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9.兄妹サンド

10分後。


俺と少女…ヴィヴィアンは、2人で風呂に入っていた。

バスタブは入浴剤で泡まみれになっており、微かに甘いバニラの香りがした。


今は俺は女…自分に言い聞かせるが流石に直視できず、ヴィヴィアンから目線を逸らす。


「えぇと、……とにかく、さっきはごめんなさい。」

「気にしなくていいって!…お兄ちゃんが勝手に脱衣所に入ってきたのが悪いんだから。」


ピンクの髪を、浴槽に浸からないよう団子にまとめたヴィヴィアンは口を尖らせる。


実際には脱衣所まで入ってきたわけではないのだが、あいつならやりかねないと思ったので黙ることにした。


仮にも彼女の兄を蹴り飛ばした俺より、レヴィンのデリカシーのなさにヴィヴィアンは怒っているようだ。


「いや、すまない…確かに配慮が足りなかった。」


会話が聞こえていたのか、レヴィンが外から答える。


「だからあっち行ってって!もう!」


まあ、レヴィンがヴィヴィアンのいる脱衣所に気にせず入ってきたのは、2人が家族故だとわかったので、彼への評価はすこしだけ上げることにした。


「ええと…改めて、俺…私はリヒト。あなたのお兄さんに助けられて、体が汚れたからとここに連れ込ま…連れてきていただきました。先ほどは王家の方とは知らず、失礼しました。」


レヴィンの妹ならば彼女も王家の人間だ。先の比例を謝罪すると、彼女はにっこりと笑って、俺の頬の泡を払った。


「!!」


距離が縮まり、体が硬直する。


「そんなこと全然気にしなくていいのに!」


彼女は更に俺に抱きついた。


「お兄ちゃんは第3王子だけど、私は正妻の子じゃないし、末っ子だから王女なんて柄じゃないもん。ただのヴィヴィアンとして仲良くしてね」


「は、はい…」


それにしても王家の人間がこんな場所にいても大丈夫なのか?疑問に思って聞くとヴィヴィアンが答えてくれた。


ここはレヴィンとヴィヴィアン…2人がよく利用するレストランの2階らしい。


王家の中でも変わり者扱いをされていた2人が家を抜け出すたびにここに隠れていたのだとヴィヴィアンは懐かしそうに笑った。


心を落ち着かせてヴィヴィアンと雑談を始めたが、やはり胸に視線が行きそうになるのをなんとか止める。


…それにしても、自分のそれも小さくないとは思っていたが…全くサイズが違う。泡だけを隔てて2人の胸が触れ合っているのを直視できず、ヴィヴィアンの瞳を見つめた。


「…てか、さっきお兄ちゃんに抱きあげられて歩いてたよね?私上から見てたんだ〜!」


彼女はニヤリと笑って、俺の耳元に口を近づけた。


「もしかして、イイカンジ…!だったりして?」

「は、はあ!?…いや、むしろ…」


俺は中身は男なんだからむしろ…ヴィヴィアンのこの距離感に耐えられそうにない。


「ほらぁ、素直になっちゃえよ〜〜」

「ひっ!?…ひゃぁ…」


耳元で囁かれ、思わず上擦った声が漏れる。

顔を真っ赤にしていると、ヴィヴィアンが耳に触れて笑った。


「真っ赤になっちゃって…可愛いにゃあ?」

「や、やめてよ…」


入浴剤のバニラの匂いで頭がくらくらした。


あ、…この匂い、覚えがある。


ーーー「そこまでだ!」


レヴィンに助けられ、抱き上げられた時。

同じような匂いがした。


認めたくない…あの時は少しだけかっこよかった、だなんて。


彼もこの風呂を使うことがあるのだろう。


抱き上げられた時にも感じた、バニラの香りだ。


なぜか顔が熱くなる。

…これはヴィヴィアンに密着されているからだ。そう自分に言い聞かせた。


「…うぅ…」

「大丈夫?真っ赤だよ!もみもみマッサージしてあげよっか?」


…これは普通なのか?もしかしたら兄妹揃って変態なのかもしれない。

リヒトはため息をついた。


「てか、リヒトは戸籍ないんだよね?まあ発行できなくもないけど…まずなにかギルドを目指したら?」

「ギルド?」

「うん。戸籍なくても入れるし、別に危険なギルドじゃなくても、採集とか、商業とかそういうギルドでも依頼を受けやすい。まあ、テストに合格しないと入れないけどね。」


全く知らなかった。「リヒト」も街から出ることがなくしらなかったのだろう。


「リヒトは何かスキルある?料理とか…まあ、これから練習すればいいと思うけどね。」


…スキルってどう見るんだ。

そう考えた瞬間、目の前に青い板のようなものが現れた。どうやら考えるだけで見ることができるらしい。


「どれどれ」


ヴィヴィアンが覗き込む。


「スキル…モブ?」

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