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第40話 スキル強化の近道は


「ペットを強化するスキル?

 私たち、ペットはいないから力になれるかねぇ〜。」


 イチさんは申し訳無さそうに頭をかく。


 ぷるんつを強化するというリクビさんのアイデアを活かすべく、私はスキルツリーを様々に振り直して、ぷるんつに有用なスキルがないか探っていた。


 端から端までスキルを記録すれば、いずれなにがしかのスキルに出くわすだろう。そう考え、律儀に一番左からスキルを埋めていき、ノートにスキルの詳細をしたためていたのだ。


 しかし、スキルツリーというものを正直甘くみていた。

 最初1つのスキルからいくつかの枝が伸びている。その先のスキルを取得すればそこからも枝が伸びる。

 あとはネズミ講のように爆発的にスキルの数が増えていく。


 所詮スキルの数、多くても数十程度だろうと考えていた私はみごとに足元を掬われたのであった。


 私は助けを求め、トリプラーのみなさんの意見を頂戴しに前の自室へとやってきていたのだ。



「おおっ、メグじゃない。どうかしたのか。」

 後から現れたエリノさんが事情を聞いてくれる。


「はぁ〜っ!メグもスキルツリーの振り分けができるんだね。それくらいのレベルにしちゃあ恵まれてるぜ。感謝しないとな。


 しかしお悩みの通り、スキルツリーが自由に振り分けできるようになったことと、現時点で取得できるスキルを自在に操れることは全く同義じゃない。


 相当年数を重ねた冒険者でも、なんとなくスキルの振り方を変えてみたらすごく有用なスキルが見つかった、なんて話はザラだね。


 時間はかければかけるほど知ることは多くなるだろうけど、あまり躍起になるとノイローゼになりかねないぜ。

 程々にしとけよ。」



 なるほど。網羅すべくというそもそものアプローチが間違っていたのかもしれない。

 では手練れのパーティはスキルで詰まった時どのような解決策を取ってきたのか。


 今度はイチさんが答えてくれる。


「まず前提の話。『最適解はほぼ出ない』ってことさね。


 ある程度試してある程度の効果があればそれで行ってみる。

 はたまた余裕があるときは試したかったスキル構成をまぁ使ってみる。


 冒険者の強さは確かにステータスもあるけど、どれだけスキル構成に恵まれてるかがキモだと私は思うな。それにはそこに辿り着くだけの場数が必要なわけで。」


 対ボス無双は全てのポジティブスキルが有効になるスキルだ。

 今は理解が追いついていないところもあるが、どれだけ化け物じみたスキルか今回の件でも分からせられる。



 イチさんは続ける。


「私が思う、その上で少しでも意図した挙動を引き出すコツ!


 1つ。座学をしっかり受ける!

 座学は先駆者の知の結晶。スキルの話に関係ないと思ったことも案外繋がっていたりするから馬鹿にならないよ。

 寝ていても勉強しても同じ時間を過ごすんだ。日々の研鑽の近道を放っておく手はないね。」



 み、耳が痛い……。

 でも冒険全般に関する理解は対ボス無双時の振る舞いにもいい影響を与えそうなんだよね。


 手元のノートをちらっとみる。私にもやる気がないわけじゃないんだ。

 がんばってみるか……。



「1つ。本を読む。

 これも座学と同じ理由だね。多くの先人の経験が手軽に得られる代物だ。

 手に取るものに迷ったら先生に聞いてみると良い。

 もちろん私たちからも何か薦めてあげられるよ。」


 本も抵抗あるなぁ。でもオカリナの皆のためにもがんばりたい。



「そして最後の1つ。これはメグが現在進行形でやっているね。人に聞くってことだ。


 なんでもかんでも聞くのは実にならないけど、調べたりやってみた上で意見を尋ねるのはすごく意味のあることだね。

 メグ、君は今よりずっとずっと強くなるよ。」



 イチさん、優しい……。



「ようするにペットに関しての具体的なことは今は言えないってことだな。」

 エリノさんがやれやれと大袈裟に首を振る。


 イチさんがえへへ、と頭をさする。



「ペットの強化のいい情報、あるよー。」


 真後ろでささやかれ、びっくりした私は猫のように飛び退く。


「シノ、いつの間に帰ってたんだ。神出鬼没なやつだな。」


 ふふふ、と笑うとシノさんは私にアドバイスをくれる。


「ツリーの中には取得するだけで次のスキルが表示されるものと、スキルを重ねて取ったときにスキルが表示されるものがあるんだけど……ツリーみせてー。」


 シノさんにツリーを展開して見せる。


「んーとねー……これ、『戦術』。

 今は4本の枝が出てるけど、大抵の人はこれを3回までとるとねー……やってみてー。」


 言われた通りにする私。

 するとなんと!戦術から新しく枝が伸び、『剣術』のスキルが取得可能になった。


「スキルツリーの重ねがけってやつだねー。

 もちろん枝を伸ばすのが目的ではなくて元のスキルが、ほら少し強化されるからねー。」


 なるほど説明によると戦術の効果量が増えている。

 しかしこの方法でさらにスキルの選択肢が増えるなら、なおのことスキルを虱潰しにするのは難しいようだ。



「ペットを強化するなら『魅力』を強化して得られる『テイム』、そして『テイム』から伸びるところにある『テイマー』に着手するといいんじゃないかなー?

 もちろん取得できない人もいるし、ダメそうなら許してねー。」



 テイマー!

 モンスターを使役する職業だ。確かにテイマーになればぷるんつを色々強化できそう。夢が広がる!

 ちなみに私の職業はもともと戦士だったけど兼業ということになるのかしらん?まぁいいけど。


「テイマーか……なんだかぷるんつに慕われてるメグさんにすごくお似合いな気がするよ。がんばってね。」



 イチさんに褒められてやる気の出た私。


 私って扱いやすいんです。

 そして鉄は熱いうちに打てともいいます。


 早速図書館でテイマー関連の書籍をどっさり借りてきた私。



 その夜、日が暮れても本を読みふける私を見て、やんわりと私の頭の心配をしてきやがる失礼なオカリナ3人衆であった。


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