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人身売買、私も幼い時に誘拐されて売られました。

作者: 七瀬







私は、4歳の時に知らない男性ひとに連れて行かれて

その男がまた知らない男にお金と交換に私は売られてしまった。

当時、私の母は私とまだ産まれたばかりの弟とファーストフード店にいたの。

母がほんの少し弟の方に気を取られている間に私は誘拐されたわ。

男は大きな手で私の口を塞ぎ、あっという間に私を連れ去ったの。

母も私が居なくなって直ぐに私を探してくれたみたいだけど...。

既に、私は男の車で連れ去られた後だった。

ショッピングモールの中を警察や警備員さん、お店の人やお客さんまで

満遍なく私を探してくれたのに...。

その頃私は、まだ男の車の助手席に座って車を走らせている最中だったの。

そこから1時間ほどした所で、何処かの建物の前で男が車を止めたわ。

止めた先で、また見知らぬ男と私を連れ去った男が話していた。

私は、もう一人の男の方をジッとみつめていると。

彼は私に気づいて、車の助手席に座っていた私の方へ近づいてきたわ。

そして、私に話しかけてきたの。


『お嬢ちゃんは、幾つかな?』

『・・・4歳、』

『いい子だ! おじさんと一緒に着いておいで。』

『・・・えぇ!?』

『大丈夫! とってもいい所だよ~』

『うん。』




幼い私は、そのおじさんの言う通りに着いてく事にしたわ。

私を連れ去った男よりこのおじさんの方が優しそうに見えたから。

このおじさんは私をまた、母の所に返してくれると思っていたの。

だから、私を連れ去った男からおじさんが乗る車に乗り換えたわ。

おじさんは、私を落ち着かせる為にお菓子をくれた。

そして、優しく私にこう言ったの。



『もう直ぐ、いい所に着くからねぇ~』

『お母さんの所に、返してくれるの?』

『あぁ、もうすぐ着くよ!』

『うん!』




私は完全に、このおじさんを信用しきっていたわ。

私を、家族の元へ返してくれとね。

また、父や母、弟と一緒に暮らせる。




・・・でも着いた所は?

全く私が知らない場所だったの。



『おじさん、ココは何処?』

『いいから、降りるんだ!』

『・・・・・・』



家の中から出てきたのは? ガタイのいい意地悪そうな女の人だった。

その、おばさんが私にこう言ったわ。



『今日から、アンタはここで一生働くんだよ!』

『えぇ!? おじさん?』

『達者でな!』

『・・・お、おじさん、』



おじさんは、そそくさと車の運転席に一人乗り込み走り去って行った。

私は、どうやら? この家に住むんだという事は分かった。

ただ、いつか? 私は【家】に帰れるんだと信じていたわ。

でも、ココでの私の役割は“奴隷”のような扱いだった。

私が泣こうが叫ぼうが、この人達には関係ない事だと思い知る。

私が泣けば、何倍も殴られたし叫ぼうモノなら、晩ごはん抜きになる。

何度も逃げようとしたけど、その度に捕まった。

捕まると? 私は縄で雁字搦めに繋がれて何度も何度も殴られた。

原型の顔がなくなるぐらいまで殴られるの。

この地獄の日々は終わらない。

誰も、私を探しに来ないし、助けてもらえない。

だって! 私の事なんか皆、忘れていると思ったから。




・・・でも、せめて。

私の母だけは、私を忘れないで。

私を産んだことを、後悔しないでほしい!

たった、それだけが私を奮い立たせ生きる証になったから。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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