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爆縮と体温の機知(2)

夢物

闇夜の提灯

列を作れば

淡い灯りの道

和紙越しの温かさは

触れる物を

古くも新しくも無い

夢物にして行く

不思議な空気

彩り、ピント

暈しているようで

鮮明な肌色

ぼんやりと紅色

露店から

蒸しパンの湯気


朱色が赤色に映る

遠巻きの眺め

道を進めば辿りつく神社

蛾が蝶に見えるように

話し声の明るさ

急ぎでもなく

緩やかでもない

活気の丁度良さ

高鳴り過ぎず

手を繋いで

幼い日のように

照れ臭さは無い

空気に乗った

雰囲気に飲まれた

どんな顔をしているか

二人とも分からない


アーチ式の小さな橋

真ん中で見れば

全体が映る

水の光より

両側に連なる灯り

真上には星

流れて行けば

夢物にして行く

音量が下がるのは

満足感と

今ある満足感では

満足しない人間らしさが

綯い交ぜのまま

帰路に着いているから

外灯がポツポツ

明暗がリズムを取り

駐車場が見える


繋いだ手は

離すタイミングを

車までと決めた

どちらが決めたのか

どちらも決めていない

そんな現実

肺に残っている

空気のおかげか

頭に残っている

光のおかげか

なんとなくという感情が

感情を足し算する

見えない許容

不確かだけど

許せる感覚

曖昧の中にある愛


ピピッという電子音

バックミラーを調節しながら

覗き見る横顔

嫌ではなかったような

嫌だったような

現実感を背負う瞬間に

侘び寂びは無い

会話の隅に

置いてある物は

お互いに分かるようでいて

不明瞭だった

途中のコンビニで

覗き見るスマートフォン

くっついた反対側が

混ざった香りを作り

夢物にして行く



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