表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界鉄道開発紀  作者: 橙谷 玲紗
第一章 王都へ
8/8

街道に出た。

私が村を出て二日。見渡す限りの草原をひたすら歩き続け、ようやく開けた街道へと出た。土埃を巻き上げながら行き交う旅人や荷車を眺めていると、エルム村のバルドさんが話してくれたことを思い出した。


「王都へ行くなら、街道沿いの宿場町に『乗合馬車』の停留所があるはずだ。一人で歩くよりも、ずっと楽に行けるだろう。」


そうだ、なぜ今までそのことをすっかり忘れていたんだろう。二日間の旅で、私の足は悲鳴を上げ始めていた。エルフの身体能力は高いはずなのに、二日も歩き続けることは、前世の運動不足のせいか、思ったよりも疲れるものだった。


(乗合馬車か…。確か、何人かの旅人と一緒に乗って、目的地まで運んでくれる乗り物だったな。料金は थोड़ा かかるかもしれないけど、体力の消耗を考えれば、利用する価値は十分にある。)


バルドさんの話では、街道沿いの宿場町は、ここから半日ほどの距離にあるらしい。私は、疲れた足を引きずりながらも、乗合馬車の停留所を目指してまた歩き始めた。本商人からもらった本を時折読みながら、この世界の文化や歴史に触れるのは面白かったけれど、やはり疲れは無視できなかった。


日はだんだん高くなり、日差しが照り付けてくる。街道には、私と同じように王都を目指す旅人や、 荷物を運ぶ荷車が行き交っている。


(宿場町は、どんな人々で賑わっているんだろうか。無事に乗合馬車に乗れるといいな…。)


そんなことを考えながら歩いていると、遠くに小さなな建物が見えてきた。街道沿いにポツンと立つその建物は、簡素ながらも人の出入りがあるようだ。もしかしたら、あれが乗合馬車の停留所かもしれない。


希望を胸に、私は歩みを速めた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