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僕の家は第二生徒会室  作者: 南木
姫木学園埋蔵金騒動
10/26

埋蔵金の噂 6

 リンネとアーモン先輩とともに家に帰ってきた僕は、既にリビングでのんびりくつろいでいたユーコ姉さんとササナ先輩に、カトリ先生から聞いたことを話した。


「ふぅん、旧日本軍の遺産ねぇ…………」

「学校のある地域一帯に昔軍需工場があったのは、私も存じていますよ。西にある風木団地は兵器工場の跡地だったとか」


 ところが、先輩二人の反応は僕とリンネの予想に反してかなり淡々としていた。もっと驚くんじゃないかと思ったんだけどな。


「埋蔵金が軍隊にかかわるものかもしれないのに、ユーコ姉さんは驚かないの?」

「それとも、ユーコ姉さんもササナ先輩も、3年生の間の噂を聞いていて、埋蔵金の正体をある程度知ってるとかっ」

「そんなわけないでしょう。そもそも、私たちが探す予定のお宝は、アキが持ってる胡散臭い古地図じゃない。それが旧日本軍と何のかかわりがあるって言うのよ」

「あっ………そっかぁ」

「そ、そうだったっ! あたしったらカトリ先生の話に夢中になりすぎて、そのことをすっかり忘れてたっ!」

「おっといっけねぇ、俺もそのことを忘れてたぜコンチクショウ。俺的には変な骨董品より、昔の銃とか爆弾とか出てきたら面白れぇと思ってたんだけどなぁ」


 僕もリンネも、それにアーモン先輩もカトリ先生の話が印象に残りすぎて、家にあった古地図のことをすっかり忘れてたよ…………ユーコ姉さんの言う通り、あれをもとに探すなら、旧日本軍がどうとかはあまり関係ないよね。

 そんな少し考えればわかることで大騒ぎをしていた僕に対して、ユーコ姉さんは呆れているようで…………


「まったく…………アキってば、昔と変わらずドジっ子よね」

「ど……ドジっ子!?」

「まさかその調子で、顧問に週末宝探しに行くことまで話したりしていないでしょうね?」

「してないよ! ……たぶん、してないんじゃないかな、きっと」

「なんでそこで自信なくすのよ」


 いや、話はしてないはずなんだけど、ユーコ姉さんに問い詰められると、ちょっと自分の記憶が疑わしくなってくる。けど、その場に一緒にいたリンネとアーモン先輩が僕の記憶が正しいことを証言してくれた。


「大丈夫よユーコ姉さんっ! あたしも一緒にいたけど、宝探しに行くことまでは話してないから!」

「ぶっちゃけセンコーに話したところで、別にどうともならんだろ。『お前ら小学生か』って笑われるのがオチだろうよ」

「そう、ならいいけど。あと、小学生って言われるのは、アーモンだけだと思うわ」

「誰が小学生じゃあぁっ!!」


 まあ、カトリ先生なら、アーモン先輩が言うようにさらっと流して深い事情は聞いてこない気がする。それにユーコ姉さん、やっぱりカトリ先生のことが嫌いなのかな?

 生徒を差別するような先生には見えなかったけど、ユーコ姉さんは蛇のように執念深いから、何か個人的な恨みでもあるのだろうか?

 気になるところだったけど、すぐにユーコ姉さんが週末の「宝探し」という名の親睦ピクニックの予定についての話し合いを始めてしまったので、聞けないままうやむやになってしまった。


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