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物語初戦

「誰だはこっちのセリフですよったく。足でドアをノックとかチンピラ以下の作法じゃねぇか。他の異世界人の品を疑われるからやめてくれませんかねぇ?」


ここでようやく私、鷹村 広門の登場であります!

一本道故待ち伏せは容易だったぜ。ここで俺の手荷物がようやく役に立つわけだ。

この杖「炎殿の主柱」がな。



「wow,貴方が異世界サロン?とかいう奴ら?の割には随分と気合が足りないようだけど?」

「俺はそいつらとは関係ねえよ、ただの客人だ、喧嘩売られたから挑んだだけだ」

「I'm sorry。ならお詫びをしないとね、あなたは見逃すからここを通してくれないかしら」

「流暢な英語だな姉ちゃん、もしかして海外勢の転生者か?」

「あら、わかる?ここでご歓談といきたい所だけどごめんなさい私達パーティーに誘われてるの。すぐ返答頂ける?」


ウィットにとんだ会話の弾み方の反面、即答を求める辺り欧米人って所か。

ならそれに見合った返しをしてやらなきゃ失礼ってもんだ。



「悪いが答えはNO!だ。理由?開幕暴力を行使してくる奴を信用できるわけないだろ」

「それこそ誤解よ、私達が相手にしてるのは犯罪者だし、ここにそいつらがいるから私たちがやってきただけ。それにあなた、祈祷所に名前明記されてないわね、今ならまだ……」

「……やめておけマレー。悪党に声掛けされてノコノコ応じる奴だ。こいつもただの外道の類だろう」



おいおい真っ先に決めつけかよ。一方的な正義感ヅラとか嫌いなタイプなんだがな。



「……俺以外にも巻き込まれた人間がいるんだよ。一般人のな。俺はいいがそいつらに手をかけさせるわけにはいかないんだ。手前勝手の論法で仕掛けた喧嘩に他人を巻き込むなっつてんだよ」

「ならそいつらだけ生かせばいいだけの話だ」

弓の小僧っ子が悪びれもなく言い放つ。思わず大きなため息をついてしまった俺がいた。



「……ダメだな、ぜんっぜん駄目だ。傷つけなきゃいい、死ななきゃいいだとか小手先でしか考えれていない時点で駄目だ。異世界転生して相当生っチョロい生き方しかしてないなお坊ちゃん?」

そういい終えると弓の坊ちゃんの放った矢が俺の足元をかすめる。明らかな威嚇だな。


「……だからこの世界の人間は基本カスしかいないんだ。ジョークでもバカな説得や懐柔はするなマレー。食い物にされるのがオチだ」

おうおう、嫌われたもんだ。相当生前嫌な事があったんだなコイツ。




「という訳だ悪いなお嬢さん、そっちの兄ちゃんの意向で交渉決裂だ。気合入れて挑んでこい」

「Oh、まあしょうがないわねヘイン、出会いが悪すぎたわね私達」

「そういうこった、こういう時は渡世の義理を優先しときな」


そう俺が言い終えると、弓のお坊ちゃん……ヘインとか言ったか奴の一矢が俺の直線状めがけて放たれた!



だが俺はそれを体全部を使って回避をし、俺のいた場所に矢が地面ごと突き刺さる。

一撃を回避するも先にいたのは三又の槍使い・マレーだったか。奴が槍を俺にめがけてスイングをかます!

見た目に反してかなり重い一撃なのは想像に難くない。



だが受ける!マレーの一撃は俺の横っ腹に直撃、俺は吹っ飛ばされる。

「よし!」

マレーは一撃に手ごたえを感じたのかガッツポーズをする。が瞬時に足元に転がっているものに表情を一変、瞬間それは爆発した!



「クソッ?!マレー?!」

ヘインは後方担当故爆発に巻き込まれずに済む。

だが瞬間、爆風の隙間を縫って俺はその合間を逃さず距離を詰める。

弓使いの弱点は近距離までに詰められると矢が放てないいうのが定石だ


「?!」

「遅い」


弓使い特有の慢心、距離さえ取れれば客観的にものをみれる。

間違いじゃあないが、まだ軽い。後方を取られたときの対応手段がまだまだだ。




炎殿の主柱▶――――固有技能解放―――――

▶「雷帝よりの飛火」


追加効果 特攻付与発動

「弓鳴音越え」

「マンイーター」




「でえええええええええい!!」

杖から花火のごとき火が杖から噴出される。例えるなら大玉の花火を至近距離から放つような勢いの物だった。

その例えに取れるような威力以上の火がヘインの至近距離から放たれる。


「がああああああああああああああああ!」

当然の帰結として軽装であるヘインには防げるはずもなく、放たれた火花とは逆に吹っ飛ぶ。

だが初手に放った爆発の煙もその勢いで流れ出した。



流れた煙の向こう側からマレーが三又槍を構え俺に突撃チャージを仕掛ける。

爆発を受けてはいたものの持ち前の防御の強さなのか何かの回避手段を用いたのか煤まみれ。

常人なら手足が吹っ飛ぶようなダメージのはずだがそこは転生者、スペックは段違いだ。

「くらええええええええ!!」


マレーの重い一撃が俺に放たれる、はずだった。

天丼、という繰り返し同じ方法で笑わせるというお笑いの手法がある訳だが俺は初手と同じく

足元に瓶を放っていた。


それに気づいたマレー、流石に今度は瓶を跳ねのけ―――――砕いた―――――



閃光火薬▶――――固有技能解放――――

▶「閃光力解放」



砕けた瓶から強烈な光が放たれる・所轄フラッシュバンだ。

本来はコイツはあくまで材料であって単体ではここまで光らないのだが自前の能力の恩恵によるものだ。

言葉に直すなら、道具や装備品の能力解放・倍化と言った所だ。

俺自身は魔法や特別な戦闘能力がある訳ではないが色々かけ合わせたり頭を使って補っているわけだ。



「Oh this fucking!何ていやらしい戦い方をするの!!」

マレーはモロに閃光を食らった為、視界が全く見えない。

焦りもある為に槍で周囲を払いながら周りを警戒する。


「ぐっ……」

フラフラと起き上がるヘイン、ダメージが通った直後で足元がおぼつかない。

ヘインは周囲を確認する、が周りには目が見えずに槍を振り回すマレー以外誰もいない。

「(どこかに隠れている?いや、今俺たちを殺さないとアイツらは祈祷所にターゲットにされておしまいのはずだ)」


ヘインは弓と矢を拾い、一呼吸置きながら弓の弦を思いっきり引く。

弓はギリギリと異音をたてながら、場の空気の圧を変えていく。強く、強く、万事を押しつぶすが如く。




「跳馬ッ!」



一矢――――矢はヘインの手元から離れ通路奥の闇の中に消えていった。


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