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[君はほんとに鈍感だな、普通アイスティーの時点で気付くだろ。」と彼は呆れたようにいった。こいつやっぱむかつく。それと一瞬でも自分が主人公に戻れたと考えた、
自分が恥ずかしくそして情けなくおもった。くそこの似非外人が。「私は立派なフランス人ですよ」といった、また人の心を読みやがって、それにしたら日本語うまいな。
「悪趣味だな」と僕は今までに感じたことのない怒りを感じながらも冷静にいった。「悪趣味?」と彼は本当に意味が分からないような顔してまっすぐな視線を僕に送ってくる。
「だから私はあくまで夢は夢だと釘を刺しましたよね」と彼は続けた。「だから僕はその夢が悪趣味だって言ってるんだよ」と僕はついに声を荒げてしまった。
それでも彼は、何も動じることなく「あなたが見た夢はあなたが望んでみた夢デスヨ」といきなりが外人風にいった。そしてこう続けた「しかしあなたが見た夢は実につまらないもの
だったので私が介入することになってしまったわけですが。」と今度は真剣な目ではっきりとした日本語で答えた。やっぱこいつ日本語ふつーに話せるんじゃないか。
ばかにしやがって。夢の案内人が人の夢に介入ってどういうことだよ。何が自由に夢を操れるだよ、むしろ操られているじゃないか。
いかわらず
第一僕がが望んでいたのはこんなもんじゃない。もっとわくわくする何かだ。何かはわからないけれども。
「では、あなたが本当に望んでいるという夢を今から見させてあげましょう。」とまた勝手に心を読み答えた。
「そしてこの夢は夢ではないということを忘れないでください。
うん、夢であって夢ではない、いったいどういうことだ。まったくわからん。てか今何時だよ。
「相変わらず質問の多い人だ。」とまたも心を読み呆れた顔をしていった。
「まず今は君が寝付いた時間からたったの二秒しか進んでいないあと夢であって夢ではないというのは君の夢での過ごし方によっては今の君の心を変えてしまうかもしれないという意味だ」
まてよ夢で二日過ごしても現実では二秒しか進まないってことは単純に一日一秒ってことかよとんでもないな。心を変えるっていうのはなんとなくわかった。
「納得してもらえたようなので新たな夢をあなたに贈ることにします。それでは目を閉じてください。」
そういわれ僕は目を閉じた。そして次に目を開けるとそこにはいつもの天井ではないが見知った天井があった。これは間違いなく実家の天井だ。
僕が実家にいるってことは当然これは当然夢のなかってわけだ。念のため頬つねってみたがやはり痛くはなかった。頬をつねってわかったことがもうひとつある。
手が小さくなっている。これは中学時代ってわけか誰がこんなこと望むかよ。似非フランス人め。
そんなことを考えているとドアをノックする音が聞こえてきた。「お兄ちゃん起きてる」と「おう」とだけ答えた。
妹は俺と違って人当りもよく一般的に見てもかわいい。 シスコンではない。むしろブラコンを疑うレベルであった。このころは。
このころの俺はサッカーでこの地区ではある程度有名だったし妹になつかれる要素は今の十倍はあったろう。
まぁ今では口を利かないがな僕が家を出たのが一番の要因だと思うがそれ以前からも妹が話しかけてきてそれに答えるというだけだったような気もするけど
そんなことを考えていると今度はノックなしでドアが開いた。そこには日本人形のようなきれいな黒髪で少し幼さを感じるがまさに容姿端麗という言葉の似合う
美少女が立っていた。その美少女は部屋に入り僕の目の前にきて「お兄ちゃん早く起きて、遅刻するよ?」とまさに妹の鑑であること言っている。
そうこの妹の鑑のような少女こそ僕の妹優芽である。
「着替えるから玄関で待ってろ」と昔の僕っぽく演じてみた。
「どうしたの?風邪でもひいたの?」心配そうに見つめてくる。かわいいな。まて、今までそんなこと感じたことなかったのにあ、まさかおれロリコンなのか。
「そんなことないけどどうした?」
「え~だっていつもだったら妹と一緒に学校なんて行けるか恥ずかしいって嫌がるのに」
しまったそうだった。中学の時は絶賛王様状態でとげとげしてる時だった。このときはかっこいいって思ってたけど今の僕からしたら単なる黒歴史だ。
とりあえず僕は妹を玄関に行くように言い聞かせ小さくなった体を起こして顔洗いに洗面所に向かった。
鏡を見て僕は驚く中学時代の自分の顔は今では想像もできないくらい輝いて見えた。簡単に一言で表すならハンサムだった。