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「んふふ。可愛いお顔。」「まさに天使だ。」
(天使?何を言ってるんだ?…というか…、)
「ぅあ。…あ!。」
「きゃぁ!喋ったわよぉ!」「あぁ!とっても可愛らしい!!」
(声が出ないんだよね。もしかしてだけど、赤ちゃんじゃない?)
転生というやつなのか、前世…、女子高生までの記憶をほぼ覚えている。そして、車に轢かれて死んでしまったことも。あの子供は元気にやってるかな。…自分が死んでしまって、迷惑かけちゃったかもしれないし。家族は大丈夫でしょ。私のことなんかほぼ他人のことだもの、特に心配はいらないよね。でも、転生?ってやつだよね、ってことは………、ん…?
(待って、この感覚…、まさか……。)
「…ふぇ…、あぁ、あぁああああああ!」
「あらあら、泣いてしまったわ。何かしら。ミルク?」
「奥様、私がやりましょうか?」
「お願いできるかしら。全くわからなくって。」
「お任せください。」
「オムツでしたよ。」
「そうだったの。ありがとう、イラノ。」
「いえ、また何かあれば、いつでもお呼びください。」
「ええ、頼らせてもらうわ。」
「うちの乳母は、最強だな。」
「ええ、とても頼りになるわ。」
(いま、乳母って言った?…そして”イラノ”…いや、まだ確信は出来ない!何か確定的な証拠があれば、、)
「父上!母上!帰ってきました!後ほど、兄たちもやって来ます!シア〜!」
「…っ。……っ?!」
「こらこら、ケル。シアが驚いているわよ。」
「可愛いんだもん〜。」
(……なんだこの美男子は。……ケル…?いや、まさか、まさか…。)
「「父上、母上。ただいま帰りました。」」
「ああ、おかえり。」「おかえりなさい。ケルも、おかえり。」
「うん、ただいま!」
「「…ケル。シアが見たい…。」」
(ケルが覆い被ってるから、私も貴方たちの顔が見れません。)
「んも〜、しょうがないな〜。」
「「…シア…。お兄ちゃんだよ〜。」」
「お、いぃ〜やぅ」
「「……!?!?」」
「ルート…。」「あぁ、ルーク。」
「「可愛ぃ!!」」
(喋っただけなのに…。ルークと、ルート?嫌な予感がする…。次来るのは、まさか…。)
「帰りました。」
「「おかえり、アル。」」
「………。」
(なんだろう。無言の圧が……。」
「アル兄。シアだよ。セリシア。」
「…シアか…。この2人は何している…。」
「お兄ちゃんって呼ばれて、喜んでいるのよ。可愛らしい子達ね。ふふ。」
「お兄ちゃん…。」
(……。え?言った方がいい?なんか、変な眼差しがあるけど…。)
「ほら、シア。アルお兄ちゃんだよ〜。お兄ちゃんってまた言えるかな〜?」
(マジか…。)
「お…いぃ、…やぅ!」
「言えたね〜!!凄い、凄い!」
「………。」
(アルさん、固まっておりますが?)
「どう、アル兄。可愛いよね?」
「「アル兄さん!可愛いよね!?」」
「………。あぁ、とっても可愛らしい。」