謎タイトルの意味とはいかに
登場人物紹介
甘神 彗寝 銀髪、無気力で割と残念な女の子。異常。
モーザン・ラーコウス元王子 茶髪、元王家の人間で偉そうな態度をとるが魔法も使えない。無能。
「う、うわああああああああ!!!!!」
モーザン・ラーコウス元王子の叫び声が響く。
「ん?」
そんな中はっきりしない声で疑問符を浮かべる女の子。
着物で、銀髪で、やる気の『や』の字も思い浮かばないほどやる気なさそうな顔をしている。
〜 ラーゾット・ファオン王国 モーザン王子の別荘 〜
「き、貴様何者だ!お、おお、俺の別荘で何している!」
「君…服装から見て偉い人…?」
なにも知らないらしい。
「それは我を侮辱しているのか!」
混乱してるからか一人称が定まってない様子の元王子。
「いんやぁ、貴様って敬語の部類らしいしぃ、偉い人が敬語使うってなぁ…」
どうやら、どうでもいい情報は知っているらしい。
「我は8代目次期国王のモーザン・ラーコウスだ!さぁ、俺を敬え!」
「一人称ちゃんとしようね」
「っ!」
痛いとこつくのも得意らしい。
そんな王子は涙目になりかけている。
「そ、そんなことより貴様!」
「貴様じゃなくて甘神ね」
「くっ、アマカミ!ここで何をしている!」
「何って…生活?」
見ればわかることを当たり前のように言ってくる。
「なぜ俺の別荘で生活している!」
大声で怒鳴る王子。
完結に説明するとこう。
彼女は勇者と戦っていた。
でも着物で動きづらいせいでもうめんどくさくなって逃げてきた。
んで遥々たどり着いたのがここ、王子の別荘だった。
というのが一連の真相らしい。
「つまり貴様は逃げてきた弱いやつなのか」
「弱くはない、気付いたら勇者と戦わせられていた。
それに着物だと…動きにくい…」
「ふん、そんな嘘が通じるか。
なら動きやすい服だったら倒せたのか?その勇者は」
どんどん挑発していく王子、むすっとした表情のアマカミ。
「え、服あんの?」
「庶民の服もあるぞ、命を狙われないように変装しなければならないしな」
「貸して、クローゼットにあるよね」
勝手に漁るスタイル。
「んじゃ借りるね」
「せ、せめて違う場所で着がえろ!!」
〜数分後〜
「よし、勇者倒してくるけど…ついてくる?」
「我は戦力にならんぞ!ましてや勇者なんぞに…え?勇者って」
今更何かに気付いた様子。
「んじゃついてくるってことで。しっかり意識保ってね」
え?なんて言葉もでないほどのスピードで二人は動き出した。
おそらく他の人には視認できないんじゃないかというほどに。
〜 魔王城(現アマカミ城) 〜
「勇者、魔王は見つかった?」
「ダメだ僧侶、全く見つからない!」
「ねぇ〜勇者まだぁ?」
「魔法使い、お前も探してくれよ!格闘家も!」
「体力は温存すべし」
「もぉ〜…」
「・・・あいつらは何してるんだ?」
隠れていた王子は勇者ご一行の奇行を疑問に思っている様子。
「まぁ見てて」
そう言い残したアマカミは勇者一行の前に、てくてくっと出て行った。
「やっと出てきたな魔王め!正々堂々と戦え!」
「は〜い」
そう言い出すと彼女の周りに桜の花びらが舞いだした。
「めんどいからもう奥技でいいや」
「「「「「ゑ?」」」」」
王子と勇者ご一行の五人は揃って疑問符を浮かべる。
「酷死蝶の羽に包まれて死の快楽に溺れるが良い…」
彼女と勇者の周りに蝶とその鱗粉が桜とともに舞う。
それは綺麗という感想しか出ないほどの美しさだった。
しかし勇者はその場に倒れこんでしまった。
まるで葬式を始めるかのごとく周りには花びらが落ちていた。
「あ、ああ、ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
魔法使いが叫び出した。
僧侶は顔を手で覆いなるべく何も見ないようにし、格闘家は黙り込んでうつむいている。
「これが…魔王……なのか?」
どうやら王子も度肝を抜かれたようだ。
魔法使いは勇者に近づき泣きじゃくっている。
そんなことを無表情で、もはや関心もないかのように彼女はただただその様子を眺めていた。
そして、もう帰ろ?お腹すいた。と王子に語りかけていた。
彼女は魔王である。
だが主人公ではない、主人公は王子である。
しかし王子は魔法すら使えない。
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> どうやら無双はできないようです。 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
烏龍茶ですね、わかります。
最近感想が来て本気で嬉しくなってます。
にやけが止まんないです。
今回はチートという観点では変わりませんがちょっと雰囲気を変えてみました。
他の作品?
ちょっとナニイッテイルノカボクニハワカリマセン…