第15話 Cランク冒険者との勝負
「ふわぁー。」
さすがに疲れているのに本を読むのはダメだった。
疲れが残っている。
今日は冒険者ギルドに行く予定だ。しかしご飯を食べてさらに眠くなってきた。
とにかく行くか。レッツゴー。
「地図」
この街のギルドはここだね。
相変わらずこの男性冒険者たちばかりの空気には慣れない。
すると昨日絡んできた冒険者たちを見つけてしまった。
無視無視、私は悪くないですし。すると案の定。
「昨日のお嬢ちゃんじゃないか。」
「随分と俺達に対して失礼だったな。早く勝負しろ!」
鬱陶しい。この街に居続けてずっと絡まれるのはあまりにもだるい。
「分かりました。私が勝ったら今後一切関わらないでください。」
「いいぜ俺達が勝つからな。俺達はCランク冒険者だからな。」
この場ではいろんな人が話を聞いている。そんな約束していないなんて言わせない。
そういえば私のランクってDだよね。不利なのでは。
まあいいやとにかく倒すしかない。受付の人に対戦場に案内してもらう。
「あのクラカスさんはCランク冒険者で実力だけはあるんですよ。」
「ユメカさんはDランクですし、大丈夫ですか。」
善意で言ってくれているのは分かるが、私は絶対に勝つ。
ここで負けたら終わるも同然。勝つ以外はない。
「やっと勝負する気になったか、でも悪いが俺が勝つぜ。」
「貴方達みたいな人には負けません。」
「結構言うじゃねーか。後悔させてやる。」
まずは様子見かな。Cランクってどのくらい強いんだろう。
「殺し合いはなしですからね。では始め!」
クラカスが「雷撃」を撃つ。
威力はまあまあかな。多分こいつも様子見で撃ったのだろう。
そういえば攻撃魔法も無詠唱で発動することはできたんだね。
イメージしやすいから魔法の名前を言っていたけど。
こっちは常時「結界魔法」を発動させているので大丈夫だと思うけど。
でも相手の魔法の威力が高いと「結界魔法」を通過してしまう。
実力を見極めるにはこれしかないよな。
「鑑定」
名前 「クラカス」 「17歳」 種族「人族」 職業「冒険者」
Lv41 HP 4050/4100 MP 3800/4100 経験値500/1000
獲得スキル
「鑑定」「自然回復」「身体強化」「気配感知」「攻撃魔法」(火、水、土、雷、風)
Lv41か。私が戦ってきた中では1番強いと思う。
でもLv41でHP4100、MP4100はどうなのだろうか。
潜在能力も固有スキルを獲得していない。
確か、異世界召喚された人は潜在能力や固有スキルは必ず1個以上獲得できると言っていた。だから異世界召喚したらしいが、こっちからしたら迷惑でしかない。
まあ一発で終わらせますか。
この魔法を1度使ってみたかった。この場だったら使ってもいいよね。
「紅蓮」
やっちゃった。対戦場が半壊している。「紅蓮」ってこんなに業火なんだね。
大きな炎をイメージしたんだけどそれがいけなかったのかな。
クラカスって人、炎でボロボロになっている。死んでないよね?
ちゃんと息をしている、ほっ。この魔法は封印、封印。
「紅蓮」を放ち魔力を少し吸われた感覚はあった。まあスキルを作る時にはいつも魔力を消費しているけど。
「あの、ユメカさん。これは一体どういうことですか!」
「す、すみません。少しやりすぎたみたいです。」
「少しではありません!なんですかあの炎、Bランク以上の威力でしたよ!」
へっ?そうなんだあの威力でBランク以上なんだ。
「あれだけの魔法を撃って魔力消費量は大丈夫なんですか。」
「全然まだまだ残っているけど?」
「そうですか。少しギルドマスターと相談してきます。」
そう言うと受付の人は行ってしまった。なんか処分とかあるタイプですかね。
こんなに壊してしまったので文句は言えないけど。
「お、お前、覚えてけよ!」
そう言うとクラカスとか言う冒険者は仲間と一緒に去ってしまった。
清々するね。でもこれどうするのよ。
受付の人が帰ってきた。それとこの人は誰?
「こちらがユメカさんです。」
「またこりゃ派手にやったな。俺がギルドマスターのルーカスだ。」
この筋肉マッチョがギルドマスターか。いかにも強い人って感じがする。
これって厄介事になるよね。自業自得かな今回は。
「お前がやったんだよな。よしお前を今日からBランクとする。」
「えっ!?」
そんなにランクってすぐに上がるものでしたっけ。
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