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繋ぎとめるは意思と力と

氷山の山々がウィラーラがいた場所を覆う!その位置には特別山盛りと言わんばかりの氷山がそびえ立っていた。

だがウィラーラの姿が見当たらない。まさか魔法で穴だらけに?!それとも氷漬けに?!




「ッハァ、ハァ、ハァ……!」


無事だった。すんでの所で他心通のスキルが働いたのか真横かつ直角な回避に切り替えていたようだ。

だがどうする。同じ手は多分通用しないだろう。それでなくても早く処置ができないと間違いなく寧子が死ぬ!



「お前もだ……!どういう理由があろうがこの世界に組するならこの世の全てがお前の敵だ。

一時の勝利に満足しただろう。ハワウドの名の下に死ね!」



相当怒り心頭だ。まあ当然だろうな。

自分が負かされたから、それもあるが一番は無様を晒した、ここに尽きるだろう。

プライド―――――もっと原始的に要約すると舐められたから殺す。感情のその一点が俺に向けられていた。




――――――――――もっとも、その怒りもまた俺の一言であっさりとかき乱されやがった。


「……そのハワウドってのは、ハワウド・エクセリオスの事か」




「!!?どうしてお前が……!」

「……どうしてだろうな?本人に聞けばわかるんじゃねえの?」


やれやれ、どいつもこいつも同じ反応ばっかりしやがる。でもって――――――――――――――



「?!体が動かない!!何故?!」

「何故ってそりゃあお前、ここが陣のエネルギーの中心点だからだろ?」

「陣……?封柵陣だと?!馬鹿な、どうやって陣を!ハッ?!」


奴の周りには六本の彗星連宝剣が刺さっている。

俺の陣地作成は陣地として構築した物は条件さえ満たせば作ることはできる。

奴が呪文をぶっ放した合間を縫って位置を確保しておいたわけだ。




龍縛釘・雷火▶――――固有技能解放―――――

▶「迅雷走爆」


追加効果 特攻付与発動

「フレアブラスソウル」

「サンダーイーター」

「マンイーター」

「アンチエンチャント」

「キャスター・ETエクスターミネート

「マジックブレイク」

「レベルギャップアサルト ソートA」

「レベルギャップアサルト ソートS」

「シールドブレイク」

「ガーダーアンバランス」

「エナジーテイカー」



「それじゃあ、ハワウドによろしくな。」

コロコロとメイスンの足元に筒が四つ。残った龍縛釘をすべて使い、動けない奴の足元に転がした。



「!!!!!!!!!!!!!!!!」

ドン!と大きな爆発音を上げ発火する。

奴は断末魔を上げることもなく、いや上げていたかもしれないが龍縛釘の最大の爆発力に吹き飛ばされる事となった。……これで今度こそ本当に決着だ。








――――――――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――

―――――――――――――――――

―――――――――――



「寧子ハン!寧子ハン!」

メイスンを倒し、すぐに俺たちは傷のひどい寧子に対して応急処置をする。

ウィラーラも寧子に呼びかけるが、だが出血の激しい寧子の息は絶え絶えだ。これはもう……。


「ヒロカド!この辺にヒーラーは?!医者でもイイ!!」

「無理いうな。ここは現代の日本だぞ。いたとしても間に合わない。」

「そんな事あルカ!いつからそんなヘタレになったんだお前ハ!!」

「なら蘇生用のアイテムや魔法があるのかよ!お前らの世界にはよ!何で用意がないんだよ!!」

「……!」

「ないだろ、だから技術に傾倒したんだよ。あの世界は」

「…………どうにかならないノカ」

「……どうにもならねぇ」



人死には異世界という特性柄何度も見てきた、眼前で人が死ぬことにもすっかり慣れてしまった。

……だがこの無力さだけはいつまでたってもぬぐえねぇ。


結局俺は無力とちっぽけという事実にしかたどり着かねぇ。畜生!




「……おい」

カナマリが後ろから声をかける。

「どうした、今回は仕切り直しだ。さっさと逃げればいいだろう」

「つれないねぇ、これなら、どうにかなるかもしれないってのによ」


カナマリが俺に差し出したのは自分のつけていた腕輪だった。これは確か……。


「俺と戦ってた時見ただろう、俺の自慢のスキル、四大罪破。その外付け用のアクセサリーだ。」

「お前何ヲ……!」

俺はウィラーラを制止する。


「コイツのスキルラインには傷を治す回復術がある。だが過剰にかけすぎると傷を直すどころか壊死させてしまう。過剰なエネルギー放出もリスクになるだろう。

だが血を止めるにはこれしかないだろう」

「これを俺に使えと?」

「俺は直す義理はない。だが同盟の意図しない不始末はつけなきゃならん。これはその釣り銭だ」

「…………借りるぞ」



選択肢はない。このままやるしかない。


「なっ、ヒロカド!正気か?!そいつの恐ろしさを知らないからそンナ!」

「黙ってみてろ!!」

精神を研ぎ澄ます。


武器や防具、後は道具や器具の能力を解放はできるがスキルそのものに対する能力干渉の扱いは初めてだ。


厳密には初めてではないがつけてしまえば、そこにある物を発動させるのは容易だ。

だがそれに自前の能力を交えるとどうなるかまではよく考えたらそんな発想はなかった。


やった事が無いなら試せばいい、作ればいい!おれの気骨・反骨心がそれを燃え上がらせる。



四大罪破―――▶スキルライン検索――――▶五の型・八門創活・生門―――――▶生脈活破――――▶波動命脈―――――▶浸透傷塞


機能:横紙破りというべき人智を超えた力の保持が可能。しかれど超越者に相応しき者の為の秘技につき取り扱いとして難度の高い諸刃の剣になりうる。


効果:どれだけの深手でも持ち直すほどの活力の流れを有し、分け与えることが可能。過剰な摂取は劇薬と同等の質になるため仕様には留意されたし。




これか!つーかなんだこのスキル!殆どデメリットありきじゃねえか!人間やめなきゃデメリット消えねえって何?!!


……だが使い方次第ではデメリット以上にメリットが圧倒的に上回る。取扱注意……まさに劇薬か。

要はカルピスの原液みたくどれだけ程よい比率で水で薄められるかが勝負のキモか……やるぞ!



俺は寧子の傷口に手を当て、息を整え、集中をしながら浸透傷塞を発動させる。



「頼ム……!寧子ハンッ……!」

ウィラーラが寧子の手を握り、祈りを続け―――――――――――――

カナマリは黙って事の成り行きを見守り―――――――――――――



俺にすがる物はない。

一心不乱に傷の手当に力を注ぐだけだった―――――――――――――



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