びいどろ
顔を上げてください
あなたの顔が見たいのです
何も見えないその目が羨ましいのです
あなたの空気色の瞳をずっと眺めていたい
涙を拭いてください
あなたの声を聞きたいのです
意味のない異国の言葉が愉しいのです
あなたの空気色の音にずっと聴き入りたい
さあ、お茶にしましょう
きらきら光るあなたの笑顔は
テーブルに散らばる金平糖のよう
ステンドグラスのギヤマンのよう
お茶菓子に甘いかすてらを用意しましょう
空の向こうには何があるのでしょう
海の向こうには誰がいるのでしょう
あなたはきっと知っているのですね
あなたはそこからやってきたのですね
どこかから
びいどろを吹く音が聞こえます
透明な空の
あなたのような濁りのない音が
前を向いてください
あなたのことを待っています
問うこともしない心を守りたいのです
あなたの空気色の時を少し分けて貰いたい
無垢な空気を、少しだけ。
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