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そして物語は――

大規模洗脳を諦めたルシフェルは、信仰を得るための新たな策を練る。

その策とは新宗教を作ること。

つまりルシフェル教だ。


ルシフェル教を立ち上げるには人間の権力者をバックにつけて布教を手伝わせるのが手っ取り早い。

宗教の布教の常套手段は、誰かの傷心につけ込むことである。

そこでルシフェルはミズドリュク辺境伯に目をつけた。

かの辺境伯は娘を酷い方法で殺されて心を病んでいた。



ルシフェルは天使をつれて辺境の争いに参戦する。

しかし人間の争いごとき熾天使グウェンドリエルや空獣ジズが出るほどのものではない。


七座天使メイド隊、末の妹でありトンファー使いの格闘家でもある日曜の座天使メイド、リションが、たったひとりで数万人規模の大規模な戦を制圧してしまった。



平定された争い。

ルシフェルは功労者としてミズドリュク辺境伯に目通りが叶う。


ミズドリュク伯は娘の亡骸に魔法で防腐処置を施し、ずっと霊安室から離れていなかった。

伯はもう狂ってしまっていたのだ。

ルシフェルは狂人と化したミズドリュク辺境伯に言う。


「もし貴方が望むなら、その娘を生き返らせてやろう。ただしその代償として、貴方は私を神の御使として崇めよ。新宗教ルシフェル教を興すべく働くのだ」


ミズドリュク辺境伯は条件を飲んだ。

神の権能『死者蘇生』が発動される。

不幸な死を迎えた娘は蘇った。

ミズドリュク辺境伯は大いに涙し、嗚咽で喉を枯らしながら誓った。


「おお、ルシフェル様。貴方こそは神の御使。心より信奉致します」



辺境伯はルシフェルに心酔した。

さっそく辺境領を王国から独立させ、ルシフェル聖教国を建国する。

ルシフェルが神の奇跡を実際に見せることで、信徒はぞくぞくと集まった。

この過程で信仰心は十分に集まり、ルシフェルはアラボトの修復を終えてアイラリンドを目覚めさせる。

まさにハッピーエンドである。


しかしこれを認めぬ勢力があった。

王国だ。

王国は辺境の独立など決して認めない。

しかしルシフェルたちは派遣されてきた王国軍を圧倒的な天使軍団の力で跳ね返す。


天使たちのそのあまりに凄惨な戦いぶりに心を折られた国王は、結局ルシフェル聖教国の独立を認めた。



しかしこれに異を唱えたものがある。

それはマスティマ教の者どもだ。


マスティマ教徒たちは言う。


「世に数多ある宗教はすべて邪教である。ルシフェル教もその例に漏れぬ。マスティマ教こそ救済。聖母マスティマにひれ伏せ」


必然としてマスティマ教とルシフェル教の戦争が勃発した。


マスティマ教は世界宗教である。

つまりこれは世界vsルシフェル聖教国だ。

しかし相手が人間だけであれば天使たちにとってさほどの問題はない。

けれどもマスティマ教の背後には悪魔が蠢いていた。



天使と悪魔の争いが本格化する。

さらにその隙を狙うものがいた。

遥か昔にハルマゲドンで神を殺し、その後に勃発した天軍の内戦の隙をつき、ミカエルの御霊を奪って姿をくらましたキリストが生きていたのだ。


キリストは自らの身体に魔術をもちい機械と融合させて数千年の時を生き延びていた。

さらにキリストは、ミカエルを母体として様々なオリジン亜人を産み出し力を溜めていた。


キリストは世界から天使と悪魔を根絶やしにするチャンスを虎視眈々と狙っていたのだ。



天使、人間、悪魔。


三つ巴の争いが始まった。

それは三界を血に染める未曾有の大戦の再来。


第二次ハルマゲドンの始まりであった――

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