登場人物設定集
※諸注意
前身の小説に登場し、設定が変更になった登場人物の設定書きです。
気にならない・前身を最初から知らない方には必要がない情報ですので、読み飛ばして頂いてなんら問題はありません。
序盤の展開のネタバレを含みます。
■ 四季王寺 巧 (シキオウジ タクミ)
主人公。冷たい美貌を持つ青年。享年十九。
多方面に才能を持ち、何をやっても一定以上の結果を残すことが出来るため、物事に対する執着が薄く、日々を無気力に生きていた。ただし、自分の能力には自負と自信がある。
尊大。結論主義。毒舌。
見た目はインテリ風だが、わりと肉体派。同性に反感を抱かれやすい。
冷徹だが貸し借りにはシビアで、人に作った借りは返さずに入られないため、ある意味御しやすい性格である。
地球で突然死後、謎の神によって「死霊」として異世界へと蘇るハメとなる。
様々な要因のために召喚時に暴走。ユーカの腕をちぎって食らってしまったため、その借りを返すために「再生の秘薬」の材料集めの旅に同行することに。
■ ユーカティリス・ミサ・ルーシュテル
ヒロイン。通称「ユーカ」。
絶世の美少女ながらそんなことには頓着しない残念娘。十八歳。
錬金術士の家系に生まれるも錬金術の才能(発想的な問題)が皆無であり、代わりに莫大な魔力と魔術のセンスを持って生まれた。
稀代の魔術師として将来を嘱望されるも、なぜか道を踏み外して「死霊術」の研究に没頭。
傍若無人。一応常識はわきまえており、平時は家族や友人を大切にする側面をも見せるが、殊死霊術絡みとなると豹変。後先を省みないマッドさを発揮する。
「完璧に近い死霊」を作り出すために、家宝である「賢者の石」を持ちだす。
その結果術式に異常をきたし、暴走。神のテコ入れもあって召喚されたタクミ(暴走状態)に左腕を食いちぎられるという重症を負う。
■ ロザムンド・フィアレス
サブヒロイン。通称「ローザ」。
浅黒い肌に銀髪。スレンダーでシャープな肉体を持つ少女。十八歳。
「恐れなき者」の称号を持つ伝説の魔法剣士を祖父に持つ。自身は複雑な血筋により様々な種族の特性を持ち、特化型であるユーカに対して万能型の冒険者。ただし自分では「器用貧乏」だと思っている。
長身で凛とした佇まいと同世代では突出した能力のため、性別にかかわらず外野からの人気が高い。しかしクールな見かけとは裏腹に、自信がなく常にオドオドしている気弱ッ娘。
気弱な性格だが、「他者を救済すること」に執着しており、時には自身の危険をも省みない行動を起こすことがある。
死霊術師として生物の死体その他を欲するユーカが出した護衛依頼で知り合い、以降親友同士として接している。
腕をなくしてしまったユーカを心配し、「再生の秘薬」の材料集めのたびに同行することを決める。
■ ヴィオール・アカイ・ルーシュテル
ユーカの父。現ルーシュテル家の当主にして、宮廷錬金術士たちのトップを務めている。
若い頃は自身で各地を旅し、いくつもの修羅場をくぐり抜けてきた豪傑。
所謂「モヤシ」が多い錬金術士たちのなかでは異例の偉丈夫であり四十代ながら、肉体的にも精神的にも未だ衰えを知らない。
普段は豪快な性格で周囲を強引に引っ張り回しているが、娘には振り回されっぱなしで気苦労が絶えない。
■ ヴィクトル・アカイ・ルーシュテル
ユーカの兄。次期ルーシュテル家の当主。
勤勉で生真面目な性格。修行中の身であるが、すでに技倆や知識量の上では一人前。しかし過去に父親に「おまえの発想は安直でつまらないところがある」と言われたことを気にしている。
父親と同じく妹には甘い。
■ メリッサ
ルーシュテル家のメイド。
元々はルーシュテル家とつながりのある名家の令嬢だったが、父親が不正を働いたとして零落。
国外へ追放されかけたところをヴィオールに拾われ、下働きとして雇われた。
未だに貴族だったころの感覚が抜け切らない部分があるものの、働き手としては有能。
普段はヴィオールの世話をしていることが多いが、ユーカのこともよく気にかけている。
■ ウィルバード・メルシュタイン
セベルスタ王に仕える聖騎士。
人を癒やしたりアンデッドに対して有効な「浄化」等、国内有数の法術の使い手。
ヴィオールと同世代だが、若々しい金髪碧眼の美丈夫。
自分の容姿に自信を持っており、聖騎士という立場ながら軽薄に遊び歩く困った男。
女癖が悪く、すでに妻以外の何人かを孕ませているが、きちんと責任を取る主義らしく妾やその子どもたちに対しても便宜を図っている。彼の妻はすでに諦めの境地へと達しているようだ。
自分を嫌い、セベルスタ城下から出て行ってしまった末娘を非常に案じている。