
担当「まぁ、そうですね。」
瀬能「あれですか?女の子、いっぱいじゃないとダメなんですか?」
担当「うぅぅぅぅぅん。女の子のキャラを出さないと見てもらえないんで。」
瀬能「聞きましたよ。とある、能力系のバトルアニメ。本編じゃなくてスピンオフの方がアニメ化されるらしいじゃないですか。女の子が主人公のやつ。」
担当「とある、って言っちゃてるじゃないですか、先生。」
瀬能「女の子ばっかりの方。」
担当「女の子ばっかりっていう見方もありますけど、ハネてますからスピンオフの方が。ハネてる方をアニメ化するのは順当な選択だと思います。原作の先生にしてみれば、本編だろうとスピンオフだろうと、同じですからね。」
瀬能「でも、ほら、原作者はそうかも知れませんけど、キャラクター描いた人のロイヤリティとか、変わってくるでしょ?いやらしい話。」
担当「キャラクター原案だと同じですけど、コミカライズされていると、本の売り上げとか、そっちが変わってきますからね。昨今の傾向だと、スピンオフ事にキャラクター原案っていうか、作画の先生を変えている場合があります。競争ですよ。」
瀬能「とある、あの作品に関してはどうしてあんなに、人気の差がついてしまったのでしょうねぇ?」
担当「アニメにした時に、ちゃんと終わらせていたからだと思いますよ。本編の方はエピソードがダラダラしていて爽快感がなかったですけど、レールガンの方は、王道少年アニメでしたから、見ている方も気持ちが良く、単純に面白かったのだと思います。」
瀬能「原作だけ読めば、本編の方が、王道バトルもので、面白いんですけどね。アニメになった時、それが再現されなかったのが残念でしたけど。ええっとですね。本来なら、ダン・ブラウンのアレと一緒なんですよ。世界を股にかけて、謎の宗教組織や秘密結社と戦う、王道バトルだったんです。どうしてトム・ハンクスに出来て日本のアニメであれが出来なかったのか、それが非常に残念です。いや、むしろ、上条さんをトム・ハンクスがやったらウケるのか?」
担当「ウケないですよ、なんで、あんなハゲのオッサンが高校生にならなきゃならいんですか?」
瀬能「ほら。フジの金曜2時間ドラマ発のリングが、アメリカに輸出されたじゃないですか。日本のアニメをハリウッドにリメイクですよ。」
担当「いや。先生、冷静に考えてみて下さい。アメリカ、ヨーロッパのオカルト映画を逆輸入したのが、とあるですから。かわいらしいキャラクターで騙されていますけど、エピソードを一つ一つ見てみれば、あれ、これ、どこかで見た映画だなぁって思うと思うんですけど。」
瀬能「ああ、そう言われてみれば、モンティパイソンやら世にも不思議なアメージングストーリーで見たような気もします。」
担当「オッサンより可愛い女の子の方が、ウケが良いんです。」
瀬能「女の子ばっかり。もう辟易するほど女の子ばっかり。ほら、一時期、おっさんの趣味を女の子にやらせるアニメが流行ったじゃないですか?軽音部から始まって、キャンプ、登山、麻雀、筋トレ、車、バイク、サウナ、もうなんでもアリですよ。若い女の子がサウナなんか入って気持ちよくなっている訳ないじゃないですか。・・・あのぉ、女ばっかりは、若い女の臭いが、気持ち悪いんですよ。若い女、独特の臭いが。いわゆるフェロモン臭って奴ですけど。女が集まり過ぎると、苦手な人は気持ち悪くて吐き気を催すと思いますよ。」
担当「あ、そうなんですか。私、経験がないんで。」
瀬能「アニメで見ている分には良いですけど、現実世界だったら、考え物だと思います。女ってそんなに良い臭いじゃないですから。」
担当「ああ、そう言えば、女性グループのアイドルの楽屋とか、けっこう凄いって話は聞きますね。」
瀬能「ハタチ超えれば自分の臭いが収まりますけど、今度は、もう、空気が汚染されるくらい香水やら化粧水やら、化学物質の臭いで充満しますから、あれはあれで耐えられません。女性グループになれば人数が増えますから、強烈ですよ。一人一人、違う臭いの化学物質をつけますから。空気清浄機がぐるんぐるん唸りっぱなしだとか。」
担当「オッサンの臭いと、女性の臭いは、ベクトルが違いますからね。でも、何故かオッサンだけ臭いって言われるのも納得がいかないです。」
瀬能「オッサンは臭いです。それは認めるべきです。ただ、女が臭くないっていうのは幻想です。・・・私がイマジンブレイカーで女の臭さを世間に知らしめていきますよ!」
