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第四章:橋を占領せよ

更新が遅れました。


どうも、歴史物は難しいです・・・・・とは言え、最後まで責任を持って書きます!!


さもないと、楓ちゃん・・・・・BABABABABABANG!!


私達の第一目標はミンスクになった。


このミンスクにある橋を占領して、友軍が行けるようにするのが任務だ。


しかし、どういう訳か私達の横を数台のトラックが走り抜けた。


何とソ連兵の格好をしているではないか!?


「し、少尉っ。あれって、イワンじゃ?!」


「落ち着け。あれはイワンであって、イワンではない」


『?』


皆は首を傾げたが、知らないのも無理ない。


「彼等は“ブランデンブルク部隊”だ」


彼等は俗に“裏方”の仕事をこなす影の者達だ。


プロシア貴族達---私の周りは彼等を余り良く思っていない。


しかし、私の父上---中将は違う。


『彼の者達こそ、これからの戦いで主役を担うであろう。いや、主役を担わなくても、これからの戦いにおいては必要となる』


現にその通りとなった。


先ずポーランドだ。


彼等の活躍で重要な戦略目標---橋、鉄道、基地、トンネルを占領して、ポーランド侵攻に大きく貢献した。


今回も彼等は来ているか。


「少尉、彼等ってドイツ人なんですか?」


「いや、違う」


この部隊を創設した“テオドル・フォン・ヒッペル”が、第一次大戦で“パウル・フォン・レットウ=フォルベック”のアフリカで行ったゲリラ戦の熱烈な支持者だ。


しかし、彼の提案は先ほど言った通り、空しく却下されてしまったが、諦めずに彼は活動を続けて、ついに実現できた。


彼の求めたのはSS---親衛隊の長---ハインリヒ・ヒムラーの求める金髪碧眼のアーリア人ではない。


スラヴ人、ポーランド人などの者達だ。


これは良い。


敵国などで活動するに当たっては、その国に溶け込める人物が望ましい。


今回の戦場はロシアだ。


ロシアは他民族が大勢居り、言語もマチマチである。


恐らく、そこを考慮した結果だろう。


彼等は私達を通り越して、先へと進んだ。


「良いか?間違っても撃つなよ。彼等は友軍だ」


私は部下に厳しく命じたが、それは要らぬ事だった。


『ご安心を。友軍を撃つほど馬鹿じゃありません』


「それを聞いて安心した。しかし・・・・・空は難しいかもな」


VOOOM!!


私達の頭上を飛行機が通り過ぎる。


ドイツ空軍の飛行機だ。


先ず飛行機---急降下爆撃機などが重要拠点に、爆弾を落としたりして敵の反攻を弱める。


そこから戦車などが行き、歩兵が包囲して占領するのだ。


爆弾は目標だけを攻撃するのは難しい。


ブランデンブルク部隊が心配だが、彼等は大丈夫だろう、と思い直す。


それから少し進んで、彼等が合図をするのを待つ。


私達は黙って、戦車の中で待ち続けていたが、戦車長である私は双眼鏡で遠くから眺めていた。


まだか?


腕時計を見た時、空に何かが放たれた。


合図だ。


白と緑の信号弾が、空に上がったのだ。


「合図だ。さぁ、橋を目指すぞ!!」


VOOOM!!


Ⅲ号戦車が蹄音を鳴らして、ロシアの大地を走り出す。


まるで、黒馬に跨って戦場を翔ける祖先のような気分だ。


ロシアの大地を疾走しながら、既にブランデンブルク部隊が行動を開始していると思われる橋へ向かう。


「前方に遮蔽物がある。しかし、ただの木壁だ。構わず突きっ切れ!!」


「了解。シッカリ掴まっていて下さい」


ロマイニーがギアを動かせば、エンジンが更に強く唸り声を出す。


ガタガタと車内が揺れるも、私達は気にしない。


寧ろ・・・・・・・・・・・・


『敵陣へ単騎で突撃だ!!』


まるで、物語に出て来る主人公のような気分だった。


バキバキッ!!


