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俺は店につけたちょいと特別な監視カメラの映像をウィラーラに見せつける。

明らかに妙な連中が店の近所をたむろしながらキョロキョロしている。

どう見てもコンビニの店先でだべっているような地元のヤンキーや暴走族の類でもなけりゃカタギでもなしだな。



「取りあえず連れて帰ってくれませんかね?この手の連中がやってくる覚えはアンタしかいないんでね」

「……こいつら私が来た時にはいなかったよね?」

デウスが自分の行動を振り返る意味で俺に尋ねる。

「ああ、この店は基本不審者対策はしてるからな、多分このオネエちゃんを追跡してるところを招き入れたから見失って辺りを探しているって所だろ」

「……トカゲのコスプレ?こんな町中で?」

ねこはんは驚きを隠さずも明らかに映像先の存在に違和感を主張する。素直なのはいい事だ、が。


「残念ながらコスプレじゃねえな。……グリードトゥース。ドゥラレイガル産のリザードマンって所だ。しかも飛び切り凶暴で排他的な種族のタイプだ」

俺は持ち前の鑑定能力と知識をフル回転させて説明をする。


「……逃げますか?」

「馬鹿野郎、こんなん野放しにしてご近所さんや店が食われたらどうするんだ」

「いや店は食われないでショ」


ストゥーカの軟弱すぎる逃げ腰に対して一喝する俺に対し緩く突っ込むウィラーラだが。


「子供みたいな揚げ足取りをとるんじゃねーよ。どうにかしろっつてんの!人を巻き込むだけ巻き込んで逃げるとか絶対許さねーからな!」

「そんな事すルカ!?こちとらドゥラレイガルに選ばれた勇者ダゾ!けどここで迂闊に戦えば祈祷所にマークされてしマウ!勝つことはでキル!

でも下手に時間をかけすぎると仲間を呼ばれる恐れだってアル!ここはやり過ゴスしか……!」

「でもいくら閑静な住宅街でも一般人が襲われたらそれこそ何のための勇者と!」

「そうだ、ねこはん言ってやれ!」

「いやいや?!そこで煽ってどうするんです?!」


あーもうめちゃくちゃだよ。完全に内輪もめのそれじゃん。

とりあえず重い腰を上げて覚悟をきめるしかないなこれは、と渋々その重い腰をあげる俺なわけだ。





――――――――――――――グリードトゥースが辺りを見回している。

周りにそれ以外の人影や気配の類は無し。数は6匹、言葉はわからないが何かを仲間に示し合わせながらあっちこっちにうろついている。

見た感じには犬猫のコミュニケーションに近くもある。だが間違いなく統制はとれている。明らかに6匹とも訓練された動きだ。


うち2匹が定位置にポジションを確保し、2匹がそこから距離を撮りすぎない程度に見張りを立て、残った2匹は哨戒をしていた。


その哨戒をしている一匹が様子を探りにやや陣地から距離を取り出す。

目の前にあった四つ角を曲がりきった所から―――――――――姿が消えた。


違和感を感じたもう一匹のグリードトゥースが消えたもう一匹の向かった方を探り出す。


―――――――また消えた。



さしもの残った4匹も2匹が戻ってこないことに違和感を覚える。

4匹は陣地に固まり、1匹は首をかしげ、もう一匹は低いうなり声を上げる、作戦会議でもしているのだろうか。

話し合いは付いた様だ。一匹は陣地を離れ、どこぞへと走っていった。


その一匹がたどりついたのはとある路地裏の中だった。

路地裏の奥には一人のフードをかぶった男がいた。

グリードトゥースは唸り声のような、鳴き声の様な声で男に訴えるように語り掛ける。





「……なんだ?あの女は見つかったのか?……何だと?哨戒していた二匹が戻ってこない?

そんなことで俺を手間取らせるな。あの女が手練れだってのはわかって居ただろ。

おそらく各個撃破されたんだ、犠牲が出るのは分かっていただろうよ。

……突然消えた?かと思ったら、あの女にしては手口が静かすぎるだと?どういう事だ……」


「ちわーっす。町内会の者ですけども」

「?!誰だ?!」

「困りますよー!これオタクのペットでしょ?放し飼いとか勘弁してくださいよー」



とまあここで真打登場という訳だ。どこぞのサメ映画よろしくチェーンソーならぬ俺の獲物を担ぎながら格好つけての登場だ。

悪い飼い主さんには早くご退場していただかないとだ。


「馬鹿な?!ここには結界が!」

「んなこたぁどうでもいいんだよ、お前それグリードトゥースだろ?ダメだろ放し飼いなんかしたら。

ご近所さんが食われたらどうするんだ、そいつの凶暴性舐めんなよ?」

「質問に答えろ!」

「そんなの、そこの奴を追跡したに決まってるだろう。害虫駆除の基本は巣の駆除からだ」


そういう事だ、統制が取れている奴なら数を減らせば仲間は違和感を覚える。

そこでトラップを仕掛けた所を俺とウィラーラで異界化した道に誘い込み、一匹ずつ仕留める。

ちょうどその道のプロがいる訳だからな。

後は揺さぶりをかけて上司に報連相に持ち込んできた奴の後をつけるという寸法だ。



「ったく、素人が多頭飼いとかふざけてんのか、これだからブツブツ……」

「ふざけてるのはお前だ!結界張ったこの場所に音もなく入ってくるとかそれこそ何者だ!?あの女の仲間か!来い!お前ら!」


フードの男は変わった文様の筒を取り出し、詠唱をすると筒から煙が噴き出す。

噴き出した煙は形を作り、複数のグリードトゥースへと姿を代えた。

ほいほぼ確定だ。さしずめフードの男も異世界帰りの転生者だろう。ジョブは魔物使いって所だな。


合流した奴も含めて数にして6匹、グリードトゥースを盾にするように後ろに位置取りをするフードの男。

グリードトゥース達は臨戦態勢。普通の人間だったらリンチどころかミンチになる数と相手な訳だが―――――――


「やれっ!!」

6匹のグリードトゥースが連携を取りながら襲い掛かってきた。


今回の俺のビックリドッキリ武器はこれだ!と持ってきた獲物に巻き付けた布を取っ払う。



破戒の御神刀▶――――固有技能解放―――――

▶「カーリー無頼の太刀」


追加効果 特攻付与発動

「レプタイルハンター」

「アーマーブレイカー」

「アンチエンチャント」



「どっせい!」

とまあこれが今回の俺の武器だ。


破戒の御神刀―――――こいつは名前の通り御神刀、つまり守り刀だ。

本来はお守りの様なものなんだがとにかくでかい!ほぼ鈍器!てな位にでかい。だがこの手合いを如何にかするには十分!


デカく大味な反面、集団で蹂躙してくるような相手にはかなり強い。

そこに俺のスキルが組み合わされば……!


「何だと!一振りで上位のグリードトゥースが一撃で……?!」


文言じゃわかりにくいがトカゲ野郎もスッパスパ!一匹両断!デモンストレーションはここまでだ!


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