担当「・・・先生、がんばってください。よく分かりませんけど。」
瀬能「それはそうとですね、頭がおかしいくらい、美少女ばっかりじゃないですか。百歩譲って女のキャラが主人公なのは分かります。男の主人公で、まわり全部、女って、異常だと思いませんか?それも全部、キャスティングが違うんですよ。おかしくないですか?1話にセリフが2言、3言しかなくても、キャスティングが違うんですよ。それだけの為に起用しているんですか?どれだけ金、持っているんですか?製作側は?」
担当「先生、あれ、別撮りですから。まとめて撮っちゃうんですよ。サザエさんとかアンパンマンと違って。」
瀬能「知ってますけど。知ってますけど、昔のアニメみたいに、一人で沢山、声、充ててもいいんじゃないんですか?全部、山寺宏一パターンで?」
担当「それもどうかと思いますけど、ほら、今は、アニメで売るよりも、既に原作が売れているものをアニメ化しますから、原作好きの人と、声優好きの人を取り込んでいるんですね。」
瀬能「いわゆる声ブタ」
担当「いやいやいや。声優ファンです。声優を応援してくださっているファンの方。ですから、人気のある声優をキャスティングすれば、中身がスカスカなクソアニメでも見てもらえるんです。売れるんです。」
瀬能「たまぁ~に、声優の皆さんが可愛そうになるくらい、アニメーションがクソなアニメ、ありますよね。作画が良いのに、動画に起こすと、とたんに死ぬやつ。動画も技術ですからねぇ。そもそそも作画がダメな奴も多いですけど。」
担当「どうせ円盤で売るんですから、動画にはお金かけてもらいたいものですけど。」
瀬能「私、深夜でやっている、魔法使いものの2を見ているんですけど、東映の。思い出は綺麗なままが良かったです。あれはやらなかった方が良かった。脚本もアニメも、なんであんな事になってしまったのか。キュアップラパパ、私の綺麗な思い出を返してぇぇええええ!朝の新作の方が出来が良くて、寝る時間がないですよ!キュアップラパパ、私の睡眠時間を返してぇええええええ!」
担当「確かに、なんでもかんでも美少女にする傾向があるのは、売れる事を見越して、それが見えちゃって、冷めてしまう部分がありますよね。」
瀬能「あの、敵幹部で、生意気言っている若い女の子、ぐらいならまだ許せます。すぐ死ぬか、主人公に助けられて改心するパターンだから。でも、ほぼラスボスで、主人公がボロボロになるくらい強いキャラに美少女キャラがいるっていうのは、おかしいと思うんですよ?何でもかんでも美少女で。ラスボスまで美少女。おかしくないですか?千葉にある東京なんとか遊園地を見習って欲しいですよ。みぃ~な、悪役が悪役らしくって。美少女のラスボスなんかいないですよ!・・・びっくりしました、普通に強キャラが美少女で。オッサンにため口たたく美少女に。」
担当「オバサンがラスボスなのは分かりますが、美少女がラスボスってうのも、確かに、冷めますね。」
瀬能「ロードス島のダークエルフ。美少女ではないですが、強美女キャラの走りですよ。それがいつの間にか、美少女に。戦犯はセーラームーンですか?プリキュアですか?」
担当「美少女がアクションするアニメは、ウケがいいので。時代の流れで仕方がないとは思いますけど、これまでの物語の流れを汲んで、ラスボスに見合うキャラが美少女なら、話を壊さずに済むとは思うんですけどね。」
瀬能「そんなキャラが描けるわけないじゃないですか?・・・敵も味方も可愛いけりゃなんでもいいんですよ、売れるんですよ、とどのつまり。」
担当「身も蓋もない。そうです。絵が可愛くて、声が人気のある声優なら、アニメがハネるんです。これは紛れもない事実で、歴史が証明しております。」
瀬能「そういえば、コナンも、声優陣が女ばっかりですけど、・・・あれは、ハネませんね?安定し過ぎているから。」
担当「大ベテランばっかりですからね。気が付けば大ベテランばっかりで、他の現場に比べれば若い方らしいですけれども。還暦中心ですから。」
瀬能「ラン姉ちゃんの山崎さんなんか、サンジャポのナレーション、あれなんでやっているのか不思議ですし、薬局だかスーパーの店内アナウンス広告もやってますよね。あれ、スーパーの社長がパトロンか何かなんでしょうか?お店に行く度にラン姉ちゃんの声が聞けてお得ですけど。お肉の特売日だとかスピーカーから流れてきますよ。心配なのは園子の松井さんですけどね。くりぃぃむれもんの頃からお世話になってました。」
