天道参将カナマリ
カナマリはそばに置いてあった武器を取り出す。
獲物は青龍偃月刀か……かの三国志の関羽が使っていた肉厚の刃に槍の寸借をあわせもつ同武器といったほうが分かりやすいか。
一方の俺は手ぶらには見えるがまあ準備は御覧じろだ。
「スキル・活脈 連技解放 心眼 一挙手一投足!」
何かのスキルを発動させたようだ。ドゥラレイガルのスキルは一つのラインの物を解放すると連鎖的に発動させることが可能だ。おそらく今のはバフ(補助強化)か
と言ってるそばから重量感のある筈の奴の武器が棒きれを振るうかの速さで俺に迫ってきた!やべえ!
てな感じすんでの所で回避するが風圧だけでもうやばいのが分かる。
あんな薙ぎ払い食らったら常人だったらその場でお陀仏だろ!
「オイオイ!兄さん!開幕そんな不安になるへっぴり越しでやれるのか!まさかお前の威勢の良さは口だけでしたとか言わんだろうな?!」
「バカヤロウ!いっただろ!俺はこの世界に出戻っただけで転生者でも異世界人でもねえ!
アンタみたいに生まれ変わって特別な力を手に入れましたヤッターなんておめでたいイベントがそうそうあると思うなよ!」
「そうかい!だが喧嘩の取引は成立してるんだ!キャンセルもクーリングオフも容赦もできると思うな!!」
そういいながらカナマリはパワーを込めつつ偃月刀の振りの軌道を俺に的確に向けてくる。
「奥の手も戦う手段も尽きたならこのまま死んでもらう!」
そういいながらカナマリは本腰らしき偃月刀の一撃を俺に向けて振りかざす。
閃龍火砲▶――――固有技能解放―――――
▶「咆哮発破」
追加効果 特攻付与発動
「フレアブラスソウル」
「マンイーター」
「ランサーフォールド」
「アンチエンチャント」
「撃てー!!」
「!!!!」
倒れてる奴の部下たちの体の陰から一瞬光ったと思ったらカナマリの体が一瞬で発火する。
チラッと見やったその先には筒、いや携行できるサイズの砲が仕込まれていた。
そうです、それっぽくモノローグしたが私が仕込みました。敵を最初吹っ飛ばした時にこっそり隠してカナマリを誘導する。
後は射程内に持ち込んだ所を発射する。
俺の特攻スキルは引き金がある飛び道具は手放しても離れすぎなきゃ発動できるんだなこれが。
「……悪いな。俺TUEEできるスキルのない俺はこういう戦い方しかできねぇんだ」
燃えるカナマリを前に俺は戦いの虚しさに心をはせていた――――のだが
「フン!」
ゲッ!カナマリの奴自分に帯びた火を気合だけで吹き飛ばしやがった!
「フゥッ!卑怯何て野暮はいわんさ。技術者も知恵を絞って限られた中で条件を満たしていく。
お前はそれをやった!それだけだろう?」
「戦い方を認めてくれるのはありがたいが、砲の直撃くらって生きてる方がショックだぜ。砲だけに。
次いでいうと威力だけならドラゴンの野太いそっ首も打ち落とせるレベルだぞそれ」
まちがいなく人間だったら五体が泣き別れするレベルの威力に対し、効いてるのか効いてないのか分からないぐらいにケロッとしているカナマリだが。
「ハッハッハ!そういうのを耐えられるようにするのも技導師の仕事だ!今は邪技導師なんぞ呼ばれているがな!」
邪技導師というワードが先に出てきたが追記するとだ、本来正しく外付けスキルを扱い・作るってのが技導師という奴だ。
「ナンバー3は伊達じゃないって訳かよ……!」
「そういうこった。続けていくぞ、風流活槍!」
流れる突きの猛襲が迫る!迫る!食らいついてくる!
「ぐあっ!イテテテ!!ヤバイヤバイ!」
偃月刀の応酬を死に物狂いで回避する、が流石にかわし切れずに自前の特防スキルでガードをするがそれでも痛い物は痛い!
「どうした!小細工は終わりか?!」
カナマリの槍の勢いは止まらない。技術やスキルに偏重せず相当慢心せずに鍛え上げてるなありゃ。
龍縛釘・雷火▶――――固有技能解放―――――
▶「迅雷走爆」
追加効果 特攻付与発動
「サンダーイーター」
「マンイーター」
「ランサーフォールド」
「アンチエンチャント」
「食らえっ!!!!」
カナマリが偃月刀を振り上げた瞬間を見逃さず、懐に忍ばせていた龍縛釘を
着火させ奴に低めのアンダースローで投げつける。
要は携行できる雷属性の爆竹とかペンシルロケットみたいなものだ!
龍縛釘は爆発し、俺の能力解放スキルによりその威力は集約されドンと雷が落ちるがごとくのデカい音を立てて、花火を彷彿とさせるカラフルな火花が周囲を焼く。
間違いなく常人に向けるべきものではないのだが――――――――
「剣掌―――――――風破!!!」
火花は奴の作り出したコンクリを削り取らんばかりの一振りの突風によりかき消される。
ったく、俺の周りは敵味方問わず脳筋ばっかりかよ!
龍縛釘・雷火▶――――固有技能解放―――――
▶「迅雷走爆」
追加効果 特攻付与発動
「サンダーイーター」
「マンイーター」
「チッ!もう一発!」
今度は威力を弱めて発火を長めに調整する。
こうすることで結構相手にストレスをかけることが出来たりする訳だ。うっとおしさでな!これが結構消耗策としては有効だったりする。
「くうぅ!まどろっこしい!!」
効いてる効いてる。そのまま露払いに大技使いまくってMP切れになれ!フハハハハ!!
とまあこんな感じでダメージこそはそれほどだが、火花にもみくちゃにされることで行動も遮れる。
「……そいつが兄さんの戦い方か……!ならば!」
カナマリは手持ちの武器に何らかの金具を腕に取り付け、ブツブツ言い出す。
すると奴から異質な違和感を感じ取った。
「やれやれ……こんなしょっぱい状況でこれを出すことになるとはなぁ」
「スキル 四大罪破 一の型 虚撃の打射」
「!??ガフッ???!!!!!!」
何が起こったのか分からなかった。奴は武器を構えただけで攻撃に転ずる動きも素振りも見せなかった。
それなのにボール大の鉛玉を真正面から剛速球で受けたかのような衝撃を受け吹っ飛ばされてしまった。
「ハッハッハ。どうよ?これが俺の作ったスキル、四大罪破だ。
人の罪も業も鼻紙のごとくちぎり捨てる程と言われるほどの技法だ」




