プロローグ
「ぶーぶーぶー」今日もまた何の変哲もない一日がこの無機質な携帯のアラームから始まる。それはもうとても僕を憂欝な気分にしてくれる。
例えるなら、先日買ったお気に入りの蛍光色のスニーカーが突然のゲリラ豪雨によって色が落ち、そのあと電車で無邪気な小学生低学年の女の子に
踏まれ白く色落ちした場所が黒くなり、またそのあと、、うん。そういう気分だ。決して昨日の僕の経験じゃないはず。「たぶん」とつまらないこと
を考えながら学校へ向かう準備をする。いつものように顔洗い、歯を磨き、朝飯を何も考えずに口に運ぶ。
僕は将来を渇望され、道を歩けばだれもが振り向くような容姿で、とかそんな訳もなく平凡よりやや下くらいの男子学生夢丘夢路である。またそんなつまらないことを考えている間にいつもの朝飯は胃の中に納まっていた。時間を確認し、「よし!」少し気合を入れて玄関へむかい、靴を履いた。僕の靴は湿っている。
色は黒くなり、底には泥と何か異臭を放つものがついている。「ふぅ」と息を吐き僕は靴を履き替え外へでた。それでも昨日の雨がうそのように外は晴れていた。少し僕のきもちを晴らしてくれた。夢じゃなかったかという事実は残ったけど、、。






