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「やっぱり、アル兄も、シアの前では破顔するね。ニコニコ」
「……んん。それより、父様、母様。国王陛下が明日、午後の刻、13時に登城しろとのことです。」
「えぇ、分かっているわ。みんな行くのよ。」
「「「えぇ〜!僕達も行くの〜??」」」
「あぁ、明日は、我がリューラス家と王族の茶会なんだ。レイモンド王子達にも会えるから良いのではないか?」
「「ん〜まぁ、遊べばいっか。」」
「あいつら、やだ。」
「ふふ、ケルとは雰囲気が合わないのね。」
「ぜんっぜん!あんなのが王家だなんて!」
「王子達も大人になったらこの国を担う国王になるんだ。遊べるのは今のうちだろうな。」
「………。」
「ケルは、しっかり者ね。」
(………。もうだめだ。王家やら、なんやら……。眠い……。)
「おや?シアが、ねっちゃってるんじゃないか?」
「あら、本当ね。ベッドに寝かせて来ますね。」
「あぁ。」
子供部屋(シアの部屋)
「私の可愛い娘…。おやすみなさい。シア。…。あとはよろしく頼むわね。」
「お任せください。奥様」
バタン
「……ニヤッ。」
「……ふぇ、ふわぁ…うあぁぁ…」
(ヤッベ、お腹すいた!泣き止めこの体〜!)
「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(止まって〜〜!!)
バタバタバタバタ
(誰か来た!誰かご飯を!……え?)
なぜか抱っこされた。目を開けてみる。
(誰?!この人!!)
「おい、こいつか産まれた娘ってのは。」
「はい、その子でございます。」
「ふん、じゃあお前はもういらねぇ。好きにしろ!」
「…お金…!!」
「お金で赤子を売るなんてな。とんだ卑怯者だ。ってもう聞こえてねぇか。自分の世界に入ってやがる。」
「お頭ぁ、そろそろ警備隊来るそうっすよ。」
「おう、じゃあ行くぞ。あとはそこの女にまかしとけ。」
「へいへい。」
(いや、さっきから頑張って黙って寝たふりしてますが、どちら様?!本当整理が追いつかない!っていうかお頭?!じゃあ、賊じゃない?!警備隊一体何してるのよ!というかさっきのメイド…)
「これで、これで……」
(……だめだ、完全にオチテル。って、これからどうなるの?!)