6.下心?
「このロリコっ…レヴィンっ…王子!血が垂れているので、一旦!離れて…くだ、さい…!」
「すっすまない!だが君が退いてくれないことには…あっ当たって…」
地獄絵図が出来上がってしまった。
なんとかレヴィンを引き剥がし、絡み付く油を跳ね除けながら立ち上がる。
「はぁ…はぁ…」
しかしこいつ正気か?いくら若い男子とはいえ12の…しかもガリガリのガキに興奮するのか…
主人公に相応しいとか一瞬でも思った俺の信頼を返してくれ。
それにしても…ひどい汚れだな…
自分の体を見下す。
ただでさえ薄汚れて、あちこち破れた服は、さっきの騒動で油まみれになっていた。
しかもさっきの喧嘩であちこちにできた切り傷に、冷たい風が染みてヒリヒリと痛む。
よく見ると、レヴィンの高級そうな装備も油でギトギトになっていた。
これ…弁償とか言われないよな?
あまり長居せず逃げよう。そう決意した俺は引き攣った笑顔を浮かべながらじりじりと後ろに下がる。
「じゃあ俺…私はここで。ありがとうござい…ひぃっ!?」
立ち去ろうとする俺の腕をロリコン王子…もといレヴィンが掴んだ。
「さっきの勇者にやられて大怪我をしてるじゃ無いか!それにその服…ずいぶんと汚れてしまった。俺の責任だ。」
「え?いやぁ、そんなに気にしなくとも…」
なおも立ち去ろうとするが、レヴィンの力は強く、ぴくりとも動かない。
「怪我の手当てをして、風呂と新しい服を用意しよう。俺の馴染みの場所があるんだ。案内する。」
「いや…急いでるので…」
冗談じゃない。断ろうとしたが…なぜか周りの大人が目を輝かせている。
「あんた、その服ずっと着てるでしょ!せっかくレヴィン王子が用意してくださるんだから貰っておきなさい!」
「そうよ!この街にろくな医者なんかいないんだからちゃんと治してもらって!」
みんな…
記憶が戻ったのは最近だが、「リヒト」が周りの大人に助けてもらった恩は覚えている。
街の大人は俺を心配してくれているんだろう。
…だが…っ!
幼女である俺がロリコン王子に風呂に入れられようとしていることをもっと心配してくれ!
「い…いやだ…」
おばさんたちに助けを求める。
「何、あんたが不安そうな顔するなんて珍しいね。レヴィン王子は私らにもずっとよくしてくださってるんだからちゃんと言うこと聞きなさいよ!」
…王子はどうやら街からの信頼も厚いらしい。
八方塞がりだ。
「で…でも……うわ!?」
なんとかこの場から去る言い訳を考えているとレヴィンに丁寧に抱えられた。
「じゃあ、行こう。」
爽やかな笑顔も今や下心にしか見えない。
誰かっ…!俺の貞操を守ってくれ!
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