担当「反対に言えば、いつの時代も、男性声優は、不遇が続いているという事でしょう。」
瀬能「90年代から続く、美少女ハーレムアニメの影響で、主人公男性1名、他、全員、女っていう現場だと、椅子は一つしかありませんからね。椅子取りゲームすら出来ない状態です。下手したら、女性声優が、主人公の男キャラに声を充てる事だってありますからね。ナルトみたいに。椅子がゼロですよ、ゼロ。ハーレムアニメが人気があるうちは、男性声優は不遇の時代が続くでしょう。」
担当「その男の主人公キャラにしたって、人気のある男性声優を起用しないと、やはりウケないんですよ。男性ファンも、好きな男性声優がいますから。」
瀬能「え?・・・」
担当「性的な目でみるとかじゃなくて。」
瀬能「安心しました。」
担当「最近は声優も顔出しでバラエティ番組に出る時代ですから、市民権をかなり得たと思いますが、諸刃の剣で、狭い業界で世間に出なかったスキャンダルも、今や世に出る時代になりました。人気が出るのも致し返しですね。声優が文春でスキャンダルされる時代ですからね。変われば変わるものですよ。」
瀬能「アムロの声もそのうち変わっちゃうんでしょうかねぇ。年齢的なものもありますけど。」
担当「コンテンツの新陳代謝のタイミングと、スキャンダルが偶然一致しちゃった、そんな所じゃないでしょうか。」
瀬能「いや、ほんと、生身のアイドルならスキャンダルは仕方がない所もあるかと思うんです。人間ですから。ただ、こういう二次元のアニメやゲームのコンテンツで、絵に声を充てているだけの俳優ですよ。その俳優が、スキャンダルを起こすと、キャラクターにダメージが行き、引いては、コンテンツ自体もダメージを喰らうって、冷静に考えたらあり得ない事だと思うんですよね。声ですよ。声。キャラクターそのものが不倫とかする訳じゃなくて、声。中の人が、スキャンダルを起こすと、それがコンテンツビジネスにマイナスに働く。これって、運営側としては相当、リスクマネジメントが大変なんじゃないかって思うんですが。」
担当「声優というタレントが市民権を得てしまったから、もう、キャラクターの中の人っていう括りには戻れないと思います。ちょっと前までは、一部のアニメオタク、声優オタクだけが応援していたのですけどね。あれと一緒ですよ。歌謡曲、演歌の歌手と。地方のイベント、どさ回りで、テレビには出ないけど熱狂的なファンがいる歌手。売れない間は問われないものが、売れた途端に、色々契約契約でがんじがらめになりますからね。」
瀬能「人前に出るお仕事をされている方は、不道徳な事をしない方が良いって事ですよね。」
担当「特に今、リスクマネジメントを行っているのが、声優アイドルですね。あれは、メンバーと言いますか、人数が多いから、予想以上にしんどいと聞いています。」
瀬能「声優アイドル?アイドル声優じゃなくて?」
担当「ほら、先生。視聴者がプロデューサーになってアイドルを育てるゲームとか、高校生アイドルグループを育成するとか、バンド活動をしている女子高校生を応援するとか、いっぱいあるじゃないですか?」
瀬能「ああ、ええ。」
担当「あれってキャラクターを作りますよね。大勢。それで運営が、せーの、どんで声の担当を決めているのならいいんですけど、下手にオーディションなんかした日には、キャラクターごとに声優が充てられるんですけど。そこまでは分かります。事務所単位で、配役されているなら管理は楽なんですけど、売れる声優を使いたいもんだから、事務所がバラバラで、声優の管理が予想以上に負担らしいです。ギャラとか、そういうのも含めて。・・・声優オタクの皆さんは、全部、チェックしてますから。事務所が把握していないスキャンダルも、オタクの皆さんはファクトチェックしていますからね。」
瀬能「そのアイドルアニメの声優も、ギスギスしているみたいですね。ほら、いつまでも同じメンバーじゃ売れないから、メンバーが卒業したり、入れ替えたり、二期生募集したり。・・・浅ヤンかよ!」
担当「浅ヤン。しばらく耳にしてなかったですけど、浅ヤンスタイルですね。」
瀬能「モーニング娘。の二期生加入の時のギスギス感はハンパなかったですね。特に中澤さんが。女って、すぐ派閥つくりますから。その浅ヤンをアイドルアニメでやっているんでしょ?本当、コンテンツビジネスっていうのは何年おきかの周期でぐるぐる回っているんですね。これはもう、オタクは広告代理店に搾取され続ける宿命なんでしょうか。」
