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輪廻、転生、生まれ変わる。起こり得そうで信じられないこと。わたしは密かにそれを信じている。生まれ変わるなら動物になってみたいかも。とか、転生したら推しに会えるのかな。とか、妄想が止まない。んふふ…、妄想がいつも通り捗ってる…。今日はどんなことを考えようかな…。
「あずな、あずな!聞いてる?!」
「へ?」
「へ?じゃないわよ!あんたの双子の妹!須立ももな!最近調子乗ってんの!元からだけどさ!どうにかなんないわけ?!私の彼氏様も取られるかもなんだけど!!」
「ももなさん、なんか凄いよね〜ズイズイいくというか、あーゆー系って嫌われそうなイメージあるけど…」
「それが、現に嫌われてなくって逆に好かれてんのよね…。私の彼氏が…」
「取られたわけじゃないんでしょ?だったらももなに、言ったらだめだ。ももなはすぐ取りたがるから、彼氏くんにちゃんと伝えなよ。」
「取られたくなくて、彼くんもいおりちゃんを好いているなら、相思相愛で別れることはないね。…いおりちゃんは彼くんのこと大好きだから、彼くん次第だね…。」
「彼氏様が、ももなの誘惑に誘われなければ彼氏様の、愛は本当ってことね…。」
「ももなの方に行ったら、そこら辺のゴミ男ってことよ。」
「なんだろ、そう考えたらちょっと冷めてきた…。」
「早」「早くない?」
「明日早速話し合おうかな。」
「行動は早めにしたほうがいいしね。」
「ファイトォ〜」
「うん、頑張る!んじゃ、バイトだからここで!」
「私も、塾だから。こっちで。」
「オタクなんで帰りまーす。」
「オタク…自分で言う?(笑)」「流石だね〜(笑)」
「忙しいのよ、オタクは。推しがきたら大抵終わるんだから。」
「その言葉聞き飽きたわよ。あずなも頑張れ。」
「うん、じゃあまたな。」
「「またね!!」」
(家、帰りたくないな…)
家に、居場所なんてないから。ほっつき歩こう…。……ん?
「あれ?推し様?…あ!当たった!」
(待って!マジで当たった!これ確率低いのに!)
「ひゃーーーー!嬉しー!!」
と喜んだのも束の間。誰かに押されてしまったのか、子供が道路に出ていた。それを見た瞬間…。
「危ないっ!!」
と、スマホを投げ、道路に飛び出し子供を守っていた。顔を上げた目の前には車があった。
とてつも無い痛みが全身を走った。
(子供、子供は…?)
幸い親に抱えられてちゃんと生きているのが見えた。
「…よか…た、ぶ……で…。」
救急車のサイレンが遠くから聞こえてくるけど。とても眠たかったから。寝てしまった。
次、目を開けた時…
「ん、んん…。」
めっちゃ眩しかった。目が開けるのが億劫になりそうなほどに。
「ん、あぅ…。」
(……え?)
「んぁ、…あぁ…。」
(…んーと?ちょいと待て?まさか…)
「……た、あなた!しゃべったわよ!」
(誰かいるの…?)
そっと目を開けると…
「まぁ!目を開けたわ!今日は記念すべき日ね!!」
「なんて可愛らしいんだ!!本当にシアは、ルーアにそっくりだな!」
「何を言いますの!この髪色。あなたゆずりじゃないですか!」
「だったら、この瞳は…!」「…!」「…!」「…」「…」
「「結局どちらにも似ているということか(ね)…」
(………バカップル?)