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災厄の担い手は神様

入口から別が声がした。

当然俺は警戒心から即座に反応をする。当然だ、今俺の店には誰も

入ってこれないからな。


見た目は金髪寄りのブロンドヘアーの長髪の女の子、見た目の年は小学生高学年から

中学生と言った所だ。


……結果から言うと見知った面だったが。



「デウス……」

「邪魔するでー」

「邪魔するなら帰れ、直ちにだ」

「ここで帰ってなんでやねん!ってツッコミ入れるのが王道だろうが出てったらチミ入れなくするじゃん、詫び寂びのわからんやっちゃな!」

「よそ者のお前がジャパニーズ詫び寂びを語るのか」



このガキはデウス。

俺の数少ない知己というやつだな。

簡素に説明すると俺がさっき言ったいわゆる神の端末担当だ。


「さては手紙を直に追跡して覗き見してたなお前」

「君、下手したら読まずに食べそうだったからさ」

「どこの黒ヤギだ、もっといいもの食ってるわ」


とまあ予期せぬ来訪者の他愛のないやり取りで場の緊張感が崩れたわけだ。


「鷹村さん、この子は……」

「なんでもありません、彼女共々お引き取りを」

「おいおい、紹介人を追い出すとかそれこそどういう了見だい?」

「え?」

「ああ、その手紙を書いたのは私なんだよ」



ここでネタバラシ。チッ、面倒くさい事になってきたな。


「何、私はそもそも異世界の神族の一人でね、故あってここの世界の神に異常事態ゆえ許可をもらって代理的に活動をしているんだよ」

デウスは矢継ぎ早に語る。

「もっとも、私に人間社会をどうこうできる力なんてないがね。

所轄よそ者だし、唯一神でもないし、世界なんぞ私の手には背負うにはでかすぎる

――――だが何が起こってるかは概ね視聴みえる。だからその手紙を

国のお偉いさんに渡した」


デウスは年端の少女の見た目にそぐわぬ圧を見せる。

ここ明らかにアピールの手段として演出してるなこれ。

秘書のお嬢さんもさすがにこの展開にはついていけてないし。



「獅豪さん、だったかな?」

「はい!」

デウスは初対面の秘書の姉さんに声をかける。傍から見てもなれなれしいなぶっちゃけ。


「知ってか知らずか――――君は有り体にいうならいわば反攻勢力の

伝令役になった、いやされたか?

どう転んでもこれから実質この世界は転生者達との戦争になる訳だが

それを見る前に君は多分消される!」

「?!」



デウスに唐突過ぎること言われて何を?って顔になってるな。

そらそんな顔にもなるわ。そもそも前置きからしてぶっ飛んだこと言ってるからな。


「祈祷所はいわゆるGPSみたいなものだ。操作している側に名前が一度明記されれば地の底まで追われることになる、ましてや彼をオブザーバーとして招き入れるなんてメッセンジャーをしたんだ。向こうからしたら反社会勢力とみなされるんだなこれが」


「……世の中には人間同士が盛り立てる気運ってものもある。

巻き込まれる前に、やる事やったら雲隠れしろと言うお達しだろうね。

キミの伯父と上司に感謝しとくべきだろう」

「これも一つの政治的判断って奴か。随分と私情が入っているが」



なるほど、デウスがこんな事をしてる時点で今の世界情勢ってのは思ったより切羽詰まってるのか。

実質大戦前夜……か……。

だが政治的な道具にされるのはごめんだ。これは俺の性分としての拒否反応だ。


「悪いが分の悪い賭けを強いる奴を信用する訳にはいかん、裏を返せば、暴力を容認するから手伝えって意味にもなる。

切羽詰まった奴のしでかす行為なんて碌な事にならねぇ」

「それこそ私が逃げるわけにはいきません!貴方を連れて伯父と会ってその先を……!」


「末端のあんたに何ができるんだ、秘書なんて言っても雑用じゃないか。いいか?

引き際を間違えるな。これは下らない戦いに振り回されてきた奴の言葉だ。

厚意という熨斗のしつけてまでそれを請け負うかどうかわからない俺のところまで導いた伯父や上司の事を考えろよ」

「!……」


さしもの覚悟を決めた秘書さんも一度崩されて気持ちとしての機を逃せば

何も言えなくなる。


「ただし、アンタを逃がす努力はしてやる、それなら付き合ってやらん事もない」

「え……?」



秘書さんは俺の予想外の反応に複雑な戸惑いを見せるわけだが、思った以上にチョロいのか素のメンタルクソザコなのかさっきの気概はどこへやらだ。

そしてデウスにも責任はとってもらうからな絶対に。


「デウス、お前は来い。彼女を巻き込んだ尻ぬぐいはしてもらうぞ……その露骨に

え?何その流れ?みたいな顔やめろ」

「いや、だって君の譲歩する線引きが分かんないんだもん」



頭をかきながら口を半開きで首をかしげながら複雑な表情をするデウス。

それなりに付き合いがある分すっとぼけてるようで何を考えているやらという懸念やら勘ぐりが湧いて出る。


とはいえ秘書さんになんでこんなサービスをしたかというと……美辞麗句で厚意なんて聞こえのいい言葉で納得させようとしてるが、よく理解していない連中によくわからない事を頼まれて、命を狙われるという事実を考えると人情的に不憫に感じたからだ。


元の原因はデウスだが結構事態としては焦るべき事だし後先の安全策は講じなければならんからな。


「それにさぁ、来いって外に出るのかい?ここに匿ったほうが安全じゃないのか?」

「ウチの店はシェルターじゃねーんだよ!それに陣地が移動しない、なんて道理はないの知ってるだろ」

「(……陣地?)」



秘書の姉さんが怪訝そうな顔でこっちを見ている。口出ししづらいんだろうなあ。状況読めないし。

あと勝手に彼女を逃がすって話になってるし。


だがこのお嬢さんには無理にでもそういう流れに

持ってたほうがいいし気持ちが固まりきってないなら引っ張っていくべきだろう。

あと陣地の意味は身をもって体感する事になるがまずはお出かけの準備だ。



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