木壁がキャタピラーで踏み潰される音がする。


同時に「うわぁぁぁぁ!?」という驚きの悲鳴も聞こえた。


気のせいではない。


しかし、敢えて無視して橋を占領する事に急ぐ。


それから暫くして・・・・・・我々の作戦---即ち北方の橋を占領する事に成功した。


ブランデンブルク部隊の手際良さが作戦成功の鍵、と私は思っている。


この戦いで、我が軍は数十万に及ぶ戦争捕虜を獲得する事に成功した。


橋を占領した私達は味方歩兵が来てから再び前進した。


第二目標であるスモンレスクへ向かったのだが、この戦い勝てる、と・・・・・その時は思ったまま・・・・・・・・・・・・

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1941年7月。


我々はスモンレスクまで来ていた。


ここもミンスクと同じく楽勝と考えていたが・・・・・そうではなかった。


我歩兵部隊と装甲部隊は合流して東へ進撃したのだが、突然の暴風雨で地面が泥沼と化した。


この泥沼は厄介で、進みたくてもキャタピラーなどが泥に嵌り思うように進めない。


更にソ連軍の後方錯乱部隊が、我が後方を滅茶苦茶にしてオットーとハマーンが十分補充できない事態に陥った。


それを見越したように敵軍は現れた・・・・・・・・・


「2時の方角に敵戦車!無線機を受信に切り替えろ!!」


バイアンが無線機を受信に入れ替える。


それが合図とばかりに、一斉にソ連戦車が押し寄せて来た。


「徹甲弾を込めろ。2時の方角の敵戦車---BT-7だ!!」


BT戦車はソ連の開発した軽戦車で、私達が最初に撃破した戦車でもある。


7はBT型の最終タイプだった筈だが、恐れるに足らず!!


「徹甲弾、装填完了!!」


ベルナルドの声を合図に砲塔が旋回する。


敵は撃って来ているが、恐れずに冷静な対応をする。


砲塔がBT-7を捉えたように見えた。


「・・・・照準良し!!」


ストラッサーが叫ぶ。


「よし、ファイア!!」


BAM!!


Ⅲ号戦車が火を噴いて、BT-7の装甲を貫き撃破する。


BAKOM!!


「命中!次、5時の方角に・・・・・何だ、アレは!?」


私は驚きの声を出す。


私の眼には一両の戦車が映った。


車両が小さくて、その上にある四角型の部分---即ち砲塔などがある上の部分が馬鹿でかい。


そいつが火を噴いた。


BAM!!


Ⅲ号戦車の砲塔なんて眼じゃない位、巨大な火を噴いて・・・・味方砲兵と対戦車砲を破壊した。


榴弾だ。


「あの馬鹿でかい戦車をやるぞ!戦友の敵討ちだ!!」


『ヤー!!』


Ⅲ号戦車は泥沼に苦戦しながら、前進して馬鹿でかい戦車---ギガント(巨人)に近付く。


奴は別の獲物を狙っているが、そうはさせない。


「よし、徹甲弾を込めて側面を撃て」


前面は無理そうだが、側面なら狙えそうだ。


そこを狙おう。


「・・・・しっ。装填良し!!」


「ストラッサー、シッカリ狙えよ」


「へっ。こんな馬鹿でかい的なら外しません・・・・・・よ!!」


BAM!!


Ⅲ号戦車が火を噴いて、ギガントの側面を撃つ。


・・・・・・KAN。


変な音がした。


「・・・・命中。だが、撃破してない」


「俺にも見えました・・・・・何て硬さだ!!」


ストラッサーも驚きで、唖然とするしかない。


ギガントの砲塔がこちらを向こうとする。


「右へ回避!!」


Ⅲ号戦車H型が右へ旋回して、敵の背後に回る。


しかし、ギガントの砲塔は火を噴かない。


それ所か私達の姿を見失っている様子だ。


「このまま撃ち込め。奴を仕留めるんだ」


私の命令に従い、ベルナルドが徹甲弾を装填する。


そしてストラッサーが撃つ。


10発も撃って、全て命中させた。


それなのに・・・・・撃破できない。


「ちくしょう、何つう硬さだよ」


「ぼやくな。装甲が駄目なら・・・・別の場所を狙えば良い」


何処を狙う?


それは・・・・・・・・


「奴の砲塔を狙え。それから湿地帯に誘い込む」


これで駄目なら諦める。


「徹甲弾、装填良し!!」


「今度こそ、てめぇの一物を駄目にしてやる!!」


「ファイア!!」


BAM!!


Ⅲ号戦車が火を噴き、ギガントの砲塔に命中する。


「命中。さぁ、後は湿地に誘い込むぞ」


私達は背を向けて走り出す。


それをギガントは当然のように追い掛けて来た。


しかし、砲から弾は撃たれない。


砲塔に命中して、撃てないのだろう。


今度は・・・・・その身体を動けなくさせてやる。


「見えた!湿地帯だ!!」


ギガントは全速力で追い掛けて来るのを感じた。


そして私は湿地の手前で、旋回させる。


私達の行動にギガントは成す術もなく湿地帯に嵌って身動きが出来なくなる。


これで一応の撃破だ。


後は歩兵に任せて、我々は前進するのみだ。


この戦いを“第一次スモンレスク攻防戦”、と呼ばれるのを私は知らなかった。


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