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【コミカライズ】俺、勇者じゃないですから。~VR世界の頂点に君臨せし男。転生し、レベル1の無職からリスタートする~  作者: 心音ゆるり
アフターストーリー

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Aー154 子供たち




 ここで改めて、リクドウ家の子供たちを紹介させて欲しい。


 五人の子供たちの中で、一番の年上はセラが生んでくれた双子のエリエラとライラ。厳密にはエリエラが長女ということになっているが、双子なので成長に差はない。


 二人ともセラに似た赤毛で、エリエラがポニーテール、ライラはおさげの形で髪をまとめていることが多い。


 二人とも好き嫌いだったり趣味嗜好にやや差はあるものの、誰に似たのか大雑把な性格をしているし、『力でねじ伏せればいい』みたいな結論に達することがよくある。二人が喧嘩した時には、模擬戦で決着を付けようとすることもしばしばだ。


 ちなみに、次女であるライラのほうが戦績は良い。

 二人とも、今年で九歳である。


 次にフェノンの子である、三女シャノン。俺は彼女のことを長女と言ったり三女と言ったりすることもあるが、対外的には三女というほうが適切らしい。でも、日本で育ってきた身としては、どうしても長女と呼びたくなる。この辺りの感覚は未だ慣れない。


 彼女はエリエラたちと同じく九歳だが、セラより一か月遅れて生まれてきた。


 三年遅れて末娘であるアルノが生まれた影響か、シャノンは子供たちの中では一番しっかり者に育っている。子供たちは基本的に似たような環境で育てられているけれど、王城に行く機会が多いのはシャノンとアルノの二人なので、その影響かもしれないが。


 シャノンもアルノもフェノンと同じ白髪。


 シャノンはストレートのロングヘアで、アルノはミディアムヘアだ。二人とも癖のない真っすぐな髪質で、手入れも丁寧に行っているからか、風にサラサラと綺麗に流れている。


 末娘のアルノはお転婆な性格ではあるが、エリエラとライラと少しタイプが違う感じで、ただ体を動かすことが好きって感じだ。模擬戦も好きだけど、普通にかけっことかでも楽しそうにしている。

 どうしても一番幼い彼女は甘やかしがちなので、性格にはその辺りも影響しているかもしれない。


 そして最後に、シリーの子である長男シルベルト。唯一の男の子だ。


 サラサラとした黒髪で、中性的な顔立ちをしている。贔屓目なのかわからないが、俺はイケメンに育つと確信している。顔のパーツも肌も綺麗なんだよな、ベル。まつげも長いし。


 お転婆な女子たちに囲まれて育った影響か、少々大人しめ。もしくは、母であるシリーの一歩引いたような立ち位置を真似ているのかもしれない。


 とはいえ、闘争本能というか、負けず嫌いな性格はしっかり持っていて、人一倍頑張り屋でもある。

 その努力の甲斐あってか、五人の中でも割と上位の強さだ。


 五人の戦績(まだ十歳以下なのに、こんなことをやらせてるのもどうかと思うが)は、一位がライラ、二位が同率でエリエラとシルベルトで、その下にシャノン、アルノと続く感じになっている。


 まぁまだみんな幼いから、今後次第でいくらでも変わるもんだろう。


「よーし、じゃあエリエラから行こうか。他の四人は準備運動しながら見学をしていてくれよ。見るだけでも学びはあるからな」


 リクドウ家の庭にて。

 子供たちと妻たちが見守る中、二日に一回行っている模擬戦を始める。


「今日こそおとーさんに一発当てるからね~」


「その意気だ。だが、俺に当てることも大事だが、俺の攻撃を防いだり回避することも大事だからな?」


「もちろん! じゃあ今日も十発ね~」


「おう」


 審判は無し。強いて言うなら、俺が審判役を兼ねているような感じだ。セラたちは子供と一緒に俺の模擬戦を見守りながら、試合解説を行ってくれているのでね。


 俺が「いつでもいいぞ」と声をかけると、エリエラは即座に木剣を構えて走りこんでくる。


「ほ、ほ――そうそう、良い感じだぞ。その調子で、もっと足を細かく動かそうか」


「んーっ! あいたっ」


 俺の言葉を受けて、今度は足に注意が向きすぎていたので、俺は手でエリエラの頭をペチンと軽く叩く。俺が十発叩くまでが模擬戦だ。


 きちんと彼女のステータスに合わせて動きを遅くしているので、単純に技量の問題である。まぁ、九歳と三十二歳だからな……もはやいじめみたいなものだが、子供たちが安全に楽しく暮らしていくためならば鬼となろう。


 最近じゃなくなったけど、最初の方はよく泣かれてましたからね……思い出したら俺が泣きそうだよ。


「お、良く防げたな」


「おとーさん、その攻撃前もしたから!」


 当てるつもりでエリエラの横腹をタッチしようとしたが、寸前で彼女は木剣でガードした。才能もあるが、日々の鍛錬の成果だろう。さすが我が娘……!

 可愛いだけじゃなくて戦いも強いとか最強じゃないか!


 エリエラの攻撃を避けながら、こちらから五発当てたところで、俺も木剣を装備する。ここからは、彼女の攻撃をいなしたり、防いだりする。


 剣を弾かれた時の対応とかも必要なのでね。でも危ないから、こちらからの攻撃は変わらず手で行いますよ。一度シャノンが転んでひざを擦りむいた時には、大慌てで上級ポーションをぶっかけたよね。妻たちからは大いに呆れられてしまいましたとも。これぐらいの傷で慌てすぎだと。でも菌が入って化膿とかしたら怖いじゃん。それに下級ポーションなんて持ち歩いてないし、スキルで回復するよりポーションのほうが早いし。


「しかし……エリエラの剣も綺麗になってきたなぁ。同世代で勝てる奴はいないんじゃないか?」


 呟くようにポロリと感想を零すと、エリエラは少し立ち止まったが、すぐに攻撃を再開。


「はぁ、はぁ、でも、ライラに負けることもあるよ~」


 負けることがあるっていうか、エリエラは負け越してるけどね。ちょっと負けず嫌いな部分が表に出てきているぞ。

 俺は会話をしながらも攻撃をしっかりこなすエリエラに感心しながら、言葉を返す。


「たぶんな、エリエラたちは学校に行ったときにビックリするぞ。自分たちの強さに」


「でもおとーさんに全然当たらない!」


「あはは、俺に当てられたら、その時エリエラはシンたちよりも強くなってるよ」


 でもこんな風に彼女たちを育てていたら、十五歳あたりで一撃もらいそうな気もするなぁ……五人がかりだったら、もっと早い可能性もあるか?


 まぁ別に探索者になることを強制しているわけでもないから、あっさり別の道に進む可能性も無きにしも非ずだが……結婚だけは、ゆっくりとゆっくりと考えてほしいなぁ。





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