初町
グリドル
へぇー、ここが魔界一の町か。
思ったより人間味があってにぎあかな感じだな。
'この町には魔王様が築いた魔王城があり、ここで読み書きや魔法を教えたりしております。
そして、魔界の政治は城を中心に行われています。
ペル様もこの城で様々な事を学ぶことになります。
魔王城はあっちでいう学校的な存在なんだな。
魔王の城なのにそんな緩い感じでいいのか?
ていうかガネーシャは4歳の俺がこんなにペラペラしゃべっていてなにか気にならないのかな?
「ガネーシャ、撲がなんの教育もないのに何でこんなに話すことができるの?」
この世界にでの疑問は考えるより、他者に聞いた方が手っ取り早いってことに最近きずいた。
この前だって魔法を使いたくて…
まあ、この話はまた別の時にはなそうか。
'はい、それは魔王様があなたの生まれた際に与えた 視力 聴力 話力 の覚えを早くする魔法をかけています。
そのため私の言葉を聞くと脳内で素早く分解、解析、理解して話すことができるということです。
…?(首をかしげる)
わ、わからん…
'まあ、簡単にいうと、とても物覚えが早いといった方が分かりやすいですね。
なるほど。俺の知らないうちにそんな魔法がかけられているか。魔法はこの世界では必要不可欠なものだとみた!早く使えるようになりたいなぁ
グゥゥゥゥ…
あ…
'ふふ、お腹がすいたのですね。それではここらでお昼にしましょうか。ここら辺だと…やっぱりあれですかね'
現実世界でも腹をならすなんてことはしなかったし、しても誰かに聞かれるなんてことはなかった。アニメや漫画などの展開でよくあるが、実際にやってみるとここまで恥ずかしいとは…
(これぞ穴があったらさらにもぐって入りたいというやつだな)
'これをどうぞ。この辺りで有名な料理のジャマイカです。熱いのでゆっくり食べてくださいね'
ジャマイカってどこの国やねん!
っというツッコミもこの世界では通用しないんだろうな。
とりあえず食べてみるか。
ん!これは…
う、うまぁぁぁい!
この味加減といい、どこか懐かしい日本の味もする。
醤油か!この味の正体は醤油なのかぁ!
'喜んでもらいましたか?それでは次は買い物に…きゃあ!'
「おい!アウトローが逃げたぞ!」
「ガネーシャ!大丈夫ですか?」
くそぅあのやろうただじゃおかねぇ!
'ええ、私は大丈夫ですが、これは大変ですね。
いま走っていったのはアウトローといって、犯罪者や魔王様の政治に対して不満を持つ人のことです。
'この魔界には二つの派閥があり、1つは魔王様の率いる天界との共存をしようとする/良天派/と、天界との接触を避けようとする/非天派/に別れています。
成る程、その非天派はあまりよく思われていないんだな。
この世界にも色々あって頭の中で整理するのが大変だぜ…
"邪魔だ!どきやがれ!"
あ、さっきのやつまたきやがった。
よし、みてろよ…
"どけ!ガキ!"
姿勢を低くしこの棒を強く振る!
バキィ!ガシャァン!
おお!派手にひっくり返ったなw
ざまぁみやがれ!
その後、アウトローは衛兵が捕まり、衛兵の一人がちかずいてきた。
'なにやってるんですか!早くここを立ち去りましょう。
それと…ありがとうございます。
この笑顔は一生忘れられないだろうな。これからも見せてほしいと感じるほどだ。
しかし、この行動は間違いだったかもしれない。
記者が家に訪ねて来て、やれ インタビューさせてください や
4歳の天才 なんて呼ばれたり、大変な目にあった。
"あの、ここは魔王様の別荘だと聞いて居りますが、魔王様はどこにいかれておられるのですか?
'今は、どこにいるのかは私にもさっぱりで、ここ数年は帰ってきておりません。いつかえるかもわからない状態でして…
俺の父親も一体どこで何をしてるんだか。
息子が悪党を退治したってのによ!激おこぷんぷんまるですよ!
"息子さんは魔王城で魔法を学ぶおつもりですか?
ん?ああ、俺に話しかけて来てるのか。というかガネーシャ以外の人と話すのはこれが初めてだな。いやぁー元ひきこもりもここまできましたかぁ!
「あの、ええーと、あの、その、あー、えー、そのですね、」
ヤバイ!全然言葉が出てこない!ガネーシャとは普通に話せるのに、緊張してきた…
'すみません、ペルセウス様はまだ言葉をうまく話すことができなくて…
ナイスフォローガネーシャ!
"それでは仕方がありませんね。またいつか落ち着いて取材させていただきますよ!
ふぅ、やっと落ち着ける…
芸能人とかはこんなことばかりやっていてダルくならないのか?
まあ、これで今日もよく寝れるって話だ!
次はもっとうまく人前で話せるようになっておこう。
(あの家には今、あの二人しかいないのか。今こそ魔王に非天派の力を見せつけてやる…)