担当「アニメでも人間でも、リアリティショーなんですよ。そのリアリティショーで、ギスギスしたり、仲間と共に奮闘したり、助け合ったり、そういう人間ドラマを返して、応援する」
瀬能「広告代理店に、出来上がった臭っさい芝居を見せられて、いかにもお涙頂戴な分かりやすい感動ドラマを演出して、金を巻き上げていくんですよ。奴等は。・・・いやぁぁああああ、私達は、手のひらの上で踊らされている事にも気づかず、お金を貢いでいくんですね。」
担当「アイドルさん、声優さんを応援する対価が、お金です。我々はありがたくお布施するしかないんです。ありがたや、ありがたや、スキャンダルがなく終わってくれたらありがたや~」
瀬能「キャラクターの中の人まで追っかけないで、純粋にそのコンテンツだけを楽しみたいものです。」
担当「本来のアニメ、ゲーム、いいえ。芸能全般ですけど、コンテンツと客の間には元来、見えない壁があるはずなんです。夢の中のお芝居なんだから、それを楽しむべきなんです。役者がどうのとか、言い出すから、コンテンツに水を差されちゃうんですよ。」
瀬能「関西の少し外れた所にある、歌謡ショーをやっている歌劇団がありますけど、ショーとかレビューより、もう役者ありきのビジネスモデルになってしまいましたからね。ちょっと前に音楽学校内のしきたりだか伝統でスキャンダルになりましたけど。」
担当「悲しいのが、ブームが去り人気が低迷してくると、出せば売れたグッズが、中古リサイクル店の山積み雑貨コーナーに、投げ売り状態で山になっているのを見た時ですね。価格が10円とかそいう値段があってないようなもんで、人間は熱が冷めた途端、命より大事とか言っていた物をいとも容易く捨てられるんですね。」
瀬能「それは私も見ますけど、缶バッチとかキーホルダーとか、ゴミ同然で置いてあると悲しい気持ちになります。あれを見ると、金をふんだくれるだけふんどかないと商売にならないのかと思います。ただ。怖いのが、たまに、人気がなくなったと思ったのが、何年か後に再燃して、レア商品になってしまったりする時です。北原照久あたりがやっている商法ですよ。あの時、手放さなければ良かったと後悔するんです。」
担当「オタクはあらゆる所から搾取されているんですね。怖い。」
瀬能「やはり売れるコンテンツにするには美少女キャラクターを増産するしかないんですね。美少女キャラを増産してオタクから搾取していきましょう。」
担当「ただ美少女っていうだけじゃダメなんですよ。こう、ツボに入る美少女キャラクターじゃないと。」
瀬能「人のツボは分からないです。週刊少年誌ですら、ヒロインを複数用意して、一人に絞らないビジネスを展開しています。あれ、本当、よくないと思うんですよ。各ヒロインにオタクがファンでつくから、五人いたら五倍、収益が上がるシステムです。よろしくないですよね。」
担当「しかも、正史とは別に、ちゃんとヒロインごとにシナリオ、作りますから。誰も損しない仕組みになっています。あえて損をすると言うならば、オタクの皆さんでしょうか。お金、巻き上げられますからね。」
瀬能「ちなみに、この作品。いずれ声がついたり、動きがついたりした時の為に、イメージCVを考えておりまして。」
担当「はぁ。聞かせていただきましょう。」
瀬能「やはり私の声は、碧ちゃんがいいなと考えておりました。私、スットンキョーな性格で、行動もスットンキョーなものですから、それを演じられるのは碧ちゃんしかいないと思っていました。ですが90年代アニメでお世話になった、元祖濁点声優、鈴木真仁さんか、永遠のロリ声、山本百合子さん、ぶりっ子声の、椎名へきるさん。こちらの三名が妥当かと思いまして審査を行いました。誠に勝手ながら。」
担当「先生、思うのは自由です。」
瀬能「厳選なる私の審査の結果、
ダ~ラダラダラダラダラダラダラダラダラダラ ツクダ ドン!
私の声は、椎名へきるさんに決定いたしまた!もう余裕で脳内変換されています。椎名へきるの声で、罵っているかと思うと、萌え~ですね。ぼぇ~です。」
担当「っていう事は先生、私の声も、イメージCVがいるという事でしょうか。」
瀬能「・・・」
担当「・・・」
瀬能「困りましたね。」
担当「・・・困りましたね。」
※本作品は全編会話劇です。