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序幕之了後 ~事の顛末~

あの手紙から端を発したどさ回りから一週間が経過した。とりあえずは平和だ。

表面上はな。

まあ当然だ、俺の店自体は普通ではあるが色々と外敵への策は弄している。

裏事情がそれなりに情報が入ってくる以上、使わない手はない。


一つ変わった事と言えばっと、言ってるそばから在庫保管庫から出てきたな。


「マスター、メキシコとキリマンジャロの在庫が少ないかもしれません。仕入れはどうしますか?」

「ああ、今の季節だと下手したら暑くなる、キリマンジャロをやや多めに、その分メキシコは減らせ」

「分かりました」



……とまあバイトが一人入った。名前は獅豪 寧子。前職は政治家秘書。

そんなこいつが何故白いワイシャツに黒いスカートとエプロンを付けて俺の店で店員をしてるというとだ話はあの後からになる訳だが―――――――






「組織としてでかくなってから出直してこい、これが俺の最終結論だ」

「おいおい広門、勝てる戦いしかしないってか?悠長な。」

デウスは嫌味交じりで俺に突っ掛かる。俺以外は四人は各々の場所に自分の身を席を置いている。


「当たり前だろ、方や事実上国家を乗っ取った集団、方やネット弁慶のレジスタンス、一目瞭然だ」

「ネット弁慶……」


さしものストゥーカも言われた事にショックなのか眉間を押さえずにはいられないようだ。


「バックボーンの肩書や活動力は間違いなく優秀だろう、だが旗色の悪い、銀行で例えるなら潰れかけた企業に誰が融資するかという話になる」

「その物の例え方はどうなんだよ」


デウスはやれやれと言わんばかりな感じだ。


「同じだよ、現代の戦闘は大概航空爆撃や軌道上衛星兵器でカタが付くが仮にそれや軍隊の力が通じないとなった時に最後に物をいうのはゲリラ戦だ。

敵の目をかいくぐる手段は悪くはないが段取りを間違っている。人を救う前に敵を潰す算段を優先するべきだ」

「……」



総理は意見に対し思案をしている様子だ。


「あんたらの組織は救助ばかりで戦うという面で圧倒的にプロフェッショナルが足りていない。

総理、アンタがいながら何をやっている?この手の判断と選択は分野のはずだろ」


と、ここで恐る恐る秘書の姉さんが手をあげる。

「それは違います、現在総理の権限はないに等しく、実際の政策や方針は転生者が握っています。

総理やその事情に通じてる人達はほぼ監視の目も厳しいので私の様な末端が駆け回る事になってる訳でして……」


「それは分かってる、だからこういう状況になってるんだ、組織化が早急すぎだと言っている。

俺ごときを加えた所で事態を好転出来るとか夢物語だ」


ストゥーカも総理も姉さんもデウスですら俺の論法に押し黙る。

まあ当然だな。人助けを優先するか転生者退治を優先するかの違いだ。


「そういう訳だ、人助けで敵に対抗するなら宗教的にもち上げてくれる

人間を集めて攻める方が早いし、出来る事からコツコツと、なんて聞こえはいいがベクトルを間違えれば徒労になり下がる。

それに事後処理に対してのツッコミもあるがそっちは状況的になってもいないから割愛だ」



何も言えなくなったのか場が静かになった。この空気を開口一番で割ったのは総理だった。


「ふう……どうやら我々の負けのようだな」

「総理?!」

「やれやれ、色んな方々から法改正の為の陳情や要望や何やらでお歴々と話し合ってきたがそっち方面で徹底的にダメ出しを受ける側に立つのは答えるなぁ」

おいおいと言わんばかりのストゥーカの対応を尻目にお手上げのリアクションで返す総理。



「戦い慣れた物特有のご意見痛み入る。相当異世界で分の悪い争いを重ねてきたのだろうな君は」

「……俺は軍師や専門家ではないのでこの程度の意見なら誰でも、ですよ」

分の悪い争い、ね。そもそも分のいい戦いができていたら勇者なんて不要なんだがな。

所詮争いの捨て駒よ。



「さて、交渉は以上だ、帰りはどうする?車でも出すか?」

「いえ、それには及びません、私達には通ってきた道があるので」

とストゥーカはいいながらさっき俺達が出た所に指をさす。


「ああ、そういやそうか、でなきゃ監視の厳しい一国の代表が裏であっちゃこっちゃ動けるわけもないからな」

カラクリを一度知ってしまうと一気に納得できてしまう訳だ。


「そうだ忘れる所だった。ストゥーカさんよ。」

「はい」

「なんでこの姉さんの受け取りを拒否した?そこんところまだ聞いてないぞ」

親指で秘書の姉さんをクイクイと指さしながら説明を求める。


「……そうですね、それを話さなければそもそもとして理念に反しますし、知る権利がある」

ストゥーカの神妙な面持ちに改めて妙な空気になる、が今度は茶化す相手もいない。


「実は彼女に―――――――――」


「グッドイブニン!広門!寧子!」

居た!モノローグを茶化してくる超ドレッドノート級のアホが!?


「オイィ!読み物で他人のモノローグに割り込むバカがいるか!居たよ!お前だよデウス!!」

「おおメタいメタい。何だい藪からスティック(棒)に?人がやってきて早々大声出して更年期障害には早くないか?」


何事だと言わんばかりにとぼけた表情で返答するデウス。こいつマジなんなん?



「ああデウスさん、いらっしゃい」

「やあ寧子。へーやっぱ似合うね。私も着たくなっちゃうゾ☆」

「お前が客商売とか店の信用無くすからやめろ。目を離したら冷凍庫とかに入ってそうだ」


面倒臭くなったから説明を省略するとだ、この姉ちゃんは結局敵に狙われる可能性を考慮して安全なここに住み込みで働くことになった。しかも総理が自腹きってボディガードの費用や生活費を出してくれた。

だから貸し借りは0、対等な取引という訳だ。





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