果敢たる二人
当方、基本不定期投稿ですが
間隔はあかないようにしております。ご了承ください。
だが敵も自分の身を庇ってはいるが何らかの防備をしているのかやすやすと倒れてはくれない。
だが連撃・連撃・連撃。場の流れは完全にこっちのものだ。タンクというよりほぼモンク(僧兵)や武芸者だな。
この戦闘力で前線で回避ができるなら確かに有能だし重用もされるわけだ。
このまま良ければ勝負は決まりだな。
「クソッ!ガッ!」
一方的な流れだ。完全にウィラーラが間合いを押さえている。相手は鞭、向こうは片手剣+素手だからな。
しならせないと打撃に転じれない鞭と格闘じゃ近付かれると相性は一目瞭然。
何もこのままなければこっちの勝ち……?となんだ?…………!!
瞬時影が通り過ぎるがその速さに対して目が、認識が遅れてしまった、がそれに気づいた時には
「ウィラーラ!!後ろだ!!」
俺は即座に声を出していた。当然だ。なぜなら。
「GAAAAAAAUUAAAA!」
アイツが切り伏せたグリードトゥースが背後に迫っていたからだ!死んだふりをして襲い掛かる算段を
立ててやがったか?!!
「ナッ!?」
「遅い!」
グリードトゥースの持っていた大剣の一閃がウィラーラに迫る。急な事ゆえ、今の体制じゃ避けられないのは明白だった。
ウィラーラがとっさに背中への一撃を長剣で防いだ、が向こうのパワーが上だったのかしのぎ切れずに横に吹っ飛んだ!
「ああああ!!!ウッ!」
「ググ……!迂闊……だったな。全部仕留めたと思ってたみたいだがお前が攻めている間、仕留め損ねたそいつに自動回復とバフ(補助強化)を限界まで重ねてかけておいた……これで形成逆転だ!やれ!」
ダメージを受け、フラフラとしながら形勢逆転を確信したのかここぞとばかりに意気込みだすフードの男。
強化されたグリードトゥースが武器を両手に持ち、ウィラーラに振りかぶった――――――――
破戒の御神刀▶――――固有技能解放―――――
▶「勝利の狂舞」
追加効果 特攻付与発動
「アースディバイド」
足元に落ちていた御神刀が赤黒く変色し、振動を始める。その振動からなる衝撃はコンクリートの足場が路地裏の道筋にそってヒビを割り、地盤沈下し崩れだす。
足場が崩れだしたんだから当然その場にいる連中の体制も一斉に崩れだす!
「おおおおおおおおお??!」
「GAAAA??!」
「ななな何ダ?!」
地脈に沿って振動が起こっているのならその足場を崩せばいいじゃない!!とどこぞの女王にならってみた。
御神刀が起こした衝撃が足場を崩し、その勢い・衝撃で吹っ飛んだそれに俺は引っ張られる!
だが武器の能力やそこそこ獲物の使い方をわかって居る俺はただじゃあ転ばない!!
その勢いの流れに乗りながら御神刀の自由落下の流れを調整しつつトカゲのドタマにその刃を叩き込む!!
クリーンヒット!まさにかいしんの いちげき!という奴だ!
バフがかかっていたとはいえ、グリードトゥースの方が比較的図体がでかいのも幸いしたか刀の自由落下の重力に耐え切れず、見事に頭から真っ二つとくらぁ!
刃が奴の体を断ち切りその勢いは体感衰える事を知らないまま地面に勢いよくブッ刺さったがその衝撃から勢い余って吹っ飛んだ。
が、タダでは転ばない事をウリにしている俺はすぐに立ち上がりその辺は想定の範囲内とばかりに流れでフードの男に一撃を叩き込む!!
「させねぇよ!!!!?」
フードの男は俺のフットワークに一瞬ビビるがすぐに絶好の間合いだと言わんばかりに鞭にエネルギーをため込んだのか、今までとは異なる速さと重さを兼ね備えた一撃を振り出す!
前進しているのだから攻めの勢いを殺さない為にもすんでの所で回避をする。
だが俺がすり抜けたムチの軌道があり得ない方向にVの字に曲がりだす。
……しまった!敵の狙いはこれか?!
「…………!」
―――――ウィラーラが広門の名前を呼ぼうとした。
が、彼女はここで初めて気づいてしまった。まだ広門の名前を聞いていない事を。
それに気づいたが、その広門に向けられる返しの攻撃の勢いを足場を崩された彼女が即座にどうにかするには距離と体制の立て直しが足りなかった。
その一瞬の彼女の思考が広門に伝わる由もなかった――――――
「よし!」
フードの男は鞭の一撃が広門を貫いたのを確信した。
たしかにウィラーラやフードの男の目前には鞭の一撃が広門を貫いた。
「と、おもーじゃん?」
その声の正体に一瞬フードの男の思考にブレが働く。その声は確かに目の前に自分の獲物に貫かれた男の声の者だったからだ。
「居ない?!!!どこに行った?!」
「……!」
フードの男だけではなくウィラーラの目にも確かに貫かれた広門の姿が消えていたからだ。
気づいたのは位置取り的にウィラーラが先だった。なぜなら彼女の視線の直線状、フードの男の死角から広門が現れたからだ。
「なっ……!ガブフッ???!!!!!」
そして気づいた時にはもう遅い、と言いたげに不敵な笑みを浮かべた広門の拳がフードの男の顎に衝突した。
見事なアッパーカットだった。芸術点を挙げてもよいぐらいのキレのよい一撃がフードの男をTKOという何とも予想外な幕切れだった。
敵をノックアウトしてのびた所を確認する広門は
「ハァ……フゥー。ツーアウトどころか満塁サヨナラ…いや、コールドゲームだったようだな。」
「……なんの話ダ」
すっとぼけた会話のやり取りがこの戦いの締めの言葉だった。
「……ダメだこりゃ。完全に伸びてやがる。しかたねーから縄で縛ってとりあえず放置すっぺ」
とまあフードの男の手足体を封じてウィラーラにお伺いを立ててみる。
「とりあえず目先の危険は回避でキタ。巻き込んだのは謝罪スル」
「ほー、大陸のお人はメンツを気にするから謝罪なんてしないときいたが」
「そういう偏見は感心しナイ。それだけではやってけないのが人生というもノダ」
「そうか。なら失礼ついでに厚かましくいくつか訪ねたいがいいか?」
「……いイヨ。ピンチを救ってもらった以上相応の礼もしタイ」




